第百三十六話『半透明のモンスター』
「ぎゃ~~~!!!!でた〜〜〜〜!!」
珊瑚以上に大きな声で、サラが叫んで走りだした。
「あははは、全然大丈夫じゃないじゃん!」
と僕は、サラを見て笑った。
こんなとこなんじゃないかな、と密かに思っていたのは内緒だ。
さて、思ってたより大変なクエストになりそうだ。
「さっきまでの自信はなんだったの?」
と、僕が笑いながらサラに聞く。
「だって、現実の世界にはお化けなんかいないし!全然怖くないって思ってたんだよ!!」
とサラが言う。
確かにそう言われればそうだ。
実際の世界にはお化けなんかいない。
と言うと特定の層のマニアには怒られそうだけど・・・。
「でも、実際出てきたら、めちゃくちゃ怖かった!!」
とサラが続けて説明した。
「なるほど、それは確かにありえるね。VRはホラーと相性いいしね。」
「そうなんですか?確かに、すごく怖いですね!」
と魔法使いの美少女奈緒子が聞く。
「うん、ヘッドマウントディスプレイで視界は閉じられてるし、ヘッドフォンで聴覚も独占されてる、さらに『バーチャルウォーカー』なら触覚まで独占してる。これは確かに相性がいいよね」
「確かに!そういうことだったんですね!」
と奈緒子が相槌を打つ。
「あとは温度とかコントロールできるともっと怖くできるかもしれないね。マニアな人だったら、クーラーと連動するような改造してるかも」
と僕が言う。
ゲームは昔からいろいろな改造をしている人がいて、格闘ゲームと電気マッサージ器を連動させて、ダメージを受けると、実際にビリビリする、というような改造をしている人がいるのだ。
「あー!それは怖そうですね!」
と奈緒子が言う。
お化けが怖くなくても、暗くて、寒くて、大きな音がしたら誰だって怖い。
「それはそうとして、ちょっと、サラを助けよう!」
と僕が言って剣を構える。
SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」だ。この最強の剣には最強のスキル『疾風』が付いている。
「サラと珊瑚!少し下がって!」
と僕が叫ぶ。
その声を聞いて、サラと珊瑚が後ろに跳びはねる。
「怖がっててもちゃんと動けるみたいだね、良かった」
と言いながらスキルを発動させる。
キイイイィィィン、と「 神の剣 -デュランダル 」に光が集まる。
「『疾風』!!!!!!」
僕がそう叫びながら、斬撃を繰り出した。
光の斬撃が空気を伝って、半透明なモンスターに向かっていった。
「あ、当たりましたね!!」
と奈緒子が言う。
「いや・・・」
と僕が言う。
そう、そのことを予測して、剣を繰り出していたのだ。
光の斬撃は、その半透明のモンスターを『すり抜けた』!!
そして、『疾風』はその後ろにある岩を破壊したが、反透明のモンスターは無傷だった。
「そんな!!」
と奈緒子が言う。
そう、そのモンスターは、『最強の斬撃』つまり当たったものには、必ずカウントストップの「99,999」のダメージを与えていた、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」の『疾風』をすり抜けたのだ。
「これは手ごわそうだね!」
と僕は笑った。





