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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『アイゼンハワードの魔族のおっさんはつらいよ』

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第14話 時の門

《闇神核》それは、かつて世界を滅ぼしかけた“始まりの力”であり、同時にすべてを終わらせる“鍵”でもあった。


今、その闇神核を掌にするのは、アイゼンハワード。

その隣には、光のアース《ライトアース》を手にした天使レイラかつての戦士・アリエルの記憶を宿す者。


二人は、かろうじてDr.ノアの秘密研究所最奥に囚われていたジェームズを救出した。だが、それこそがDr.ノアの策略だったのだ。


「……間に合ってしまったか」

アイゼンハワードが唇を噛む。


その時。世界の構造が音を立てて崩れた。


地下深くに封じられていた“古代の扉”が、鈍い鼓動とともに開き始める。


《時の門》


挿絵(By みてみん)



それは、時の流れそのものに干渉し、過去を塗り替え、未来を改変する力を持つ“最終兵器”だった。


天界ですら封印を恐れた、禁忌の力。


ジェームズ博士の救出に成功したアイゼンハワードとレイラ。だがその直後、空間に異様な歪みが走った。


「……これは、まさか……!」


唖然とするレイラの前で、アイゼンハワードの胸元の《闇神核》が淡く脈動を始める。それに呼応するように、レイラが携える《光神核》も共鳴し、虚空に禍々しい渦が発生する。


その渦の中心で、ゆっくりと開いていく


巨大な門《時の門》。


「止まらない……これがノアの目的だったのか!」


アイゼンハワードがそう叫んだとき、開きかけた門の前に、満足げな顔のDr.ノアが姿を現した。


「いやあ、よくここまで来てくれた。まったく手間のかかる被検体たちだよ」


彼の背後には、黒い稲妻のようなエネルギーが奔り、門が完全に開かれようとしていた。


「アザリエルは灰となった。だが、奴の存在すらこの計画の一端に過ぎなかったのさ。真に必要だったのは、《闇神核》をこの座標に運ぶ“運命”……つまり君だ、アイゼンハワード」


ノアの言葉に、アイゼンハワードは目を見開く。


「……俺を利用していたのか……!」


「利用? 違うな。君は選ばれたのさ、この世界を終わらせる鍵としてね」


その時、時の門が完全に開いた。


白と黒が混ざり合う虚無の空間が、現実の空間を呑み込もうと広がっていく。


「さあ、最後の幕を開けよう。未来を変えるのは、天才である私だ!」


Dr.ノアの高笑いが響く中、空間は崩壊と再構築を繰り返し、現実が不安定になっていく。


レイラが剣を抜き、アイゼンハワードは拳を握りしめた。

運命を決する闘いが、いま幕を開ける。



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