第3話 恋する乙女たち、さっちゃんに相談する(なぜか)
なぜ“鬼教師”に恋愛相談が殺到するのか、本人にも謎である。
乙女たちが、禁断の扉を叩く
放課後。
学園の片隅にあるさっちゃん先生の臨時指導室。
看板には大きくこう書いてある。
【恋愛相談:100%後悔します】
にもかかわらず、なぜか女子が行列していた。
さっちゃん
「……なんで乙女どもがワシの部屋の前で整列しとんじゃ。」
ひまり
「……あの、さっちゃん先生。タケルくんのことで……」
るか
「私も。ナオヤのことで……」
かのん
「風間くんが速すぎて……恋愛以前の問題が……」
はづき
「レオン先輩の熱意が文字通り火力高くて……」
さっちゃん
「なるほど、まとめて来たわけね。
しゃーない、魔界随一の仲人としてアドバイスしたる。」
女子全員
「「お願いします!!」」
さっちゃん
「ただし覚悟しろ。ワシの指導は“青春に優しくない”」
恋の悩み①:タケルがひまりを見ると“バットを折る”
ひまり
「……タケルくん、私を見ると毎回バットを折るんです……。
あれって、嫌われてるんでしょうか?」
さっちゃん
「違うわい。恋のパワー過剰だ。
筋力(恋)=破壊。」
ひまり
「破壊……?」
さっちゃん
「ええか、ひまり。
タケルはお前のことが好きすぎて握力がバグってるだけじゃ。」
ひまり
「えぇぇ……!?///」
さっちゃん
「改善策は簡単だ。
「タケルくん、そのままの力でいいよ」って言え。」
ひまり
「そ、そんな恥ずかしい……!」
さっちゃん
「言え。男子は褒めたら育つ。筋肉も恋心もな。」
ひまり
「(顔真っ赤)……が、がんばります!」
※なお、このアドバイスのせいで後日、タケルはバットだけでなくベンチも折る。
恋の悩み②:ナオヤが“告白”の話題になると逃げる
るか
「ナオヤが……その……“恋愛の話題”になると、
5秒で逃げてどっか行っちゃうんです。
体育館から校舎までワープ級で……!」
さっちゃん
「ふむ……そいつは高度な照れ逃げじゃ。
陸上部のリョウより逃げ足速いのはヤバいな。」
るか
「どうしたらいいでしょう……?」
さっちゃん
「決まっとる。
逃げるなら――追え。捕まえろ。」
るか
「物理で行くんですか!?」
さっちゃん
「恋の基本は“当たって砕けろ”。
砕けたらまた走れ。青春は体力勝負よ。」
るか
「そ、そんな……!(でもちょっとワクワク)」
※後にるかはナオヤの逃走動線を完全把握し、廊下で捕獲に成功する。
恋の悩み③:リョウの速度が速すぎて会話できない
かのん
「風間くん……速すぎて……全然話しかけられなくて。
今日なんて“じゃあね”って言った0.1秒後には消えてました……」
さっちゃん
「それは恋のせいで音速突破しておるな。」
かのん
「会話する方法はありますか……?」
さっちゃん
「ある。
メガホンで話せ。」
かのん
「えぇぇぇっ!?恋愛ってもっと…こう…乙女な……!」
さっちゃん
「彼の速度に合わせて声量を上げるんじゃ。
恋は声量。愛は響きじゃ。」
かのん
「め、めがほん……買います……!」
※その後、かのんの声が校舎全域に反響して噂になる。
恋の悩み④:レオンの熱が“物理炎”になって怖い
はづき
「レオン先輩の……気持ちは嬉しいんですが……
シュートが毎回炎をまとってて……物理的に熱いんです……!」
さっちゃん
「それは恋が燃え過ぎとる。素晴らしいことよ。」
はづき
「素晴らしい……んですか……?」
さっちゃん
「レオンには一言こう言え。
“あなたの炎、嫌いじゃないよ”とな。」
はづき
「い、言えるかなぁ……!」
さっちゃん
「乙女よ、燃える男には燃える女で応えよ。
青春は炎上上等じゃ。」
はづき
「が、がんばります……!」
※この後レオンは浮かれて炎上率がさらに上がる。
そして乙女たち、恋のフラグを立てまくる
全員が帰った後の指導室。
さっちゃん
「ふふ……青春って、やっぱり良いじゃないか。
面倒だけど……相談されるの、嫌じゃないな。」
その頃
ひまり「タケルくん、全力でいいよ!」
→タケル、壁を破壊。
るか「絶対逃がさないから!」
→ナオヤ、捕獲される。
かのん「風間くーん!!(メガホン)」
→リョウ、音速で赤面。
はづき「あなたの炎……嫌いじゃないです!」
→レオン、燃え上がる。
学園中、恋とカオスの嵐が吹き荒れた。
さっちゃん
「よし、フラグ乱立成功。
後は全部勝手に進め。ワシは知らん。」
しかし
裏山の桜は静かに揺れ、次の青春イベントを待っていた。
◆さっちゃん先生
見た目:小学生風、女王様気質
年齢:450歳(魔界界隈で伝説の鬼教師)
性格:毒舌・全方位ツッコミマシーン、遠慮ゼロ
特徴:魔界一の仲人役としても活躍、恋愛地獄の現場で大暴れ
武器:杖(魔力を込めてツッコミ・暴走制御可能)
役割:青春イベントに乱入して問題を解決、全員の恋愛成就に関わる黒幕的存在
◆スポーツ抜群の男子生徒
赤城 タケル(野球部 4番エース)
特徴:ホームランを打つたびに告白される超絶モテ男
性格:恋愛経験ゼロで挙動不審、さっちゃん先生を“師匠”と呼ぶ謎の忠誠心
能力:打球が速すぎて空気が爆発、校舎揺らすレベル
氷室 ナオヤ(バスケ部 エースガード)
特徴:クール系美男子
性格:恋バナになるとパニック、冷静さを失う
能力:恋するとジャンプ力増幅、ファウルラインを超えてしまう
風間 リョウ(陸上部 スプリンター)
特徴:校内最速、ほぼ風の存在
性格:恋すると加速しすぎて危険、さっちゃん先生と関わると地獄へ
能力:音速突破のスピード
火野 レオン(サッカー部 ストライカー)
特徴:熱血タイプ
性格:告白されると顔真っ赤、純情
能力:恋するとボールが火を噴く
◆恋する乙女たち(ラブコメ担当)
桃瀬 ひまり(野球部マネージャー)
特徴:タケルに恋する純情乙女
性格:告白練習をさっちゃんに見つかりスパルタ指導される
能力:応援するとタケルの成績跳ね上がる“バフ要員”
桐谷 るか(バスケ部 幼馴染女子)
特徴:昔からナオヤが好き
性格:ツンデレ、鈍感ナオヤに空回り
能力:恋の熱で体育館ボールを蹴飛ばす
山吹 かのん(陸上部 天真爛漫ガール)
特徴:リョウに恋するが速すぎて話しかけられない
性格:小動物系、悩み相談でさっちゃんに捕獲される
能力:徒競走デートを提案して倒れる
青海 はづき(サッカー部 新マネ)
特徴:レオンに一目惚れ
性格:恋愛運ゼロ、努力家
能力:告白すると炎上ボール発生
◆サブキャラクター(学園関係者)
校長先生:学園を見守る存在、さっちゃん先生には心底驚かされる
裏山の桜伝説:告白されると幸せになれるという伝説




