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さいご


深く鬱蒼とした森を一つの馬車が進んでいた。


「この馬も優秀だな。安全とはいえ魔物の匂いが蔓延してるこの森を、怯えることなく進むとはな」


さすが天下のグリフォンフライの所有している馬だ。


リードは改めてグリフォンフライという配達会社のデカさを痛感した。そしてそれを束ねる後ろでスケッチをしている男のことも。




「よし、今日はこの辺にしよう」

辺りも暗くなってきたことを確認したリードは、少し開けた場所で野宿する事に決めた。


「よっしゃ!待ってました!!」

馬車から飛び降りたキールは、魔法鞄からテントと焼き鳥と飯盒炊飯(はんごうすいはん)セットを取り出した。




「リードも食べな?力が出ないよ?」

キールは手際よく、簡易的な丼をつくり、リードに差し出した。


「ああ、ご相伴にあずかる」

リードは素直に受け取り、口をつけ始めていた。




「それじゃあ、俺はもう寝るから交代になったら起こしてね」

キールはそそくさとテントに潜り込み、リードは見張り番を始めた。


「いくら魔物が出ないと行っても野生の動物はでるんだぞ・・・」

テントからすぐに聞こえてきた、「スースー」という寝息にリードは肝の太さを感じていた。


しばらく、見張り番をしていると、夜の静けさからか、キールの毒気のなさからか、リードにしては珍しく、少しうとうとしだした。


「・・・!!・・いけない。少し眠ってしまったようだな。どれくらい眠っていたんだ?」

首をカクンと落とす勢いで、起きたリードは、夜空を見上げ星の位置で時間を確認した。


「なんだ、少しも時間は経っていないな・・・・!!!!」

リードが視線を落とすと、先ほどまでテントがあった場所に、見たことのない石碑があった。


一瞬で飛び退き、懐からナイフを取り出し構えた。


「なんだ・・これ・・・幻術・・じゃないな」

リードは恐ろしいほどに違和感のないその光景に警戒を強めた。



・・・・こちらへ・・・・気をつけて・・・


「声!?・・・いや念話か・・」

リードは、恐る恐る警戒を強めながら、その石碑に近づいた。


もう少しで、石碑に触れるというところで、石碑からおぞましいオーラが放たれた。


すぐさまリードは武器を構えた。


「「「「「ゴアアアァァァァ」」」」」


そのオーラはやがて形をなし、複数のリッチになり、リードに襲いかかりだした。


「くそ、何だこれ、いつまで出て来やがる」

リードはとっさにナイフに魔力を纏わせ、リッチを次々に切りつけて行くも、すぐにまた新しいリッチが生みだされていた。


「幸いなのは、一匹一匹がそんなに強くないということ、だな!!」

リードにはまだ軽口を言える余裕があった。さすがはギルド長になった人物であった。その実力は並大抵の者ではなかった。




「やっとか、何時間たったんだ?」

やっと全てのリッチを倒し終え、石碑の方に向き直った。


・・・ありがとう・・・あなたの・・なにかを・・・・ください・・・


戦いの中、少しずつ大きくなっていく声の指示に従うかどうか、リードは悩んでいた。


「あのリッチ達は、この石碑から出てきたわけだが、この石碑からは嫌な気を感じない・・・どうするべきか・・」

リードはしばし考え、自分の直感に従ってみることにした。


「俺をこんな訳の分からない現象に巻き込むくらいだ。何をしようと俺のかなうところではないだろう」

若干の諦めを孕みつつ、リードは先ほどまで使っており、無茶に魔力を纏わせたせいでボロボロになったナイフを捧げた。


・・・・ありがとう・・・・さいごの守り手・・・


その声を聞き終えると一瞬にして景色が代わり、石碑のあった場所には、もとのテントがあった。


そして、なぜか身体に溢れている魔力を、確認するかのように、体中に魔力を行き渡らせ、空中にジャブを放った。


たったそれだけで、空気が逃げるよりも速く空気を押しつぶし、マッハの衝撃がソニックブームとなり、前方の木々をへし折った。


「ふぁああ、あれ?もう終わったの?」

キールはリードの音で起き、交代の時間かと尋ねた。


「もう終わった?・・・お前、全部こうなることが分かっていて!?」


「何のことだかわかんないよ、夢でも見てたんじゃない?」

キールに詰め寄ったリードに対して、慣れたようにさらっと受け流すキールであった。


「食わないと力が出ないってこういうことだったのか、説明不足にも程があるぞ!」


「うんうんごめんね。疲れてるようだから交代してもう寝ようね」

ニコニコとキールはなんとかリードを宥めテントへ誘導した。




「・・・・・・・リードは極度の夢遊病なのかな?」

キールは温かい目でテントの方を見て呟いた。


読んでいただきありがとうございます。

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