表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/82

寮の歓迎会で何故か昔の雇い主の侯爵令嬢に遭遇しました

私はブラッドに学園の寮まで送ってもらった。

「我が家から通えばいいじゃないか」

最後までしつこくそう言うブラッドをなだめすかして、私は女子寮に入ったのだ。


王立学園は王都にあるので王都にタウンハウスのある子弟はタウンハウスから通っていた。当然、ブラッドの侯爵家もタウンハウスは王都にあった。



でも、なんで学園にいる時からブラッドの護衛をしなければいけないのだ!


まあ、学園に入れたのはブラッドのおかげだが、元々、私が独立派からブラッドを助けてあげたのだ。その御礼となれば安いものだ。そう思っているので、私は全然ブラッドの意向に逆らっても平気だった。

親たちが聞けば何故ブラッドのタウンハウスから通って既成事実を作らなかったのよ! と問い詰められそうだが……


まあ、我が男爵家も、その私の恩恵を受けているのだから良いだろう。


そして、タウンハウスの無い学生には寮があったのだ。男爵とか子爵の多くはタウンハウスなんて王都になかったし、王都在住以外の平民の多くも寮生活だろう。


ぴーちゃんに興味津々で、抱こうとして無視されていたジルは王都にタウンハウスがあるとのことで、エイダも下宿先が見つかるまではそこに住むとのことだった。エイダは下宿するらしい。

私はできる限りジルともエイダとも離れたいので、それが有り難かった。


私はせっかく学園に入るのだから、せめて友達が欲しかった。この世界に女友達と言える存在はまだないのだ。エイダとか虐めてくれる嫌な知り合いは多かったが……


お貴族様は私がローズお嬢様の婚約者を奪ったと勘違いしているから相手にしてくれないと思うが、でも、同じくらいの低位貴族とか裕福な平民の子なら友達になってくれるかもしれない。

私は期待したのだ。


受付で名前を言うと、幸いな事に学園ではまだ知られていないみたいで、何も言われなかった。

部屋は女子寮の2階だった。



中に入ると既に同室の子がいた。

「私、ヘーゼル・ドボルよ」

「私はパティ・ロウギルよ」

私達はお互いに自己紹介した。

ヘーゼルは青髪でグレーの瞳のどちらかと言うと獅子っ鼻の男爵家の令嬢だった。

家は家の王都を挟んで反対側だが、彼女の所も山の中だそうだ。

良かった、同じような境遇の子で。

私は嬉しくなった。


「その子はなあに」

そうだった。私はペット用のかごにぴーちゃんを入れていたのだ。


「この子はぴーちゃんなの」

私はそう言うと籠からぴーちゃんを取り出した。


「まあ、可愛い」

ヘーゼルは言ってくれたりのだ。


「抱いても良い?」

「当然よ」

私はぴーちゃんを差し出した。


「ぴー」

ぴーちゃんも愛想よく手を差し出して甘えてくれた。


「まあ、可愛い」

「そうでしょ。ぴーちゃんをトカゲって言って毛嫌いする子もいるんだけど、ぴーちゃんは本当に可愛いのよ」

私は横からぴーちゃんをなぜた。


「本当に可愛いわね。この子、お菓子とか食べる?」

「何でも食べるわ」

虫も食べるけど、それは内緒にしておこうと私は決めたのだ。

ヘーゼルは早速ぴーちゃんにお菓子を上げてくれていた。


そして、その夜は寮の先輩による寮生の歓迎パーティーがあったのだ。

私は、余りそう言うところには出て行きたくなかったが、

「お願い。私ほとんど知り合いがい無くて、ぜひともパティと一緒に行きたいの」

そう言われれば行かざるを得ないではないか。


私は参加者は寮生だけだと思っていたから、そこにまさかあの子が来るとは思っていなかったのだ。


寮の歓迎パーティーなんてくつろいだ簡単な私服でいいと思ったのだが、

「そんな訳ないでしょ」

ヘーゼルに言われてしまった。

明日からは制服があるのにと思いながら、仕方なしに、ブラッドから贈られた今日着ていたピンクのドレスを着る。

学園って本当に面倒くさい。ぶつぶつ言いながらヘーゼルと一緒にレセプションルームに行くと、ヘイゼルの言う通り、ちゃんと着飾った皆がいた。

ほらね。と目でヘーゼルが言ってきた。


でも、そんな時だ。


「あああら、これはパトリシアではなくて。あなたよくも平気な顔して私の前に出て来れたわね」

そこには怒った顔のローズお嬢様が立っていたのだ。


どうなるパティ?

続きは明朝です。


そして、ついに悪役令嬢登場です!

こうご期待?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。

私の

次の作品

はこちら

『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://book1.adouzi.eu.org/n9394ik/

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