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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『アイゼンハワードの魔族のおっさんはつらいよ』

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第4話  秘宝 ダークアースと古代の門

霧深きロンドンの夜、アイゼンハワードはレイラと共にとある地下の倉庫にいた。そこはジェームズ・ウィンチェスターが失踪前に最後に足を踏み入れた場所。


古びた扉の奥には、埃をかぶった石板と、黒い鉱石が封印された金属箱が眠っていた。


レイラが静かに言った。


「彼が探していたのは、“レアアース”と呼ばれる古代の鉱石。でも、ただの希少金属じゃない。“Dark Earthダークアース”……かつて魔界と人間界の均衡を崩し、世界を滅亡寸前に追い込んだ伝説の闇鉱石です」


アイゼンハワードは箱の上に手をかざし、ゆっくりと目を細める。


「……この感じ、まさか……あれはヤバすぎるアイテムじゃ。魔界大戦の時、悪魔王ガイアスが用いた“闇神核”……その残滓か」


「ええ。Dark Earth は、闇の核石と呼ばれるその一部です。ガイアスが禁呪ブラック・ゼロを発動するために使用した物質。それが再び人の手に渡ろうとしている……」


レイラの口調は淡々としていたが、その目はわずかに震えていた。


「ある国がこの鉱石を利用しようとしているの。Dr.ノアあのマッドサイエンティストがMI6内部に潜り込み、魔族の四天王の一人“堕天使アザリエル”を復活させる準備を進めている」


「Dr.ノア……奴か。狂った魔学者が、まだ生きておったとはな。あの魔科学の化け物がレアアースに触れれば、次は世界が爆ぜるぞ」


アイゼンハワードはレイラの目をまっすぐ見た。


「Dr.ノア、動いているということは“門”が再び開く可能性があるということです」


「“古代の門”じゃと……まさか」


レイラはポケットから一枚の羊皮紙を取り出した。それはジェームズが最後に解読していた断片であり、そこにはこう記されていた。


“ダークアースは、門の鍵。門は二つ、過去と未来の交差点。封じられし闇神核は、再び世界に試練を与える。”


「……試されるのは、わしらの方かもしれんのぅ」


アイゼンハワードの顔から笑みが消えていた。彼はゆっくりと箱に手をかけた。


「ジェームズはこれに近づきすぎた。だから連れ去られた。そして、わしが動く理由もできた」


レイラはうなずいた。


「覚悟は?」


「とうにできておる。晩ごはん抜きは避けねばならんからのう」


MI6イギリス情報局秘密情報部レイラと老紳士アイゼンハワードの足音が、再びロンドンの地下迷宮へと響いていった。



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