神々のゲーム4 愛の女神が怒りだして魔法少女の力を封印しました
久々の黒服(この世界の神様?)視点です
俺は今回やっと、ここまでたどり着いてくれて、本当に嬉しかった。
ついにこのゲームも最大の山場だ。
ここでは、パティがやられそうになるところを最後は魔法少女に変身して、敵対する悪いやつらをやっつけるのだ。
ここまで来るのに本当に苦労した。
何度、戦神と悪魔にこの惑星を破壊されて一からやり直しをさせられたことか。
今回も何度か危ない所はあったが、何とかここまで惑星も無事に存在する。
本当に苦労した甲斐があった。
あの沙季と言う女の子は本当に良くやってくれた。
特にあの冥界で悪魔と呼ばれた町田と出会ってからは、本当に危なげなくここまでゲームを勧めてくれた。マチルダ様様だった。
まあ、本来はジルの婚約者の悪役令嬢マチルダ(町田)がジルがパティ(沙季)に心を寄せているのを見て、パティを虐めに虐めないといけないのだが……
そこは完全に前世からのお友達バージョンになってしまった。
その代わりに、ローズが悪役令嬢になってくれて、その取り巻き達もパティを虐めてくれようとしてくれた。
それでお茶を濁したし良いだろう。
でも、何故かその取り巻きたちがパティの友だちになりつつあるんだけど、そこは無視だ。
良かった、良かったと神様方を見ると、
一人、愛の女神の顔が怖いんだけど……
何でだ?
「黒服! 何なのですか。このゲームは。全然、ヒロインとの愛が無いではないですか」
女神は怒って言うんだけど。
「いやいや、女神様。パティとぴーちゃんの間の愛情を御覧いただきましたか?」
「何を言っているのです。所詮ペットと主人の愛でしょう」
俺の反論は一瞬で却下された。
「ローズと王太子殿下も愛を育んで」
「そんな端役はどうでもいいのです」
女神様に適うと王太子も侯爵令嬢も端役になってしまったんだけど。
「ヒロインのパティが全然誰も愛していないじゃないですか。これでも乙女ゲームなのですか?」
「いや、パティも男の子と愛を育んで」
「誰とです?」
「強いて言えばジルと」
「はああああ? このまま行くと1万年くらいかかってしまいそうですよね。現に今は毛嫌いしていますよね」
「毛嫌いはしていないでしょ。それはブラッドだと」
「どちらも一緒でしょ。男どもは必死にパティを追っていますが、本人は全くその気がないではないですか」
「いや、そんなことはなくてですな」
私が反論すればするだけ、なんかどんどん女神さまの機嫌が悪くなってくる。
「このままいったら、パティがあの恥ずかしいど派手な魔女になって悪を退治して終わりでしょう。これのどこが恋愛ゲームなんですか?」
「うーむ。確かに、魔法少女は強すぎて、面白みに欠けるな」
ここに来て戦神まで余計な事を言うんだけど。
今まで散々パティが可愛そうだと悪魔と一緒に惑星を破壊してくれたのはどこのどいつだ!
今までは散々ヒロインが弱すぎると文句を言っていたではないか。
「そうよ。魔女が強すぎるのがいけないのです。ここで魔女の力を封印しましょう」
「えっ、ちょっと待って下さい。女神様。そんな事したらヒロインがまた負けてしまうではないですか」
「何を言っているのです。そんなヒロインの危機にこそ、ヒーローが登場するのです。そして、危機に陥ったヒロインをヒーローが助けたことによってそこに愛が生まれるのです」
女神は自分で言って自分の世界に入ってしまったんだけど。
「そうじゃな。それでこそ男と言うものだ」
「パティはこの危機を助けてくれた男にくれてやるのが良いですね」
戦神と悪魔までが盛り上がり始めたんだけど。
「ちょっと待ってくださいよ。このゲームは本当に難易度が高いんですから、下手なことしたらまた負けてしまいますから。勝手なことをしてもらっては困ります」
俺は必死になって神々の横暴を止めようとしたのだ。
「ええい、煩いわね、黒服!」
「そうじゃ、女神よ。ここは黒服を無視して直ちに封印するが良いぞ」
「まあまあ、黒服さん。ここは諦めましょうね」
「ちょっと待ってください。あっ、女神様、止めて!」
俺の抵抗虚しく、神達は勝手にゲームの設定を変えてくれたのだった……
勝手に能力を取り上げられたパティの運命や如何に?
続きは今夜です。





