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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『3年ONI組 さっちゃん先生5 魔界へ帰ってきた伝説の狂師』

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第3話 美術室の悪夢

魔界学園・美術室。

さっちゃんがドアを開けた瞬間、視界が“色”で埋まった。


赤、青、金、黒……

壁一面、天井、床、さらにはドアノブにまで筆跡が走り、絵の具の飛沫がまるで戦場。


さっちゃん

「ひぃっ!?何この、ミサイルでも撃ち込まれた後みたいな美術室!!」


中央には、スモックを着た美術天才児


ダーピンチ(美術天才児/11歳)

巨大小学生とは思えぬ集中力で、

さっちゃんの顔そっくりの**巨大粘土オブジェ(高さ3m)**を造形中。


「先生、動かないで。いや、動いてもいい。

笑って、いや笑わないで。

眉は上げても下げても……どちらでも芸術的です。」


「注文多いわッ!!!

ていうか私こんな巨大じゃない!!3mどころか2mもないよ!?」


「これは先生の“存在感”を立体化したのです。」


「存在感どうなってんの私!!」


天井からは謎のカラフル液体がポタポタ落ちる。

床にはスライムのように動く絵の具の塊がウニョ〜ン。


「何これ!?塗料が……動いてるじゃない!!?」


「美は生命。

僕は“命を持つ絵の具”を開発してみました。」


「天才の暴走が始まったーーーッ!!」


絵の具スライムがさっちゃんの足に絡みつく。


「ギャーーッ!!離れて!私は絵画じゃないの!!」


ダーピンチ(メモを取りながら)

「ふむ、先生が暴れる姿……芸術的。

このまま“混沌のマエストロ・さっちゃんシリーズ”に——」


「シリーズ化しないで!!」


巨大オブジェの横では、

さっちゃんの顔が20枚ぐらい描かれた肖像画が並んでいる。


笑ってる、泣いてる、怒ってる、

中には宇宙爆発背景のさっちゃんも。


「えーーー!?私いつ宇宙壊した!?

ていうか目が3つあるのもあるんだけど!?」


「先生の内面世界を表現しました。」


「私の内面どうなってんの!?ホラーなの!?」


その時、巨大オブジェがグラリ。


「うわっ!?倒れる倒れる倒れるーーッ!!」


「だいじょうぶです先生。倒れる様子も……芸術。」


「芸術のために命を危険に晒すタイプね!?あなた!!」


さっちゃんは杖で床を叩き、暴走絵の具を吸い込んで停止。

巨大オブジェも必死に押さえて固定し、

美術室はなんとか静けさを取り戻した。


ダーピンチは、汚れたスモックを脱ぎながらため息。


「先生……僕はただ、美を追求していただけなのに。」


「いや、世界破壊は追求じゃないのよ!!!

どこまで行く気だったの!?美術で世界征服!?アートの暴君!?」


ダーピンチ(にこっと)

「でも……先生が困る顔、とても美しかった。」


「もう!!褒められてるんだか利用されてるんだか分かんない!!」


美術室は爆発級に散らかっていたが、

生徒の目はキラキラ輝いていた。


「先生、次は“動く壁画”を作りたいので、許可を——」


「絶対ダメーーーーッ!!!」


魔界学園のイカれたアート地獄は、まだまだ続く。


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