第3話 暗黒板掲示板。誰にも言えないSOS
ONI組、今日も混沌。
机はまだグチャグチャ、壁は落書きまみれ、ミナトはスマホ片手に配信中。
さっちゃん先生、杖をひと振りすると、教室の黒板が光る。
さっちゃん
「今日の授業は、秘密兵器を設置するわよ―“匿名SOS暗黒板”!誰にも言えない悩みをここに書きなさい」
生徒たち、目を丸くする。
レンジ
「え…マジで書くの?俺、書くことないし」
さっちゃん
「ウソつくな!机蹴るときに心の中で悩みが爆発してるでしょ!」
レンジ、赤面してそっとペンを握る。
黒板に書かれた悩みたち
・「自分なんていらない」
・「家に帰りたくない」
・「友達の前で弱音を吐けない」
・「親に嫌われてる気がする」
・「勉強、全然ついていけない」
アヤメが黒板をのぞき込み、毒舌を炸裂。
「うわ、ONI組って闇深すぎじゃね?みんなSNSに書けばいいのに」
さっちゃん
「アヤメ、さっきSNSで晒してただろ!ここはリアル本音の部屋なの!」
ミナト、スマホを取り出して即配信開始。
さっちゃん
「うるせぇ!SNSに上げたら炎上するに決まってるだろ、配信魔!」
さっちゃん、黒板の前に立ち、杖で指しながら解説。
「承認されたい心は悪いことじゃない。でもね、傷ついた誰かの上に立つ承認は、君の心をもっと弱くするのよ!」
レンジがうつむく。
「……先生、俺、そうかもしれないっす」
さっちゃん
「そうよ!その気づきが大事なの!泣いてもいい、笑ってもいい、怒ってもいい!でもその感情、誰かを傷つけるために使っちゃダメ!」
暗黒板に書かれた悩みたちが、杖の魔力でふわっと光に変わる。
光が教室を包み、ほんの少し空気が和らぐ。
ミナト、初めて涙を見せる。
「先生…俺、みんなのことちゃんと考えてなかった…」
さっちゃん、杖を軽く振る。
「バカ!気づいただけで偉いのよ!その涙、勉強や怒りよりずっと大事!」
蘭堂コトリもそっとぬいぐるみを抱えて微笑む。
ガロは照れくさそうに頭をかく。
ルカはWi-Fiを止めて初めて教室に集中する。
ONI組、混沌の中にほんの少し光が差した瞬間。
教室はまだ地獄だけど
その地獄の中心に、さっちゃん先生の魔法の杖が、静かに光っていた。
【教師陣】
■さっちゃん先生
450歳の魔界鬼教師。外見は小学生。
毒舌・高速ツッコミ・恋愛と再教育のプロ。
魔力入りの杖で暴走生徒を物理的に止める。
「最初から不良の子なんていない!」が口癖。
【ONI組(問題児クラス)】
■雷堂レンジ(らいどう・れんじ)
ONI組の実質ボス。喧嘩無敗。
だが家庭環境が複雑で、心は誰より脆い。
さっちゃんの言葉に一番揺さぶられるツンデレ主人公枠。
■黒羽アヤメ(くろば・あやめ)
SNS女王。毒舌ギャル。
だが実は自己肯定感が極端に低い。
さっちゃんに輪郭補正を暴かれた瞬間、人生が変わる。
■水城ミナト(みずき・みなと)
人気配信者。ONI組の盛り上げ役。
「炎上は伸びしろ」を信じる危ない子。
さっちゃんによって“本当の承認欲求問題”に向き合うことになる。
■羽柴カイ(はしば・かい)
無口で影の薄い少年。
だが天才的な絵の才能を持つ。
ONI組の黒幕的存在という噂もあるが…実は違う。
■蘭堂コトリ(らんどう・ことり)
不登校気味の大人しい女子。
教室の隅でぬいぐるみと会話するタイプ。
だが内側に“破壊級の感情爆弾”を抱える。
■獅子山ガロ(ししやま・がろ)
元暴走族。腕っぷし最強。
筋肉で問題を解決しようとする脳筋男子。
しかし涙もろく、実は一番優しい。
■星野ルカ(ほしの・るか)
天才ハッカー。授業中も学校のWi-Fiを乗っ取る常習犯。
だがコンプレックスの塊で、愛情に飢えている。
【学校側】
■校長 閻魔
ONI組を「教育の敗北」と捉えてきた人物。
しかしさっちゃんが来て価値観が揺らぐ。
■教頭・鬼原
真面目すぎて石化しそうな人物。
さっちゃんに毎回煽られ、血圧が上がる。
【その他】
■クラスメイトの父兄、地域の人々
ONI組を“問題児の集まり”として恐れている。
だが次第に、さっちゃんの姿を通して価値観が変わっていく。




