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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

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第9話 竜姫の試練 《妹を託すその日まで》

乾いた風が吹き抜ける、荒野の入り口。

竜の羽ばたきが、空を裂いた。


その背に乗っていたのは


シャルボニエ・ド・ラ・ヴァルモン

かつて空中戦で相まみえ、敗れながらも心を動かされた少女。

今日、再び彼女はダイ・マオウの前に現れる。


「……やはり、あなたはそこにいたのですわね、ダイ・マオウ」


「久しぶりだな。まさか、また会えるとは」


「ふふっ、わたくしが“去った”のではなく、“戻るべき場所”を探していただけ。そう思っていただきたいですわ」


微笑む彼女の頬には、確かな覚悟が刻まれていた。


「あなたに……伝えなければならないことがありますの」


「……?」


風が唸った。


その音を割って、黒き竜が再び空に現れた。

それはまるで空そのものが矢となって落ちてくるかのような鋭さ。


そして現れたのは


「姉を、紹介いたしますわ、ダイアナ・ド・ラ・ヴァルモン」

ドラゴ王国臨時政権首長、竜騎士団最高指揮官。

ドラゴに伝わる“最も気高く、最も厳しい女竜騎士”。


挿絵(By みてみん)


「ふぅん……あの“妹が惚れた”というお相手が、あなた?」


ダイアナは竜の背からすっと降り立ち、

冷たい風のような瞳でダイ・マオウを見つめる。


「貴方が“ダイ・マオウ”ね?」


目の前に立つ黒髪の少年を、ダイアナは鋭く見据える。


「……なんで俺に会いに?」


「ふふ、“会いに”なんて、甘い言葉ではありませんことよ」

ダイアナは、美しくも物騒に微笑んだ。


「これは、“妹を幸せにできるかどうかの試験”ですのよ。あなたが“婿に相応しい男”か。この私が見極めてさしあげますわ!」


「……は?」(ダイ、心底困惑)


シャルボニエ(妹)「あ、あの、姉上!まだ何も決まってませんわ!惚れたとも!惚れてないとも!」


ラッカ「おおおお、なんか始まる予感やんけ!」


リーリア(冷静)「……面倒な女の戦いが始まりましたね」


ダルツライ「め、めんどくさいわね。これ……止めたら損なやつ」


ユキネ(斜に構えつつ)「……あの姫、目がガチ」


ダイ・マオウは、頭を抱えていた。


「……惚れた?妹?なにそれ……俺はただ、竜に乗って突っ込んできたのを返しただけで……」


だがもう遅い。

姉は槍を構えている。


そして叫ぶ。


「問います!ダイ・マオウ!あなたは――」


「わたくしの妹に相応しい器か!? 貴方の正義と仁義、竜槍で計らせていただきますわぁあああ!!」


轟音。


ダイアナの竜が地面を蹴る!


爆発的な加速とともに、白銀の槍がダイへと突き刺さる!


ダイ「だから惚れてねぇってのにぃぃ!!」と叫びながらかわす


シャルボニエ(赤面)「姉上、お願い、誤解ですわああああ!」


リーリア「そろそろ魔法、使ってもいいですか?」


ラッカ「もうラブコメなのか戦争なのかわからへん!!」


竜槍と二丁拳銃が交差する。

竜の咆哮、魔弾の閃光、風を裂く女王の怒号。


そして


「くっ……マジで……姉ってのはなんでこんな厄介なんだ!!」


その言葉を聞いたダイアナは、ふと槍を止めた。


「……今、“姉”と言いました?」


「は? いや……事実だろ」


「ふふ……妹のことを“家族”と認めているのですね」


「……いや、だからって惚れたとかじゃねぇぞ」


「結構です。妹を“守る対象”と認識しただけでも……合格点ですわ」

槍を収めるダイアナ。


ダイアナを乗った竜が空へ舞い上がる。


「この試練、仮合格ですわ」

「けれど、次に妹を泣かせたら……1000の竜で踏み潰して差し上げますわよ」


竜は空へと去り、風だけが残った。


リーリア「……で? 惚れたの?」


ダイ「惚れてねぇってば!!」


ラッカ「じゃああの“仮合格”はなんなんやねん!?」


シャルボニエ(赤面)「……もう……姉上、やめてくださいましぃぃ!」


なんだか、突然ラブコメぽくなったが、竜騎士シャルボニエが仲間になった。

惚れたら負けなんだとダイ・マオウは思った。


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