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人生ゲーム
生きた証を遺したい。
そんな想いに囚われながら、
今日も僕は
文字と生きることを選ぶ。
すり減ってゆくような毎日の中、
これまでの歩みを
振り返ることが増えた。
あの時、あの人と付き合っていたら。
あの時、あの会社に入社していたら。
あの時、あの道に進んでいたら。
戻ることはできないけれど、
つい、もしもがよぎる。
後悔がないと言えば嘘になる。
けれど、この道を選んだからこそ
今の僕がある。
今からでも遅くない。
違う道を選んで
もっと創作時間を捻出できれば、
小説家の域に達することが
できるんじゃないか。
そんな欲が顔を覗かせる。
人生ゲームのように、
やり直せたらいいのに。
この先に何が待っているのか、
足下に書いてあればいいのに。





