第2話 血圧測定で恋は測れない
基礎看護実習、初日。
血圧計がズラッと並ぶ実習室は、すでに学生の怯えで満ちていた。
さっちゃん先生、朝から容赦ゼロ
さっちゃん
「はい! では血圧測定テスト始めます! 失敗したら最初からやり直し! 逃げ道はありません!
失敗したらやり直し!甘えは医療の敵です!」
焔丸
「さすが…さっちゃん先生…!今日も凛々しい…!」
ユミカ
「(ポーッ)蒼井教授の白衣…まぶしい…」
雷士
「おいユミカ、よだれ出てるぞ!」
ユミカ
「で、出てないっ……と思う……(赤面)」
カエデ、恋の血圧爆発事件
エリオット
「カエデさん、腕の角度はこうです。優しく持ちますね」
カエデ
「ひゃあああああ!!(心拍250)」
プリム
「いいわよカエデちゃん!恋は心拍数を上げて健康に――」
さっちゃん
「プリム。黙りなさい。恋は医療じゃない」
プリム
「出た!恋愛否定マン!!」
アトラス
「(言うな…先生のトラウマを…)」
カエデは緊張しすぎてポンプを強く握る。
ゴリッ
バオ
「……嫌な音、したよ?」
バンッ!!!
生徒全員
「ぎゃあああああああ!!血圧計が爆発したァァ!!」
さっちゃん
「だーれーがー血圧計を兵器化したのはァァァ!!」
カエデ
「ごべんなざぁぁぁぁい!!」
焔丸
「カエデさん落ち着いて!深呼吸を!」
雷士
「そんなに緊張すんなって!!」
ユミカ
「雷士くんより……エリオット先生の声が落ち着く……」
雷士
「なんでだよぉぉぉ!!」
アトラス&ミミ、天性の看護力発揮
棚から光の粒がひらひらと落ちる。
ミミ
「あっ……泣いてる精霊さん……怖かったの?」
精霊
「ピィ……」
アトラス
「よし、ミミ。脈はぼくが、感情ケアは君ね」
ミミ
「うん!」
双子・キリサメ(兄)
「お、アトラスいつも通り神連携だな」
双子・キリサメ(妹)
「兄さん、ああいうのを“理想のチーム”って言うんだよ?」
兄
「うるせぇ、お前いつも私語多すぎ!」
妹
「兄がうるさい!」
患者(精霊)
「ピィィィィ……(ケンカやめて…)」
カグヤ&焔丸、真面目コンビの混乱
カグヤ
「焔丸。あなた脈の取り方、熱すぎる」
焔丸
「す、すみません!!手加減を……!」
カグヤ
「手加減じゃなくて。患者が焦げるのよ」
焔丸
「焦げる!?」
カグヤ
「炎属性のあなたは常に温度管理必須。医療の基礎よ」
焔丸
「はいっ!!覚えます!!」
カグヤ
「……そのやる気だけは評価するわ」
雷士、ユミカに強すぎる片想い
雷士
「ユミカ!次はお前の番だぞ!」
ユミカ
「蒼井教授の番なら頑張れるけど……」
雷士
「俺の立場どこッ!?!?」
ジゾー丸
「……雷士は……がんばれ……(ボソッ)」
雷士
「地蔵!久々に喋ったと思ったらその一言かよ!!」
ジゾー丸
「……恋は……電撃戦……」
雷士
「お前の方が恋愛経験ありそうなのやめろ!」
プリム、恋愛療法で大暴走
プリム
「はいみんなー!血圧測るときは“好きな人をイメージして”手を握ると安定――」
さっちゃん
「却下!!恋愛を混ぜるな医療に!!」
プリム
「先生こそ恋に向き合ったことありますかっ!」
さっちゃん
「なっ……!」
焔丸
(見た…先生のツノが赤く光った……!)
