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親子
子どもは親を選べない。
そんな言葉を聞くけれど、
君の姿を眺める僕は、
その信憑性を疑ってしまう。
顔立ち、後ろ姿、
言動から、細かな仕草まで。
面白いほど似ているから、
僕だって困ってしまう。
君が僕たちを選んだのではなく、
互いに導かれ、
こうして出会ったのだとしたら、
とても素敵なことだと思わないか?
僕とママが出会って、
君が生まれる確率。
それはきっと、とてつもない数字。
僕は数字に弱いから、
それはママに聞くといい。
その代わり、
遊ぶことなら任せてくれよ。
人生という、大きな河を渡る船。
僕の船には君が加わった。
風を受け、まだ見ぬものを探そう。
嵐が来たら、僕が全力で守るから。
共に人生を楽しむ。
それが親子だって思うんだ。





