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「すまない……」

「どういうこと?」


 あたしたちはボロボロのトマスたちを見つけたが、そこにグランディーナさんの姿は見えなかった。


「グランディーナさんは? 何があったの?」


 場所は国境の街道からちょっと離れた場所。


 トマスたち四人を見つけた時にはみんなボロボロで怪我をした人までいる。


 早く医者を呼びに戻った方がいいのは分かっているけど、先に何があったのか把握しておきたい。


 それなのに、トマスたちの口は重く、何があったのか中々分からない。


「話してくれないと困ります! グランディーナさんは祝福持ちなんですよ! あいつらが狙っているのに、こんな場所で一人にさせるだなんて危な過ぎじゃないですか! グランディーナさんの居場所を教えてください」

「……それが無理だ」

「は?」


 無理って? どういうこと?


 意味が分からなくて聞き直すが、トマスも怪我をしているらしく、痛みに顔を歪めている。


 このまま聞くのは一旦諦めて移動させた方がいいかも。あたしも怪我したら痛いし。トマスの怪我はかなり深そうだから、早く手当てをした方がいい。


「とりあえず、怪我の手当てをしましょう。あたし医者を呼んで来ますから」

「いや、ラナはグランディーナを探してくれ。あいつらに連れ去られたんだ」

「は!?」


 何でそれ早く言わないの!


 グランディーナさんはどれぐらい前に連れ去られたのかと、どっちの方角に消えてしまったのか聞いて馬に飛び乗った。


 馬はあたしと一緒に来た騎士のがまだあるから、彼らのために医者と馬車を呼んで来てくれるだろう。


 祝福持ちがいなければ、あいつらが襲ってくることはないのだから。


 四人のことは気になるけど、それよりもグランディーナさんの方が気になる。


 トマスたちの話では拐われてからまだそんなに時間が経ってないみたいな感じだったから今から追いかけても間に合うはず。


 幸い今日は月明かりのお陰でだいぶと明るい。


 これならば、グランディーナさんのこともすぐに見つけられるはずだと馬を駆けさせる。


 あいつらがどうやって祝福持ちたちを連れ去って行くのかも分からない。


 だけど、すぐに消えずにどこかに移動したというのなら、何らかの手がかりが見つかるはずだ。


 そう思って追いかけているのに、中々追い付かない。


 もしかしてもう消えてしまった後?


 そう思うが、もう少し走らせたら奴らが見えてくるかもしれないと考えると、諦めきれない。


 いつかは諦めてみんなもう戻っているであろう、宿に引き返さなきゃいけないけど、もうちょっと行ったら、あそこまで行ったらを繰り返してしまう。


 いい加減諦めれば? と頭の中で囁く自分がいる。だけど、その声を振り払うように馬を走らせ続けた。


「いた!」


 トマスたちのいた場所から小一時間ぐらい馬を走らせ、また諦めようとしていた時に何か言い争うような男女の声が聞こえて来たと思ったが、女性の声がグランディーナさんだと気付いてすぐに剣を抜いた。


 敵の数は五人。


 あたしには多いけど、トマスたちとの戦いで消耗しているから多分いけるはずだ。


「グランディーナさんを離せ!」

「何だこいつ!」


 奴らはグランディーナさんのことを縛り、自分たちの怪我の手当てをしていたみたいだったが、あたしが割って入ったことによって動揺して剣を落としたり、隣にいた人にぶつかったりと醜態を晒している。


 こんなにパニックになっているなら楽勝じゃんと思いたいが、こいつらは五人いる。


 それに、最初は驚いていたようだったけど、すぐに体制を建て直されてしまった。


 普段から鍛えている騎士たちの攻撃は重いが、堪えられない程ではない。


 やっぱりさっきの戦いで消耗している!


 これならあたしでも五人いけるんじゃないかって思うけど、トマスたちも苦戦した相手だ。


 しかも、グランディーナさんって人質までいる。


 何度か剣を交える内に押されそうになる。だけど、ここで諦めたら拐われた人たちやラフォン様のことを助けられない。


 そんなの嫌だ。


「何で祝福持ちたちを狙う!」

「女一人だ。やっちまえ!」

「おう!」

「答えろ!」


 あたしだって、グロリアたちに鍛えてもらったんだ。


 こんな奴らなんかに負ける訳にはいかない。


「グランディーナさん今助けますから!」

「危ないから逃げなさい!」

「嫌です。これ以上祝福持ちたちを拐われる訳にはいきません! もう誰一人としてこいつらの好き勝手にさせるか!」


 こんな奴らのせいでユリアも酷い目に合った。


 こいつらが人拐いとかしなければ、不幸になる人たちもいなかったし、あたしたちも平和に暮らせていたはずだった。


 こいつらがこんなことをするように命令したあんな国なんてさっさと滅んでしまえばいい。


「ぐっ……」


 剣を振るったのが、敵の騎士の腕を半分切り落とし、その血が別の騎士の目に入って二人戦線離脱。


 あと三人。


「祝福持ちたちを狙う理由とお前たちの拠点を教えろ!」

「言う訳ないだろ!」

「ふざけんな! お前らのせいでどれだけの人が迷惑してると思っているんだ! あたしたちの幸せを返せ!」



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