第7話 黒炎の襲撃者ヴァルガ、塔を焼く
廃研究塔《オルド=アーカイブ》に突如として“黒炎”が爆発。
そこに立つのは――軍事大臣ヴァルガ。
「アイゼン。 また、守れぬものが増えたな?」
アイゼンの顔が歪む。
ヴァルガは炎と精神術をまぜた
“記憶燃焼術”
を披露し、塔の記録を次々と燃やしていく。
ルアーナが気づく。
「ノアの…中の何かが“反応”してる!?」
ノアは胸を押さえ、叫ぶ。
「……わたし……しってる……この、ひ……」
彼女の周囲に“無音の炎”が発生。
しかし誰も焼かない。
ただ空間を裂き、ひとつの世界を生む。
《幻の回廊》が街に出現
ノアの記憶の欠片が暴走し、
街全体が“鏡の迷宮”のような世界に包まれる。
・音が消える
・影が逆に動く
・時計が溶けるように止まる
・炎だけが赤い
この空間の中心に、ノアの“本当の記憶”が眠っていた。
そして リュカとアイゼンが回廊に閉じ込められる
レイヴは死神の力で抵抗するが、
二人だけが吸い込まれてしまう。
「じいさん!大丈夫か!?」
「……ここは……私が、一度失った場所だ」
真実を追体験
二人は“記憶の再現世界”へ。
そこには生前のエリシア、若きアイゼン、
そして暴走寸前の装置。
真実その1
エリシアは人を救うため装置を止めようとしていた。
真実その2
暴走させたのはヴァルガ。
理由は「記憶の軍事利用」。
真実その3
アイゼンは彼女を救えたはずなのに、恐怖から一歩踏み込めなかった。
記憶の中のエリシアが微笑む。
「アイゼン。あなたは悪くない。
でも……あなたが“逃げた”のは、事実よ」
アイゼンは崩れる。
「俺は……逃げただけだったのか……
守れなかったんじゃない。
“向き合わなかった”だけだったのか……」
リュカがその肩に手を置く。
「それでも、生きてきたんだよ。
今からでも取り返せる。だって僕らがいる」
外ではノアが“エリシアの記憶”を内包し始める
ルアーナが震える声で叫ぶ。
「ノアの中に……エリシアの記憶が!?
じゃあノアは――」
レイヴが静かに答える。
「魂の欠片。
エリシアの“最後の願い”が、ノアに宿ってる」
ラルグの声が響く。
「死神の領分だ。
その少女を放置すれば、世界が壊れるぞ、レイヴ」
レイヴは返す。
「それでも俺は、仲間を斬らねえ」
ノア
年齢:12〜13(推定)
職業:不明
特徴:記憶が名前以外ほぼゼロ
弱点:自分の存在理由
役割:
・“無音の炎”に唯一耐えた少女
・のちにエリシアの記憶断片が宿る
・世界の運命を左右する重要キャラ
エリシア・フロスト
年齢:没時30代前半
職業:天才魔導技師
特徴:穏やか・理性的・強い芯
過去:アイゼンの恋人
役割:
・40年前の事件の中心人物
・死んだはずだが“記憶”がノアに残る
・事件の真相を握る存在
敵(イグニス帝国関連)
ヴァルガ・イグニス
年齢:50代
職業:イグニス帝国 軍事大臣
特徴:冷酷・計算高い・黒炎の使い手
能力:記憶燃焼術(記憶を燃やして力にする)
役割:
・40年前の真犯人
・アイゼンの過去を踏みにじった張本人
・今回の事件を再起動させた男
パンドラ博士
年齢:40代半ば
職業:異世界バイオ魔術学者
特徴:黒紫ローブ・奇妙な笑い「フヘヘ」
役割:
・記憶抽出装置の開発者
・エリシアの遺体を保存した張本人
・ルアーナと科学バトル
死神勢力
ラルグ・マグナム
年齢:数百歳
職業:元死神
特徴:冷酷・規律の鬼
弱点:レイヴの“友情”概念
役割:
・レイヴに「死神の仕事に戻れ」と迫る
・ノアの存在に警戒
・最終局面でレイヴを揺さぶる黒い影
その他(舞台・国・組織)
イグニス帝国
北方の魔導軍事国家。
“レッド・メモリー事件”が起きた地。
アウロラ・ラボ(科学都市)
記憶を商品化する狂気の研究都市。
パンドラ博士が支配している。
オルド=アーカイブ(廃研究塔)
アイゼンとエリシアが共同研究していた場所。
物語終盤の舞台。