バオの包帯スキル、謎の発動
さっちゃん
「バオ、精霊の腕に包帯巻くのはいいけど――」
バオ
「……ふわふわ、優しく……(巻く)」
一瞬で完璧な固定。
エリオット
「!? プロの所作……!」
ミネルバ先生(いつの間にか背後)
「ふふ、彼の包帯技……研究したいわね……」
生徒
「出た!狂気の研究者!」
■さっちゃん、核心を突かれる
(ここからラストにつなげる)
片付けが終わり、全員が疲れ切った頃。
エリオット
「佐知子先生、今日の授業……本当に素晴らしかったです。
あなたは――本当に、いい教師ですよ」
さっちゃん
「なっ……な……ちょ……」
ツノが
ピカーーーーッッッ
ユミカ
「先生、ライト機能ついたの……?」
雷士
「違う!照れてんだよ!!」
プリム
「恋の血圧、測りたくなってきたわね〜!」
さっちゃん
「全員黙りなさい!!!!」
アトラス
「今日の実習で学んだこと」
ミミ
「精霊はケンカが苦手!」
雷士
「恋は電撃戦!」
ユミカ
「教授の白衣は……尊い……」
カエデ
「血圧計は爆発する……」
さっちゃん
「爆発しないわよ!!!」
ジゾー丸
「……することも……ある……」
片付けが終わるころ。
エリオット
「佐知子先生。今日のご指導、素晴らしかったです。
あなたは――とても良い教師ですよ」
さっちゃん
「っ……!? な、な、なにを……い、いやその……」
カエデ(遠くから)
「先生のほうが心拍数上がってるよ〜!」
学生たち
「恋の血圧は測れないんだなぁ〜!」
さっちゃん
「全員黙りなさい!!!」
エリオット
「皆さん、静かにしましょうね(ニコッ)」
学生たち
「天使の笑顔に怒られた……」
アトラス
「今日わかったこと。
血圧計は爆発する」
カエデ
「私だけだよ!!!!!」
【教師】
エリオット
人間界から来た新任教師
黒髪、眼鏡、白衣が似合いすぎる清潔感男子
身長178cm、やや細身
表情は柔らかいが、目元だけは医者の鋭さがある
【生徒たち】
焔丸
クラス委員長。炎属性の治癒術師。
真面目すぎて融通が利かないが、芯のある優しさが見える。
さっちゃんに憧れている初心者ファン。
ユミカ=スノーリーフ
氷属性の癒術士見習い。
見た目はクールだが中身はロマンチスト。
蒼井教授を見るたびにぽーっとしてしまう。
女子の中で“一番恋に早いタイプ”。
オニグレン
筋肉全振りのレスキュー担当志望。
力はあるが頭脳はゼロ。
「笑う救急車」と呼ばれている。
重症患者にも笑顔で対応できるのが長所。
カグヤ=ナースロッド
器用で優秀な現実主義者。
心霊や恋愛には興味ゼロ。
最もさっちゃんに似ていると言われる才女。
ミミ=パルト
小柄な獣人族の少女。
感情が強い患者の感情を読み取り、傷を癒す特技を持つ。
心優しく、クラスのマスコット的存在。
雷士
電撃治癒師志望の少年。
スピードと判断力に長けるが短気。
ユミカに片想いしているが、全く気づかれていない。
ジゾー丸(地蔵族)
動かない。
ほぼ喋らない。
でも誰よりも洞察力が鋭く、たまに核心をつく一言を言う。
プリム=ハートナー
“恋愛療法”専門家志望の少女。
患者に恋をさせて治す特殊能力の持ち主。
恋愛のプロとしてさっちゃんを指導しようとするが毎回怒られる。
バオ=クトゥルフ
異形の種族。見た目は怖いが性格は天使。
包帯交換が異常に上手い。
小児科志望。
キリサメ兄妹(双子)
息ぴったりの双子の治癒士。
実習では常に連携し、トラブル時に強い。
ただし兄妹ゲンカが多く、患者の前で言い争うことも。




