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成金 稔は破滅する 〜03.転生〜
「あなたを転生させてあげる」
目覚めた稔の前には、
豪華な椅子に腰掛ける絶世の美女がいた。
「もしかして、異世界転生?」
体を起こすなり、
稔は嬉々とした顔で尋ね返した。
超能力を身に付けて、異世界でハーレム生活。
夢のような待遇を想像し、
踊り出しそうな心を必死に抑えた。
「残念だけど、異世界ではないわね」
「え?」
「亡くなる直前の記録が引き継がれるの。
競馬で当たって使い込みか……重症ね」
美女は呆れ顔で微笑んだ。
「決めた。あなたは競走馬に転生よ。
生まれ変わったら、
鞭で打たれてきびきび働きなさいね」
「待ってくれ。俺は、人並みの生活を」
「そう言って、
いつまでも逃げ続けていたのは誰?
やっぱり走り回るのがお似合いよ」





