第7話 裏切り刃 成敗! その1《あなたが世界の崩壊を招く前に》
静寂の氷牢
そこに囚われていたのは、白刃衆の剣士・ユキネ。
母は寡黙な斬撃姫・お雪。
その娘である彼女は、冷徹な暗殺を任される白刃衆の筆頭だった。
かつての使命である。
「魔王の血筋であるダイ・マオウの動向を監視し、必要ならば暗殺せよ」
だがダイ・マオウは違った。
秩序ではなく“仁義”を語り、
敵であっても「守る」と言い切るその姿に、ユキネの心はわずかに揺れた。
それを感じ取った上司、白刃衆の総帥、
家満激怒した。
「魔王の子の言葉に惑わされたな、ユキネ……貴様、それでも白刃か」
「私は……ただ、彼の目に嘘がなかったと思っただけ」
「その“揺らぎ”が、世界を崩すのだッ!!」
こうしてユキネは、裏切り者の烙印を押され、
自らが仕えてきた組織により、牢へと幽閉されることとなった。
「ユキネが捕まった……!?」
その報を受け、ダイ・マオウは即座に行動を開始。
「家満とかいうジジイ、許さんぞ!! ワイの大事な仲間を牢に入れるとか、爆発五連発やで!!」
「落ち着きなさいってば……! あと、爆発は最後の手段!」
だが、誰よりも顔を曇らせたのはダイ。
「オレの言葉が、アイツを苦しめたのかもしれない……」
「だからこそ、助けに行く。 “信じた言葉”で傷つけたなら“行動”で責任を取る」
静かに、強く。
魔王の血を継ぐ少年は、仲間を救うため再び拳と銃を握る。
ダイ・マオウたちは、牢獄突入の準備を始めていた。
「牢獄なんて普通じゃ入れないわ。魔術障壁もあるし……」
「じゃあ爆発で道作ったるわ!!(即答)」
「爆発以外の方法ないのか!?」
静寂の氷牢とは、暗殺組織「白刃衆」が築いた、大エイドの極寒地帯「凍月窟」に存在する地下監獄。
裏切り者や機密保持対象、組織の粛清対象者が収監される、脱出不能の氷の牢獄。
ここは魔術的にも構造的にも、完璧な「静寂」と「拘束」が保たれており、
収監された者の存在すら、組織の正式記録から抹消されるまさに“氷の棺”とも言える。
ダイ・マオウ達3人はこの静寂の氷牢からユキネを救出する方法を必死に考えていた。




