【天武】の試練 推理(物理)
TSロリっていいよね
TSロリっていいよね
TSロリっていいよね
はい、どうも。
遅刻をさせたら左に出る者はいない。作者でございます。
気が付けばコミカライズの配信が始まってるってマジですか????
というわけで、なんとか更新にこぎつけました。
本編の方、どうぞー。
俺は、地上に降りてジャバウォックの背後にまわるように駆けだした。
――――俺の向かう先の地面に魔法陣が現れ、そこからトランプに手足が生えたような見た目のモンスターが生えてきて、行く手を阻んでくる。
素早く首切り君の錆にして、次の行動に移る。
今度は、ジャバウォックの足元をウロチョロし、薙ぎ払い攻撃を誘発。
攻撃を回避した後も変わらず足元に張り付き、意味の無い攻撃を何度も叩きこむ。
――――上空に魔法陣が無数に現れ、そこから魔力で形成された檻がいくつも降ってくる。
落下地点を見極めながら、ステップを踏んで回避。いくつか直撃コースの檻は、魔法を放って相殺する。
次に、《飛行》スキルで空に飛びあがり、移動しながらジャバウォックに魔法を乱射。
顔の周りでヒット&アウェイを繰り返し、纏わりつくハエのような動きをする。
――――ジャバウォックの頭上に巨大な魔法陣が現れ、そこから楕円形の魔力球が降りてくる。
徐々に光を強くする魔力球を見た瞬間、《エア・ステップ》を併用して全力で上空へ。
魔力球はジャバウォックの足元に落ちると、光を一際強くして――大爆発。
かなり上空まで登ったにも関わらず、衝撃が伝わってくるほどの爆発に冷や汗が零れ落ちた。
――けど、これでだいぶ確信が持てたな。
ジャバウォックに物理も魔法も効果がない理由。あとは、最後の一押しを得るために……ローザネーラの力を借りないとな。
そうと決まれば、さっさと彼女の元に戻ろう。俺はローザネーラが待っている場所まで飛んだ。
翼を羽ばたかせながら降下する俺の元に、ローザネーラがすてててー! と駆け寄ってくる。
うん? なんだかローザネーラ、怒っているような……? 駆け寄ってくるだけでなく、杖を振りかぶっているし……えっ、ちょっ、今降下中だからとっさの回避とか出来ないんだけどぉ!?
眉を吊り上げ、強くこちらを睨んでいるローザネーラに、俺は慌てて声を掛ける。
「ロ、ローザネーラ!? 何に怒っているのかわからないけど、ちょっと落ち着いて……!」
「もんどう……むよぉぉおおおおおおおおおおっ!!!」
ひゅんッ! ごぉぉぉぉぉぉォぉんッ!!
「ぐべぇえええええ!! な、何故だぁあああああああああああっ!?」
ローザネーラが思いっきり振り抜いた杖が、俺の顔面を打ち据える。
着地の瞬間と同じタイミングでぶつけられた一撃は、威力はそこまででもノックバックは凄まじかった。俺の小さく軽い体はすっ飛び、無様に地面を転がることになった。
ゴロゴロゴローッ! と荒野を転がる俺。気分はまるでタンブルウィード。へっ、枯草の塊の気持ちを味わうとは思わなかったぜ……。
よろよろと起き上がった俺に、ローザネーラが肩を怒らせて近寄ってくる。怖い顔してるなぁ……はて、俺はなんで殴られたんだろう?
「なにかんがえてんのよ、このばかますたー! いきなりてきにつっこんでいくとか、あたまおかしくなっちゃったの!? もともとおかしいとおもっていたけど!」
「誰が頭おかしい……いや待って、元々おかしいって思われてたのか、俺!?」
・残当
・残念でもなく当然です
・おかしくないところ、あった?
・変なところしかねぇな!
・ネームドボスに特攻するメスガキ
・ノーマルとは程遠くて草
おっかしいな。ジャバウォック以外にも俺にダメージを与えようとしてくる奴等がこんなに……精神ダメージはゲージで確認できないが、確実にガリガリと削れているんですよ?
