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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
「アイゼンハワード最後の旅 9 赤い月に消えるラスト・トリガー」

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プロローグ 伝説の暗殺兵器 《ラスト・トリガー》

【オープニング ナレーション】


さあ行くぜ。


今夜の主役は、

老練の魔導捜査官アイゼンハワード。

天才を自称する科学少女ルアーナ。

不器用で、でも誰よりも優しい少年リュカ。

そして、“死神”と囁かれながら、

誰にも素顔を見せない謎の青年レイヴ。


旅の行き先はいつだって風まかせ。

しかし今回も違った。


月が、赤く染まった。


世界の裏社会ではこう語られている。

血の月の夜にだけ起動する、伝説の暗殺兵器

《ラスト・トリガー》。


その起動キーを盗んだのは、

かつてアイゼンの相棒だった女スパイ・リュシア。


「……これが最後よ、アイゼン」


怯えた瞳の奥に、何かを決意したような影。

意味深な言葉だけ残し、赤い月の闇へと消えた。


追うアイゼン。

追われるアイゼン。

世界中の諜報機関が、一斉に動き出す。


舞台は、永遠に赤い月が沈まぬ魔都

“ルージュ=ナイト”。


カジノ。

超高層ホテル。

屋上プール。

地下オークション。

眩い光と快楽の裏には、

冷たく鋭い罠が張り巡らされていた。


そこでアイゼンは出会う。

“死んだはずの男”モーガン将軍。


「ラスト・トリガーはな……

 撃つ者の“記憶”を対価にする」


つまり、引き金を引いた瞬間、

その人物の“人生そのもの”が消失する。


失われるのは力ではなく存在。


そして今夜も赤い月は、

静かに、確実に、

世界の終わりを照らしていた。



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