97/137
夏休み
「パパって、夏休みの宿題は
ギリギリまでやらない
タイプだったでしょ?」
「なんで急にそんな話?」
妻の呆れたような口調に、
僕は思わず首を傾げた。
「ほら。パパって好きな食べ物も
最後まで取って置くし、
そうなんだろうなぁって思って。
私はほら。宿題なんて予定通り、
さっさと片付けてたから」
「あぁ、そう」
僕は上の空でそれに答える。
「ねぇ、パパ。
漢字ドリルまだ終わらないの?
そろそろ工作に取り掛からないと
終わらなくなっちゃう」
「わかってるよ」
苛立ちを含んだ僕の声に、
息子が申し訳なさそうな顔をした。
「この子も絶対にパパ似よね。
性格までそっくり」
歴史は繰り返す。
息子の宿題を夫婦で手伝いながら、
そんな言葉が頭を過ぎった。
角掛みなみ様がYou Tubeにて展開されている「サカイメの書架」。
六月の応募作品です。





