第三百三十五話『剣と槍』
「まだ、終わりじゃないよ?」
タカヒロが僕達の声に答えるかのように言う。
「え?」
ぼくは声を出した。
「これが、剣と槍の差だ!」
そう言ってタカヒロは一瞬で槍を引き、さらにもう一体の『キングウォーゴーレム』に向かって突きを放った!
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タカヒロの槍が空を切る。
「お、すごい!」
サラがその様子を見て言った。
「ふふん、うちのタカヒロはすごいんだからね!」
対戦相手の格闘美少女ララが、サラのつぶやきを聞いてそう言った。
「二連撃?・・・じゃないか、二連突き?」
ぼくはタカヒロのその動作を見てつぶやいた。
「しかも、これはスキルじゃない・・・普通の身体能力だ!」
さらに僕は呟いた。
「つまりどういうこと?」
サラが僕に言う。
「つまり・・・ぼくには真似できない・・・」
そう、身体能力に自信のない僕にはできない光景だ。
「このラスト・オンラインには身体能力を補う機能がいろいろついているけれども、このレベルになるとそれを乗り越えるレベルの人たちが登場する・・・ということか」
僕が更につぶやく。
「グオォォォォォ」
『キングウォーゴーレム』がタカヒロの二連突きをうけて、うめいて、消滅した。
「2体同時に倒しちゃいましたね」
美少女魔法使いの奈緒子が僕たちに言う。
「うん!すごかった!タンタン!で倒しちゃった!」
サラが槍をもっているフリをして、タカヒロのマネをしてみせた。
よほどすごかったのだろう。
エア突きを練習するサラだった。
「どうだい?ジュン?」
突きを打ち終わったタカヒロが僕の方を見て微笑む。
「すごい、確かに今のは剣だと難しいね」
ぼくは、タカヒロの二連突きを思い出して言う。
同じ場所から、違う場所にいる的に、ほぼ同時に攻撃できるのは突きならではだろう。
「えー、剣だってできるよ!こうやって、ズバってやったあとクルってまわってズシャ!だよ!」
サラはそういって、身振り手振りで、エア剣戟を見せてくれた。
「それできるのサラだけなんだよ!」
僕は、その動きを見て笑う。
サラならほんとにできそうだ。
実際サラは剣を持ってないだけでそういう感じの戦い方を常にしている。
「一回目の剣戟の遠心力をつかって、移動しながらそのまま二体目に攻撃するってことでしょ?」
僕はそう聞き返す。
「うん?難しいことはわからないけど、くるっとまわってズシャだよ!」
サラはジュンは相変わらず何言ってるかわかりませんなー、とわらいながら、身振り手振りをつかってまた、表現した。
「あいかわらず天才野球プレイヤーみたいな説明だなー」
僕はサラの発言を聞いて笑う。
サラはその説明を聞いただけでできちゃうん可能性が高いけど。
「さて、タカヒロにいいものを見せてもらったし私達も行くよ!」
そう言ってサラは『キングウォーゴーレム』の方を見てビシッとポーズを決めた。
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