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茜さす君に見初むる幸ありて。  作者: しっちぃ


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みつける。

 いつの間にか、夕暮れになってて。泣き疲れてそのまま寝ちゃうとか、相変わらずだな、わたし。もう、ただの子供じゃなくなったはずなのにな。でも、さっきよりは、心に余裕できたかも。……恵理さんが教えてくれたこと、思い出せるようになってきてるから。


「すぅ……、ふぅ……」


 ゆっくり、息を吸って、吐いて。繰り返してくうちに、ぐちゃぐちゃになったままの感情が冷えて落ち着いてくる。……こんなに効くって、知らなかったな。本当に、わたしとおんなじだったのかな。でも、今のひだまりみたいな姿からそんなのは見当たらなくて、まだ半信半疑なまま。

 そういえば、晩ご飯、作らなきゃ。どんなに止まってほしくても、明日はずっとひたひたとやってくる。今日はけっこう買い物できたし、常備薬の余りもまだある。あとは、恵理さんが食べたいって言ってくれたの、試してみなきゃだな。……ずっと、もらってばっかりで、わたしがお返しできるのって、料理くらいしかないから。約束したのがどんなのだったか、思い出さなきゃ。メッセージアプリを開いて、トーク画面を遡ってみる。恵理さんと出会ってからはちょっとしかないのに、星花に来てからそれまでと同じくらい話をしてる気がする。


「ふふっ、……もう」


 メッセージのひとつひとつに、恵理さんの顔がころころ浮かんできて、なんか、かわいいって思っちゃう。……じゃなくて、どういうのにしないとか、ちゃんと振り返らないと。でも、嬉しい、みたいなのいっぱい伝えてくれるの、ほわほわして、胸の奥、ちょっとちくってなる。わたし、そういうの全然言えてないな。誰かといるのは苦手だけど、恵理さんといるのはイヤじゃなくて、むしろ、……それ以上は、考えるだけでも恥ずかしい。電話越しでだけど、『もっと声が聞きたい』なんて、……どうして、あの時は言えちゃったんだろう。

 ようやく、見つけたかったとこまでたどり着く。こんなに遡らないといけないといけないくらい話してくれてるのも、そんなになるまで返事をしてるのも知らなかったな。今までのわたしじゃ、ちょっと考えられないや。そこのスクショを取って、キッチンに向かう。晩ご飯を作るには、ちょっと遅くなっちゃったな。

 お料理してるときは何にも考えてないのに、今日は、恵理さんのことがちらちらと頭に浮かぶ。はじめてお弁当を交換こしたときのこととか、どんな反応してくれるのかな、とか。いつもしてることなのに、普段より、ちょっと楽しいって思ってる。

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