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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

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第8話 裏切り刃 成敗! その2《静寂の氷牢 ―ダイ・マオウ、眠りを越えてゆけ》

【氷牢前・白の門】

「ここが……“静寂の氷牢”……」

リーリアが魔力探知用の水晶をかざすと、光がかすかに震える。


「すべての音、熱、魔力を遮断する凍月結界……並の魔法じゃ解除できないわ」

「中に入るだけでも、精神が削られるっていう話よ」


ラッカは苦笑いを浮かべながら爆弾袋を握る。


「おおこわ……でもまあ、爆弾なら何とか……」


「……あ、ちょっと待って」

ダイ・マオウが、ぴょこ、と小さく手を上げる。

その瞬間、ギィ……ン……ッと音もなく、白の門が静かに開いた。


「え? え? 何したの?」


(テレパシー)

《ちょっとだけドアの気持ちになってみた》サイコキネシス(念動力)


「……マジで何なんこの子……」

リリーアが引いた。


【第1層:冷気の迷路】

「ここ、普通に出口わからへんのやけど!」

ラッカが凍った壁に爆弾を仕掛けるも、結界で無効化される。


「通常魔法も物理も効かない……視覚と聴覚を奪う精神破壊型トラップね……!」


だが、ダイ・マオウはぼんやり歩きながら呟く。

「……んー……こっち」

そしてふらふらと進んだ先が、正解の出口だった。


「どうしてわかるの!?」


(テレパシー)

《迷子の悪魔をさっきくしゃみで召喚したら、出口の方に逃げてった》


「くしゃみが召喚ってどういう体質やねん!!知らんけど」


【第3層:精神干渉の空間】

この階層は、「囚人の夢」が漂い、近づく者の心を蝕む“ドリームミスト”が充満していた。


リーリアが急に足を止める。


「……やばい……誰かの、絶望して泣いてる夢が……入ってきて……」


「ワイもや……うちの爆弾がしけって爆発せん夢見た……うう……」


そのとき――


「……すぅ……すぅ……」

ダイ・マオウが、スヤァ……と立ったまま寝た。


その瞬間、全員が同時にその場で寝落ちした。


目を覚ましたときには、誰一人として夢の影響を受けていなかった。


「……今のって」


(テレパシー)

《オレ、寝ると周りも眠くなる。夢の干渉が切れたんだと思う》


「もうその体質、国家レベルで管理した方がええって……」


【第5層:悪魔の番犬・ヒョウガーム】

ついに、ユキネがいる第6層の手前。

そこには、侵入者を氷塊に変える番犬型魔獣ヒョウガームが待ち構えていた!


リーリアが詠唱を始めようとするが


「グルルル……!」


「……へっくしゅん!!」


ダイくしゃみと同時に、空間が裂けた。召喚魔術(偶発的)


そして、なぜかウロウロしていた低級悪魔・デンカイさん(ぐるぐる眼鏡)がヒョウガームの上に召喚される。


「ウワーッ!? こんなとこ呼ばれても困るってばァ! おれ氷弱点なんスよォォ!」

→ そままヒョウガームと乱闘 → 相討ち → 道が開く。


「くしゃみで敵倒すなあああああッ!!」


「なんなのこの体質!!(でも助かってる!!)」


【第6層:絶対隔離房】

冷気が濃密に満ちる最深部。そこに、氷の牢の中で座るユキネがいた。


ダイはそっと牢に手を当てた。


《……ユキネ、起きて》


テレパシーで語りかけた瞬間、氷の手錠がゆっくりと溶け出す。


「ダイ……また、来たのね。今度はちゃんと……迎えに」


「ごめんね、遅くなった」

「ワイらの救世主が、超能力で全部ぶっ壊してくれたわ!」


ユキネは氷の剣を取り戻し、ふっと口元だけで笑う。


「……やっぱり、あなたたち、普通じゃないわ」


「うん、よく言われる」

ダイ・マオウは笑みを浮かべた。


そして、ユキネを氷の牢から助け出した。




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