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私と連れ出されたぴーちゃんが金色の巨大竜になってしまいました

「ピースケを拐おうとするなんて、余程の馬鹿ね」

マチルダは呆れて言ってくれるんだけど。


私はそうは思わない。まあ、ぴーちゃんは可愛いし人気があるし、ペットとして売れば高く売れると思ったのだろう。


「ぴーちゃん、これからは危ないから私から離れてはダメよ」

私がぴーちゃんに言い聞かせると

「ぴー」

しおらしくぴーちゃんは頷いてくれたんだけど。


でも、その時だけだ。



翌日は早速皆に手を差し出されたら私の腕の中から飛び出して他の子の胸の中に飛び移っていくんだけど……


私は拐われたらどうしようと気が気でなかった。


「パティ、ピースケは大丈夫よ。それよりもあなたが心配よ。お菓子をくれるからって私から離れて遠くに行っちゃだめよ」

何よ、その言い方。いくら私でもお菓子でつられないわよ!

私が憤慨して思ったのだが


「そうだ、パティ。気をつけろよ」

「本当に」

ブラッドとジルまでがマチルダの味方なんだけど。どういう意味よ? 失礼しちゃうわ!



でも、その日は何故か朝からレイラがいなかった。


どうしたんだろうと不思議に思ったのだが、

お昼休みの休み時間にマチルダの所に騎士が呼びにやってきたのだ。


なんだろうと思いつつ、私はぴーちゃんを抱いて受業の前にトイレに行こうとした。


その途中の廊下で、女の事務員らしき人が近づいてきたのだ。


「パトリシア様ですよね」

「ええ、そうですが」

私が頷くと、その事務員の人は私に紙を差し出してきたのだ。


「えっ?」

何だろうとその紙を見ると

『お前の友達のレイラは預かった。無事に返してほしければ、素直に、この女について来い』

そう書かれていたのだ。


何ですって! レイラは拐われたの? だからいなかったんだと私は気づいた。


「私についてきてください」

そう言うと女は歩き出したのだ。何故かぴーちゃんを見た女の視線は憎々しげだった。ぴーちゃんに恨みでもあるんだろうか?


マチルダらに助を請う事も考えたが、この女はその事を許してくれそうにもなかった。


「ピー」

ぴーちゃんは胡散臭そうに見るが、今はレイラの無事が何より大切だ。

いざとなれば奥の手もあるし、私は素直に女に付いていくことにしたのだ。

「大丈夫よ、ぴーちゃん」

私はぴーちゃんを宥めると慌てて女についていくことにした。


女はそのまま、ズンズン中庭を歩いていく。少しは私に合わせてほしいのに、速足だ。


たまに後ろを振り返るが、私の合わせてはくれない。私は小走りになった。


知り合いに会わないかと思ったが、誰にも会わなかった。


その中庭を突っ切ると女は通用門から外に出たのだ。そして横に止まっていた幌のある荷馬車にを乗り込ませたのだ。


中には二人の男が座っていた。


馬車はゆっくりと動き出した。

何か印を残そうとしたが、女が目の前に座っているので、何も出来ない。


「どこに連れて行くの?」

「ふんっ、いいところさ」

私は聞いたが、嬉しそうに言った。

「レイラは無事なの?」

私が心配して聞くと


「今のところはね。まあ、あんたが来た後も無事かは知らないけれど」

女が半分笑って言ってくれたのだ。

「何を言うんだ。メイ。余計な事は言うな」

「ふんっ」

男の一人が注意したが、女は無視した。

そして、誰もその事を否定はしないんだ。


こいつらやはり無事に帰すつもりはないんだ。でも、何で私なんだろう?


「私達をさらってどうするの?」

「お前なんてどうでもいいんだよ。俺たちの目的はそのペットだ」

男が言ってくれたんだけど。


「えっ!」

私は驚いた。このぴーちゃんが目的なの?


そらあ、ぴーちゃんはかわいいし、売れば少しはお金になるとは思うけど、貴族の令嬢を攫う危険を犯してまでやる事か?


私には全然わからなかった。


「まあ、お前たちも一緒に奴隷として売り払ってやるがな」

何か男たちも下卑た笑いをしている。


男たちも私とぴーちゃんと言う見た目は弱弱しい感じなので、態度がでかくなったみたいだ。


「ふんっ、何が古代竜なんだか、こんな軟弱なペットがそんな強いわけないだろう」

女はつかつかと私達に近付いて来た。


「おい、やめろ」

男が叫んだが、遅かったのだ。


「貴様が変なことしてくれたおかげで、私のレイが死んだんだよ」

女が怒りの形相で手を上げてぴーちゃんを叩こうとしたのだ。


私は必死にぴーちゃんをかばおうとして抱きしめたんだけど、


次の瞬間だ。


私の腕の中のぴーちゃんが光ったのだ。


何も見えなくなった。


え!

私は固まっているしかできなかった。



そして、


グワーッ

信じられないほどの咆哮が鳴り響いたのだ。



「ギャーーーーー」

次の瞬間悲鳴が聞こえて、バキバキという大きな音がして何かが破壊されたのだ。




その光が消えてやっと目を開けられるようになった私の前に、巨大な金色の竜がいたのだった。



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私の

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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