「コメントまで……俺はただ、あのデカ物の謎を確かめようとしただけなのに……」
「なんでそれでとっこうなんてあたまがばかなほうほうになるのよ」
「それが一番手っ取り早いからな。それに、光明が見えない時には、あれこれ考えるよりも、身体を動かした方がいいんだよ」
「……はぁ」
「待って? その『ああ、この人はもう手遅れなのね』、みたいな顔はやめて? 今までのどんな言葉よりも心に来るから!」
・これは草
・ローちゃんの目、慈愛すら感じられるんだが
・気苦労が耐えないローちゃん、おいたわしい
・戦闘中に何をやっているんだか
・あの特攻で何が分かったと言うのか
・自分のキチ具合じゃね?
おいこらコメントォ!?
お前らまで俺のことを基地外扱いするんじゃあない。もう少し優しい言葉を掛けてくれてもいいんじゃないか? 俺、けっこう頑張ったと思うんだけどな。
「せっかく、あのデカ物を倒す方法が分かったというのに……」
「……はい? あれで?」
「うん、あれで」
ローザネーラがぽかん、と口を大きく開けて間抜け面を晒す。
そんなに変なことを言っただろうか? というか、成果が無かったら俺がマジで頭のおかしい突撃野郎じゃないか。
……いや、頭のおかしい突撃野郎だと思われていたのか。なきそう。
・バカの一つ覚えのように突進していただけなのに!?
・安楽椅子探偵ならぬ猪突猛進探偵か
・真実はいつも一つですか?
・うーん、百個くらいありそう
・名探偵というより迷探偵だな……
・大丈夫? 麻酔針打ち込んだ方がいい?
身体はメスガキ、頭脳は成人男性……って、やかましいわ。
某国民的ミステリー漫画になぞらえてちゃちを入れてくるコメント欄を無視し、俺はローザネーラの耳元に口を寄せ、こしょこしょと声を潜める。
……いや、ただ分かったことを話すだけだから。それ以外に何もしないから、顔真っ赤にして警戒しなくてもいいじゃないか。え? 耳が弱い……そ、それは大変失礼なことを……。
「……それ、ほんとうなの?」
「ああ、十中八九間違いないはずだ。ローザネーラ、やれるか?」
彼女の耳元から顔を離してそう問いかけると、ローザネーラは不敵に微笑み、自信満々に胸へと手を当てた。
「とうぜんよ! アタシをだれだとおもってるのかしら?」
「頼りになる俺の相棒だよ。それじゃ、頼むな」
「あ、あう……ええ、おおぶねにのったきでいなさい!」
「はは、期待してるぜ? 出来なかったら、めいっぱい笑っちゃうかも」
「な、なによー! しっぱいなんてありえないんだからねー!」
・はー、相変わらずさらっとそーいうこと言う
・メスガキと天然ジゴロって両立するんやな
・感情のデンプシーロールやめーや
・情緒をかき乱すのが上手すぎる。ミキサーかな?
・カッコイイ笑みもムカつくニヤニヤ顔も様になってますね
・スクショがはかどる……はかどる……
ぷんすかしているローザネーラを宥めつつ、視線を改めてデカ物……ジャバウォックへ。
獲物に刃を立てられなくてどこか不満そうな首切り君を振るい、戦意を高ぶらせながら宙へと舞い上がる。
「ローザネーラ、手筈通りに」
「ええ、ますたーもしくじらないでよ?」
「おいおい、信用ないなぁ」
同じく杖を構えたローザネーラと軽口を叩きつつ、俺はジャバウォックへと首切り君を突きつける。
さぁて、散々てこずらせてくれた礼をしようじゃないか。ジャバウォック……いいや。
――――名前も知らない誰かさん?
ご拝読ありがとうございます。
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さて、前書きでも言った通り、この作品のコミカライズが各漫画サイトで配信されております。
ピッコマさんとかで読めるので、興味のある人はぜひに検索にかけていただければ。
キャラクターデザインはキッカイキ様、漫画の方はクスミ様に書いていただきました。読んで……いっぱい読んで……。
ではでは、次回は一週間以内にかくことをお約束して、このあたりに致しましょう。
また次回~。




