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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『3年ONI組 さっちゃん先生9 爆笑お笑い学園MNC』

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第十話 M-1決勝戦、魔界最強の笑い、決着!!

魔界最大のドーム劇場。

満員の観客が、熱気で空気をゆがませていた。


司会魔人が宣言する。


「ついに来ました! M-1決勝戦!!

 まずはMMCから、黒電ハーデン × 断罪ルーメン!!」


黒電ハーデン × 断罪ルーメン


黒い雷をまとった男――黒電ハーデンが高速で突っ込みを連発。

相方の断罪ルーメンは光の剣を出しながらボケ倒す。


ルーメン

「俺さぁ…さっき舞台裏で神を断罪してきたわ」


ハーデン

「誰に許可取ってんだ!! そのうちお前が断罪されるわ!!」


観客、爆笑。

魔力の笑いエネルギーが天井で火花を散らす。


さらに、彼らは“人を傷つける笑い”を完全封印。

悪口はゼロ、代わりに 自分たちの失敗と黒歴史だけをネタにする。


ルーメン

「俺ら昔、コンビ名を“光と黒の二重影デュアルシャドー”にしようとして…

 校長に“中二すぎて吐き気する”って禁止されたんだよね」


ハーデン

「やめろ! 俺の黒歴史を勝手に照らすな!!」


会場

「ギャハハハハハ!!」


審査員の点数、次々と入る。


黒電×断罪 → 4ポイント獲得。


ドームが揺れるほどの大喝采。

彼らは深々と礼をして退場。


そして司会が叫ぶ。


「さあ!!

 対するは魔界養成カルチャーMNCから

 ボルカ × クール=リース!!!」



ボルカ × クール=リース、静かに登場


ボルカ(炎獄族)は炎を小さく灯し、

クール=リース(氷霊族)は冷気を漂わせる。


まるで夏と冬がコンビを組んでいるような佇まい。


観客は期待と不安でシーンと静まり返る。


クール=リース

「……今日もやる気は……0度」


ボルカ

「最低気温で漫才すな!!」


最初のツッコミで会場が一気に明るくなる。


二人は

炎と氷という“相反する属性”を、自虐ネタに昇華させていく。


ボルカ

「俺、緊張するとファイアボール投げちゃうんよ」


クール=リース

「今日も当たったら……溶けるし……」


ボルカ

「お前が溶けたら漫才終わりやろ!!」


観客がドッと笑う。


さらに、さっちゃんの教えである

“人を傷つけない笑い” を徹底。


ボルカ

「誰も燃やさん! 誰も凍らせん!

 今日はただ……お前と笑い合いたいだけや!!」


クール=リース

「……そんな暑苦しい友情はいらん……けど……

 少しだけ……わるくない……」


観客が「うぉおおおお!」と歓声。

ふたりの距離が少し縮まる。


魔界全土が湧き返るラストスパート

ボルカが吐く炎を、クールが氷で急速冷却。

溶けた水が花のように舞う、美しい演出。


クール=リース

「……ほら、スベり芸って……こうやって物理でやるんよ……」


足元の氷がツルッ!!

ふたりが同時に転ぶ。


ボルカ

「完全に事故やろコレ!!」


会場、最大の爆笑。


審査員の点数が入る。


ボルカ×クール=リース → 4ポイント獲得。


同点。

残るはただひとり――

審査員長、魔界笑王ザ=ハハハの一票のみ。


最後の一票勝者は?


ザ=ハハハ審査員長が立ち上がり、

ゆっくりマイクに口を寄せる。


「両者とも最高だった。

 黒電×断罪はテクニックと完成度が群を抜いていた。

 だが……」


会場、息を飲む。


「ボルカ × クール=リースには

 “誰も傷つけない笑い”と、

 互いを信じる心 があった。」


ふたりがハッと顔を上げる。


「ワシの一票は……

 ボルカ × クール=リースじゃ!!」


ドォォォォォォォォン!!!


観客総立ち!

魔界史上最大の拍手が巻き起こる。


涙ぐむボルカ。

頬を赤らめるクール=リース。


ボルカ

「お前と……ここまで来られてよかったわ」


クール=リース

「……やっぱ……溶けるくらい……うれしい……」


ステージのライトが二人を包む。


司会

「魔界M-1王者――

 ボルカ × クール=リース!!!」


舞台裏でさっちゃんが涙をこらえて叫ぶ。


「お前ら……最高や!!

 今日の笑いは……誰も傷つけん優しさでできてた!!

 胸張ってええ!!」


生徒全員が駆け寄り、

抱きしめ合い、泣き、笑う。


今日、魔界で一番笑ったのは、

客でも審査員でもなく


仲間を信じたこのコンビだった。


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