第9話 サラマンダーをぶっ飛ばせ!
虚零の城・第四層《零の墓場》。
暴れ狂う魔獣サラマンダーかつての貴族、アイゼンハワードが変貌した伝説の魔獣が、咆哮とともに火炎を撒き散らしていた。
「グオオオオオォォッ!!」
その巨体は地を割り、牙は大気を引き裂く。
闇と炎に包まれた空間。誰もが一瞬、心を折られそうになる。
だが――!
「突き抜けろ……希望の炎ッ!!」
シャルボニエの叫びと共に、竜槍グランクレールが紅蓮の輝きを放ち、魔獣の胸へと疾走した!
ドォン!!
「効いた……! 少しだけど、効いてるぞ!」
リーリアが風で温度を測りながら叫ぶ。
「みんな、まとめて筋肉回復だああああ!!」
その時、トランス・ジェンダー(回復系マッチョ大天使)が、爆発する筋肉とともに叫んだ。
「ユキネ、さぁ――筋肉に癒されろっ!!」
「くるなあああっ!!(ハグ!)」
「ヒーリング・マッスル・クラッチ!」
ハグされた者は全員、HP全快+状態異常回復+一時的なステータス上昇!
「くっそ熱いけど……なんか元気出たわ!!」
ウルウルが拳を握る!
ナンバ・ラッカの爆裂術式!
「見せてやるよ、爆裂の真髄ってやつをな……!」
両手に構えた錬金符を天にかざし
「爆裂術式《コードZ:千裂閃火葬陣》!!」
魔獣の巨体に数百の火柱が突き刺さり、爆裂が連鎖する!
ボカン! ボカン! ドゴォォン!!!
「まだ、止まらねぇぞ……!」
ユキネの氷剣、絶対零度へ!
「熱には……冷気で対抗するッ!」
剣が青く輝き、気温が一気に急降下。
「絶対零度・斬!!」
サラマンダーの尾が凍結し、動きが一瞬止まる!
ウルウル&風子の連携!
「よーし、アタシとくノ一でやってやるか!」
「セクシー忍法、五感封じの舞!」
「吠えろ、ワンワン拳ッ!」
風子のフェロモンダンスと、ウルウルの連続回転キックが魔獣の視界とバランスを奪う!
そして、ダイソン・サイクロン!
「計算完了。あいつの再生サイクルには、0.72秒の“無防備時間”がある。」
「魔法数式・撃:√(魂+絆)=無限×∞!」
全員の攻撃タイミングを数式で同期させ
フィニッシュは任侠の主役!
「いくぜ……全員の想い、受け取った!」
ダイ・マオウが、左手に念道力、右手に二丁拳銃、額からビームを放ち
「任侠奥義・目ビーム・極大友情砲!!」
シャルボニエの紅蓮の竜槍が、
ナンバ・ラッカの爆裂術式が、
ユキネの氷剣が、
トランスジェンダーの筋肉ハグが、
ウルウルと風子の連携が、
ダイソンの数式支援が――
すべてが一つになり、勝機が見えた。
そして――!
「ぶっ飛べえええええええええええええええッ!!」
(# ゜Д゜)!!!
任侠奥義・極大友情砲を放つダイ・マオウ!
だがその瞬間――
「ダイ・マオウ! ストーーーップ!!」
ドンッ!!
紅蓮の爆発の中から、小さな黒い影が拳で光線をぶっ叩いた。
「えっ……!?」
その者の名は
ベビーサタンのさっちゃん
・ベビーの姿をした恐怖の大悪魔。
・ダイマオウの乳母であり、任侠界の伝説的な「姐御」。
・アイゼンハワードの“使い魔”でもあるが、実質的に彼を諫められる唯一の存在。
「おまえまたぶっ放そうとしてんじゃないよこのバカちんが!!」
ポコッ!(ダイマオウの頭に鉄拳)
「……っいってぇぇ!? さっちゃん!? 乳母上……!」
ダイマオウが土下座ポーズで震える。
「アル様もよ、やりすぎなんだよアンタ。魔獣になってどーすんの、風も空気も読まないで」
さっちゃんは魔獣の胸ぐらをガシッと掴み、
グイッ!と引き戻す。
「ハイハイ! みんな、戦闘中止!!」
「え、ええええ!?」「ええええぇぇぇぇぇ!?」
魔獣は煙を吹きながら元の姿アイゼンハワードに戻り、
肩で息をしていた。
「……ふむ。さっちゃんがそう言うのなら……休戦しよう」
「はあ!? マジですかアイゼンハワードさん!?(風子)」
「無理やり過ぎるでしょ!?(ウルウル)」
トランス・ジェンダーが大の字になったユキネにそっと筋肉タオルをかけながら囁いた。
「……乳母さん、最強だな」
闘いは、終わった。
だが、真の因縁と、封印された過去の歴史が、ここから動き出す。




