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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『世界を救った勇者アルベルト 夢の魔法を使ってハーレム性活始めました。伝説のサキュバス待ってろよ!』(真面目な恋愛小説)

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第11話 華麗な乱入と地味な潜入

展望ラウンジ「天空の間」は、かつて外交の舞台にもなった空中ホール。

だが今は、魔導サイボーグ・バクザンと武装テロリストたちにより占拠され、

40人を超える人質たちが拘束されていた。


警備システムは乗っ取られ、全ルート封鎖。空も壁も塞がれている。


そんな中、現れたのは


「皆さまお待たせ♡ 華麗なる演劇のショータイム、始まりますわよッ!」


バクザンの側近が画面越しに見上げたのは、

中央吹き抜けエリアに堂々と飛び込んできた銀髪の怪盗・ムラサキ=ミミ。


紫のレオタード、翻るケープ、舞う仮面。

手には銀の拡声器、背中にはまさかの爆竹バッグ。


「……何者だッ!? 貴様は……!」


「“派手すぎる正義”ってことで♡」


バチバチバチバチ!!!!


次の瞬間、爆発音!


だがそれは火薬ではなく、巨大クラッカー音と花火煙幕。


「ハッピーバースデーでもないのにドッカーン☆」


バクザン「ふざけてるのかッ!!」


テロリストたちが彼女に向けて魔導銃を構えるが、

ムラサキは舞うように柱を蹴り、シャンデリアを使って宙を旋回。

リボン爆弾を振り回し、魔導スモークを焚きながら言い放つ。


「私の相手は10人までにしてって言ってるのに、もう15人以上はいるわねッ♡

……けど、魅せてあげる! “泥棒の足”は――伊達じゃないのよッ!」


爆音、煙幕、閃光、派手な舞!

そのすべてが、タワー内の全警備の“眼”を彼女へと向けさせていた。



一方そのころ


「……地味だな」

「静かに」

「これが戦術ですわ……」


巨大円筒の建造物 大エイド スカイ釣りタワーのゴミ置き場の裏手。


無臭スプレーを吹きかけ、巨大ゴミ箱を押しながら中に潜んでいたのは、ゼロ特殊急襲部隊の3人。

なぜなら、99階の清掃ルートは唯一、大型ゴミ圧縮ルートだけが生きていたのだ。


「ちょっと……これ、臭くない? 化粧落ちそう」

「……ムラサキが派手にやるほど、こっちは静かに行ける」

「このわたくしが、ゴミにまみれる作戦……屈辱ですわッ……!!(泣)」


バクザンの監視AIは、ムラサキの全行動を追い詰めていた。

だがゴミ箱の一つ一つが人知れずコン……コン……と、エレベーター用昇降口を滑り上がることに誰も気づかない。


「……あの子、やっぱすごいわ。怪盗っていうか、爆破劇団ね」

「でも……ムラサキが囮になってくれている今、この作戦、絶対に成功させましょう」

「……行く。正義は、音じゃなくて静かに届くこともある」


こうして、華麗すぎる乱入劇と、地味すぎる侵入劇は同時に進行した。

舞うムラサキ、爆竹を鳴らしながら高笑い。


その裏でゴミに隠れたヒロインたちは、99階へと静かに、着実に、登っていく。

やがて、正義の刃は鋼の怨念を討ち払う刃となるのであった。


 

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