第百十一話『奈緒子と馬』
「ただいま!ふー大変だったぁ!」
と、サラはゆっくりとカピバラに乗って戻ってきた。
「カピちゃんは、ちゃんとお願いすると、言うこと聞いてくれるみたい!!」
そして、カピちゃんという名前がついていた。
「「騎乗 - ライディング」講習で、習ったとおりちゃんとお名前で読んであげるといいんですね」
と、奈緒子が笑った。そう、「騎乗 - ライディング」講習で、違う名前のシルバーと呼んで大変な目にあっていたサラだった。
「え、カピちゃんかどうか、名前か分からないのでは?ブリアンナかもしれないし」
と僕が笑う。
「カピちゃんは、私が最初につけたんだからいいんだよ!ねー!」
とサラはカピバラに笑いかけた。
カピバラは満更でもないような顔をしていた。気がする・・・。
「こんどは僕らの番かぁ、奈緒子は何に乗りたい?カピバラじゃないよね?」
と、僕は奈緒子に聞いた。この草原フィールドには、騎乗できる動物が探せるように、いろいろな動物がいるようだ。
「そうですね!カピバラさんも可愛いと思いますが、私はやっぱりお馬さんが良いかなぁ」
と、奈緒子が言った。
基本的に馬が好きなようだ。
あの「騎乗 - ライディング」の最初から上手だった感じからすると、実世界でも多分乗ったことがあるし、愛着もあるのかなと思った。
「あ、そんな話してたら、お馬さんだよ!」
とサラが言う。サラは、カピバラから降りて、背中を撫でていた。かわいいのぉ、かわいいのぉ。と言っている。君はおじいさんか・・・。
「あ、ほんとですね!」
と微笑む奈緒子。
ありがとうサラちゃんと言いながら、たったったと馬の所に走っていった。
馬の横に並走するように、歩く。
そして、馬の首筋をポンポン、と叩く。
その手慣れた様子から、馬の場合は背中などを撫でるより、馬自身が届かない首のあたりを撫でるのがいいのかもしれない。と思った。今度聞いてみよう。
「こんにちは!君に乗りたいんですけど、良いですか?」
と優しく首筋をポンポンと、叩きながら、馬に丁寧語でお願いする奈緒子。振る舞いも上品だな、と思った。
馬は奈緒子をじっとみている。
それは良いという意味なのかな、と僕が思った瞬間。
すっと、体を動かす奈緒子。
「ありがとうございます!」
と、言いながらすでに、馬に乗っていた。
馬の視線を『許可』と理解した奈緒子が素早い動きで騎乗していた。ありがとうございます!と乗りながら首をポンポンと撫でて、感謝を馬に伝えている。
「おお!すごい!」と僕が言う。
「やっぱお馬さんの扱いは奈緒子ちゃんが上手だね〜!私はカピちゃんと仲良くやろう!!」
と、馬で苦戦したサラは、ねー!カピちゃん!と、笑いながらカピバラを撫で続けてる。
「ふふ、うまくいきましたね!」
と、軽やかに乗馬しながら奈緒子は言った。
奈緒子も騎乗できる動物を見つけたのだった。
「次は僕かぁ」
僕はそう言って、動物を探した。





