第百七十九話『砦その2』
「トロールを倒して、平和を取り戻したかに見えた『妖精の森』に新たな敵が現れた、それを倒して、平穏を取り戻せ!」
と僕が、淡々とそのクエストの説明を読む。
「ちょっとー!!ぜんぜん、『妖精の森に平穏』続いてないじゃん!!」
と、サラが長老の言葉を思い出して言った。そして、そのクエストの受注を同時に済ませていた。
素早い動きだった。
「おおお、勇者様たち、またこちらに来てくださったんですね!」
と妖精の長老が喜びを最大限に表現しつつ、僕達に向かって言った。
「今度はどうしたんですか?」
と僕が単刀直入に聞く。
だいたいはわかっているのだけど。
お約束的に聞いた。
「最近、この森を襲ってくる、モンスターがいるのじゃ。その討伐を依頼したい」
と、長老が言った。
「う、まったく同じだ!」
と僕が笑った。
そしてほぼ思ってたとおりの答えだった。
人工知能を搭載しているはずなのに、昔のRPGみたいに全く同じ文言で説明してきた。
「こないだトロール倒したのに??」
と、サラが聞いた。
そう、せっかく頑張って倒したのに、また敵が出てくるのが不思議だったようだ。
「うむ。さらに強力な敵が襲ってきたのじゃ、私らでは手に負えん。勇者様たちにお願いできないじゃろか?」
と、長老が言った。
「もちろんやります!!」
とサラが答えた。
即答だった。
「妖精の森を襲うなんて許せない!!」
と、サラも同じ事を言って引き受けた。
「長老からの説明は以上です!では、この『妖精の粉』をお使いください。ダメージが回復します」
と、お付きの妖精が前回とまったく同じことを言った。
人工知能を搭載しているはずなのに!と僕もまた同じことを思った。
そして、そういえばせっかくもらったのに前回使わなかったな・・・と思った。
「ありがとうございます!」
と、僕が言うと同時に、新たな砦に転送された。
「似たような、砦だね」
到着してあたりを見回した僕がそう言った。
ほぼ同じと言っていいだろう。
ある程度同じじゃないと、作るのが大変なのだろうなぁと思った。
「そうですね!」
と奈緒子が言う。
「また、同じような敵が出てきた!」
とスライムやゴブリンをバッタバッタとなぎ倒すサラだった。サラのテンションは高いままだ!
そして、ズンズン進んでいくとBGMが重厚なものに変わった。
「ボスですね!」
とBGMの変化に気がついて奈緒子が言う。
すると、ずずずっと新たなモンスターが登場した。
そう、ほぼ前回のボスとおなじシルエットのボスだった。
「また、トロールだね!」
と僕が言う。
「なんか、前の砦とトロールの色が違うような・・・」
と、サラがボスを見てそう言った。
その色をしっかり確認して僕気がついた。
「アクティブトロールだ!」
と僕が言う。
そして、『アクティブトロール』はこちらに気づいたようだ。
「さぁ、戦闘開始だ!」
と僕が言った。





