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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
「アイゼンハワード最後の旅8 炎の記憶— 永遠のメモリー」

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第9話 炎の記憶塔《オルド=アーカイブ》、最終決戦

赤黒い夜空を裂き、巨大塔がゆっくりと“浮上”した。

大地を離れ、きしむ悲鳴を上げながら天へ持ち上がるその姿は、

まるで世界の記憶そのものが形を成して立ち上がったかのようだった。


塔の名は

《オルド=アーカイブ》。

記憶を封じ、魂を記録し、そして選別する禁断の遺構。


塔の中心部は炎のように揺らめく光に満ち、

その奥にひっそりと横たわる“ひとつの肉体”がある。


エリシア。

数十年前に死んだはずの、アイゼンが愛した女性。

その身体はまるで眠るように保存され、

“記憶エネルギー炉の核”として利用されていた。


パンドラ博士が狂喜の笑みで叫ぶ。


「これぞ、人間の記憶が生み出す究極の発電機!

 彼女の脳はまだ動いている…素晴らしいでしょう!? フヘヘッ!」


ルアーナが歯を食いしばる。


「科学じゃない…これは冒涜よ!」


仲間たち、それぞれの戦場へ

塔の外縁と内部は、帝国軍と異形魔導兵で埋め尽くされていた。


リュカはノアを守るため最速で動き、

優しさと判断力で混乱する避難者たちを導いていく。


「怖くないよノア。君は一人じゃない。

 君の記憶は、みんなで守る」


ノアの胸の奥で淡い光――“記憶の核”が脈打つ。


レイヴは黒い大鎌を構え、死神ラルグと激突。

鎖のような霊魂が場を引き裂き、塔の天井まで届く。


ラルグ

「遊びもここまでだ、レイヴ。魂の道に戻れ!」


レイヴ

「戻らない…俺は“友達”を守る死神だ!」


ルアーナはパンドラ博士と科学魔術で応戦する。

その攻防は魔力と量子式が入り混じる“異世界の理系バトル”。


そしてアイゼン vs ヴァルガ


塔の最上部、記憶炉の中心にて。


炎の大臣ヴァルガが両腕を広げる。

灰色の炎が周囲の記憶情報を喰らい、揺らめく。


「ようやく来たか、アイゼン。

 お前はエリシア守れなかった。今日も同じだ」


アイゼンの表情に怒りが宿る。


「……言うな。

 彼女を道具にした貴様らを絶対に許さん!!」


刀が抜かれる音。

炎が巻き上がる音。

二人の間に走る気圧のような殺気。


闘いは一瞬で“灼熱の世界”となった。


ヴァルガの炎は記憶そのものを焼却し、

アイゼンの戦術と剣撃はその隙を切り裂く。

二人の足元の床は溶け、塔がひび割れていく。




激しい衝突の最中。

記憶炉が開き、淡い光がアイゼンを包む。


その中に

エリシアの姿が“幻として”現れた。


白い衣、優しい微笑み。

まるで数十年前から時が止まったように。


「アイゼン…どうして泣いているの?」


アイゼンの肩が揺れる。

強靭な戦士の心に、あの頃の傷が戻ってくる。


「俺は……守れなかった。

 君も、研究も……未来さえも……!」


エリシアは首を横に振り、そっと手を伸ばした。


「あなたは過去のせいで立ち止まる人じゃない。

 あなたが見ているのは……未来でしょ?」


その言葉が、胸の奥で光に変わる。


アイゼンの瞳が燃え上がった。

長い自責を越え、未来のために剣を握る者の光だ。




蒼炎が炸裂。

塔全体が震え、ヴァルガが一歩押された。


アイゼン

「わしは逃げた。

 だが今日で終わりだ。

 過去とお前との戦いも!」


蒼い剣が軌跡を描き、

ヴァルガの炎が押し返される。


塔の天井が破れ、夜空へ蒼炎が噴き上げる。


ここからが本当の最終決戦。

《メモリー・コードΩ》を巡る戦いは、

いよいよ“終焉”へ向かって動き出す。

ノア

年齢:12〜13(推定)

職業:不明

特徴:記憶が名前以外ほぼゼロ

弱点:自分の存在理由

役割:

・“無音の炎”に唯一耐えた少女

・のちにエリシアの記憶断片が宿る

・世界の運命を左右する重要キャラ


エリシア・フロスト

年齢:没時30代前半

職業:天才魔導技師

特徴:穏やか・理性的・強い芯

過去:アイゼンの恋人

役割:

・40年前の事件の中心人物

・死んだはずだが“記憶”がノアに残る

・事件の真相を握る存在


敵(イグニス帝国関連)

ヴァルガ・イグニス

年齢:50代

職業:イグニス帝国 軍事大臣

特徴:冷酷・計算高い・黒炎の使い手

能力:記憶燃焼術(記憶を燃やして力にする)

役割:

・40年前の真犯人

・アイゼンの過去を踏みにじった張本人

・今回の事件を再起動させた男


パンドラ博士

年齢:40代半ば

職業:異世界バイオ魔術学者

特徴:黒紫ローブ・奇妙な笑い「フヘヘ」

役割:

記憶抽出装置メモリア・コードの開発者

・エリシアの遺体を保存した張本人

・ルアーナと科学バトル


死神勢力

ラルグ・マグナム

年齢:数百歳

職業:元死神

特徴:冷酷・規律の鬼

弱点:レイヴの“友情”概念

役割:

・レイヴに「死神の仕事に戻れ」と迫る

・ノアの存在に警戒

・最終局面でレイヴを揺さぶる黒い影


その他(舞台・国・組織)

イグニス帝国

北方の魔導軍事国家。

“レッド・メモリー事件”が起きた地。


アウロラ・ラボ(科学都市)

記憶を商品化する狂気の研究都市。

パンドラ博士が支配している。


オルド=アーカイブ(廃研究塔)

アイゼンとエリシアが共同研究していた場所。

物語終盤の舞台。


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