第二百七十二話『固定残像 - スクリーンデコイ』
「二体の敵も走ってよけるつもりか・・・?」
と僕が呟く。さっきはそうやって、『アーマードリザードマン』の攻撃をさっとレイラが避けたからだ。
「しかし、この二体相手は難しそう・・・」
と、僕がかなりの速さでうごく『ハイスピードリザードマン』を見ながら言う。
「ふふ、こうするのよ!」
とレイラがスキルを発動させた。
同じようにやっていたら、さっきのようには行かないはずだ。前回とは違って、二体が追ってきてるししかも速い!
そこに、レイラのスキルが発動した。
ブブブブと、レイラの回りが歪む。
「え?!なに?!」
と、僕がそのスキルを見て呟く。
「え?え?レイラちゃんが二人になった??」
とサラがびっくりしている。
「ほんとですね!レイラさんが二人に!」
と奈緒子も驚いている。
『固定残像 - スクリーンデコイ』
と弓使いのレイラはスキルを発動させた。
「すごい!自分の残像を発生させるスキルか!!」
と僕が言う。
前回のランコの『二重残像 - ダブルスクリーン』に似ているが、あっちは武器が二重に見えるスキル。こちらは、自分そのものが二重に見えるスキルだ。
「スキル発動時の自分の姿が映像としてそこに残るスキルなのか!」
と僕が言う。
そう、そこにはホログラフィのような、レイラの姿がそこに残っていた。
「そうなんだ!おもしろーい!!すごい!」
とサラが喜ぶ。
そして、追ってきていた、『ハイスピードリザードマン』はその残像の方方に向かっていった。
そう、本物のレイラはしゃがんで、『ハイスピードリザードマン』たちの視界から消えていたのだ。
「すごい!『ハイスピードリザードマン』二体が、自分の顔を見て狙ってきていることを利用して、偽物の顔にだけ注目させたんだ!」
僕が説明する。
「え?それすごいの?」
とサラが聞く。
「そう、あれは堂々とやられると意外に気が付かないんだ。マジシャンが右手に注目を集めている間に、左手でネタを仕込むみたいな技だ。知っている人が見たら左手でなにかやってるのだろうな・・・と注目するけど、普通はそれに気がつくのはムリだ!」
と僕が言う。
そう、顔だけに注目していたら、いきなり胴体が2個になっても気が付かない。
そんなことがあるなんて思わないからだ!
その心理を見事に利用した、堂々とした映像トリックだった。
「そうなんだ!すっごーい!」
とサラが言う。
そう、そのとおり身体能力だけじゃなく、心理学を利用した面白いスキルの使い方だった。
「よし、振り切ったわ!いくわよ!」
とレイラは特殊なスキルで二体の『ハイスピードリザードマン』の追手を交わし、攻撃態勢に入った!
「オッケー!」
と剣士のサクラが言い。
「了解!流石レイラ!」
とアキラが言う。
一番左の『ハイスピードリザードマン』に向かっているサクラとアキラがレイラに答えた。
「いくわ!」
と言って、レイラが矢を放った。





