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【ランキング12位達成】 累計62万7千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
「アイゼンハワード最後の旅 ~死に場所を求めて~」

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第6話 過去の亡霊ー元暗黒騎士団

夜の街は霧と街灯の光に包まれ、風に古い旗が翻る。

アイゼンハワードは杖を肩にかけ、影のように屋根伝いを走る。


「ふん……元暗黒騎士団が悪さしとるとはな。ワシも老いたとはいえ、まだ現役じゃ」


屋根の上、鋭い鎧の騎士たちが闇に光る目で街を睨む。

かつての戦友たちだ――しかし、今は道を踏み外していた。


「老魔族のクセに生き延びておる……邪魔するか?」

「ふふ……邪魔せんと遊べんわい」アイゼンは鼻で笑った。


鎧がキラリ、ナイフや鋼の鎚が飛ぶ。

アイゼンは杖を振り、魔力で屋根板を跳ね返しながら回避。


「どけ! 老魔族の力を思い知るがよい!」


騎士A「くっ……この年寄り、まだ動くのか!」

騎士B「杖の魔法……効かん……!」


アイゼンは屋根から屋根へ跳び、煙突を踏み台にしながら斜め上から攻撃。

少年も屋根伝いに追走、影でトラップを起動する。


「おじーちゃん、ここでジャンプ!!」

「ほう、よくぞ生き延びたな……イヒヒヒ」


シャルロットは宙から滑空し、暗黒騎士の肩口に飛びつき、ナイフを奪って投げ返す。

騎士たちは次々にバランスを崩し、屋根の上でスリリングな格闘に。


死神は屋根の端に座り、骨の指で顎をつつきながらニヤリ。


「ほう……まだ力が残っておるのか……イヒヒ」


屋根の上で、アイゼンが杖を回し、火花の魔力で鎧を弾く。

少年が影から石畳にバケツを落とし、水しぶきで騎士の足元を滑らせる。


「うわっ! な、なんだこのトリック……!」

「ワシの“老魔族力+少年のひらめき”じゃ!」


シャルロットは宙返りしながら言った。

「この夜は私の舞台ね、アイゼンじいちゃん!」


騎士団はついに屋根の上でバランスを崩し、次々に転げ落ちる。

幽霊騎士は魔力で浮いて必死に耐えるが、アイゼンの杖の一撃で軽く吹き飛ぶ。


街灯がアイゼンの背中を照らす。

少年とシャルロットも駆け寄り、倒れた暗黒騎士団を確認。


「まだ、わしは、生きとる……しかし、今夜は街に迷惑かけんで済んだな」


死神は背後で影から現れ、骨の指を鳴らす。


「ふふふ……面白い。老魔族じじい、まだまだ遊べそうですね……イヒヒヒ」


アイゼンは杖を肩にかけ、夜風にマントをなびかせながらつぶやく。


「ほぉ……まだ死ぬには早いか。

ワシの“死に場所探しの旅”は、まだ始まったばかりじゃな」


夜の街に、笑いと死の影、そして老魔族ダークヒーローの伝説がひとつ刻まれた。



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