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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『3年ONI組 さっちゃん先生12 魔界音楽専門学校 ― 歌って踊って恋愛だー!』

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第三話 初ライブ! 心が震える瞬間

魔界音楽専門学校ヘル・ミュージック・アカデミー

今週は、年に数回だけ開催される大イベントがあった。


校内ライブオーディション。


各科の生徒が、

自分の“今の音”を披露する、青春の決戦舞台。


緊張と期待が入り混じるその朝、

音楽ホールはすでにざわついていた。


控室では、

人魚族の歌姫候補ミナが震えていた。


ゼッド「……大丈夫か?」


ミナ「ぜ、全然大丈夫じゃないです……。

水が震えるくらい……こわい……」


彼女を包む水球がブルブルと揺れている。


ゼッドはミナの繊細さを知っていた。

あの天使みたいな歌声の裏で、

彼女は人前に立つと極端に弱くなる。


ゼッドは、

そっとミナの水球に手を触れた。


「なぁ、ミナ。

お前の声、俺が一番近くで聴いてきたんだ。

怖くても……俺が横にいれば、歌えるだろ?」


ミナの頬が赤く染まった。


「……ゼッドさんとなら……」


震えが少し止まる。


そのとき、

控室のドアが少しだけ開き、覗く影。


リーフ(人見知り作曲科)である。


「……あの……ミナ、さん……これ……」


小さな楽譜を差し出す。


ミナ「えっ?これ……」


リーフ「僕の……バラード……です。

ミナさんの声に、きっと合うと思って……」


ミナの瞳が揺れる。


「リーフさん……ありがとう……」


ゼッドの眉がピクッと動く。


(おい、こいつ……ミナに曲渡して……

地味に俺のライバルじゃねぇか……!?)


しかしリーフはすぐ赤面して逃げた。


ゼッド(逃げた……!弱ぇ……けど侮れねぇ……!)




オーディション前、

音楽ホールの裏ではさっちゃん先生が仁王立ち。


「みなさぁぁぁーーーん!!

声はァ!!肺で出すものではありませええんっ!!

心臓で出すんですうううう!!」


生徒「(心臓から声!?)」


さっちゃんは突然、

魂を震わせるような鬼発声を披露。


「ハァァァァアアアアアッ!!!」


ズドォォォォン!!!


音響機材が揺れ、

ガイア(音響科)が叫ぶ。


ガイア「先生ッ!!スピーカー壊れます!!」


ベルガ主任(ため息)

「……またか……」


しかし不思議なことに、

その声を浴びた生徒たちの喉が軽くなる。


アマネ「なんか……声が伸びる……!」

シグマ「ギターの音まで変わった気がする……」


さっちゃん「よぉぉし!!みんな覚醒しましたねええええ!!」


生徒たち

「(やる気だけは出てきた……!!)」


オーディション開始!


ミナ&ゼッド、デュエットの奇跡


会場が暗くなり、静寂が訪れる。


司会「エントリーNo.7

――ミナ&ゼッド、デュエット!」


客席のざわめき。

「え、あの二人が…?」

「新人では異例の組み合わせじゃないか?」


ステージに立った瞬間、

ミナの手が震えた。


ミナ「ゼッド……私……」


ゼッド「大丈夫。

俺が、隣にいる。」


光が灯り、音が始まる。


リーフのバラード曲。

水の揺らぎのように優しく、切ないメロディ。


ミナが目を閉じ、

一呼吸して

歌い出した。


その歌声は、

まるで天界から降り注ぐような透明さ。


観客は息を呑む。


続いて、

ゼッドの深い低音が重なる。


その瞬間


水と炎のハーモニー が生まれた。


やさしい水の透明さと、

熱い炎の響き。


ミナの声がゼッドに寄り添い、

ゼッドの声がミナを支える。


音楽ホールに、拍手が雪崩のように広がった。


審査員長

「……まさか学生でここまでのデュエットを……」


さっちゃん先生(感動の涙)

「魂!!感じましたぁぁぁぁ!!!」


恋が、一歩前へ。


曲の終わり、

照明が落ちると同時にゼッドが囁く。


「よく頑張ったな、ミナ。」


ミナはそっとゼッドの腕をつかんで微笑んだ。


「……ゼッドさんのおかげです。

あなたと歌うと……怖くない。」


ゼッド

(あぶねぇ……惚れる……!!いやもう惚れてる……!!)


観客席のリーフは、

自分の曲が二人を結びつけたのを見て静かに微笑む。


(よかった……ミナさん、素敵だった……)


そして審査発表。


その夜。

校内ホールに響くアナウンス。


審査員

「優勝はミナ&ゼッド組!」


大歓声。


ミナ「わ、私たち……!?ほんとに……!?」


ゼッド「やったな、ミナ!」


さっちゃん先生が二人を抱きかかえて叫ぶ。


「恋と歌はセットで成長するんですううう!!」


校長(小声)

「……恋愛禁止なのに……もう誰も守ってない……」


ベルガ主任

「校長、諦めてください。」


ミナの心は、

確かに一歩ゼッドに近づいた。


恋が動き、

音が強くなる。


魔界の青春は、

ますます加速する。

教職員

さっちゃん先生(450歳)

本作の主人公。歌も恋も厳しく指導する鬼教師。

自称「歌には自信ありまっすううう!」

恋愛偏差値は低め、でも情に厚い。


ベルガ=オルフェウス(外見:20代後半)

美形で冷静な「魔界ボーカル科主任」。

さっちゃん先生の歌声に時々ガチで驚いている。

恋愛:さっちゃんに興味を持ち始めている(本人自覚なし)。


校長(謎に厳しい古代魔族)

音がうるさいとすぐ怒る。

ヘルフェスではさっちゃん先生を怒鳴り散らしている。


生徒(男女混合)


ミナ(ボーカル/主人公)

属性:海系魔族(歌声に“海の魔力”)

性格:優しい、少し内向的、芯が強い


ゼッド(ギター)

属性:炎系魔族(ただし制御が苦手)

性格:不器用で優しい、ツンデレ気味


ハルド(筋肉魔族、優しい兄貴)

属性:サイクロプス系魔族

性格:天然、優しい、涙もろい


リーフ(ミナの友人、相談役)

属性:草木の妖精

性格:優しい、しっかり者、風紀委員みたい


ゴブル(小鬼、情報通)

属性:ゴブリン・ハッカー

性格:お調子者、コミカル、騒がしい


アマネ(17)

ヒロイン。天才的歌唱力を持つが恋に関しては超不器用。

恋愛:シグマが好き → すれ違い多め。


シグマ(18)

魔界の貴族の息子でギター天才。クール系。

恋愛:アマネが好き → でも言えない。


ルカ(17)

ダンス科の男子。明るくて人懐っこい、男女問わずモテる。

恋愛:アマネに片想い(しかし本人は「応援するよ」と身を引くタイプ)。


カリン(18)

作曲科の女子。クールで無表情だが、実は乙女。

恋愛:シグマのことが密かに好き(報われない)。


ヒメノ(17)

「王族アイドル科」の姫キャラ。負けず嫌い。

恋愛:ルカに興味あり(ライバル多くて焦り中)。


ガイア(19)

音響エンジニア科の男子。機材オタクで常にヘッドホン。

恋愛:カリンのことが好き(しかし目で追うだけ)。


メロディ(16)

打楽器科の天才少女。小柄で元気。恋愛には興味ゼロ。

恋愛:特になし。

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