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気がつけば森の中にいたので試しにスカイツリーを建てたら世界樹になりました  作者: 海水
第2章

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いすゞの里ってどんなとこ?

どんなとこなの?

「そういえばダンプさん、いすゞの里ってどんなとこなの?」

 お酒が入れば敬語も崩れる。今日のお酒はウォッカだ。

 ウォッカは割ってはいけない。この酒は、何も混ぜずにストレートで飲むのが正式な作法だ。

 そしてほぼアルコールの味しかしないウォッカには、サラミ、フライドポテト、唐揚げなど味が濃いつまみのが合う。

 うめーんだこれが!

 酔っぱらいの常識さ。

 ダンプさんも暗い顔から少し立ち直っているようにも見える。酒は偉大だ。

「俺の里は、先祖が森を探索中に見つけた世界樹を中心に切り拓いた村だ」

「先祖っていうと、結構古い里っぽいな」

「俺の祖父の祖父の祖父が最初の里長だった」

「ざっと100年は続いてるのか。歴史があるんだなぁってかダンプさん里長なのか」

「……兄が死んで、継いだばかりだがな」

 ダンプさんに話を振ると、どうしても亡き兄の話に繋がってしまう。しんみりとした雰囲気は嫌いじゃないけど、今は必要ない。どうせなら明るい明日を迎えたい。酔っ払い的には。

【そういえば、彷徨っているダンプ殿の兄上は、魔獣に襲われないのであるか?】

 ウォッカの瓶をメイド服のスカートのポッケに隠してこっそり飲んでいるプリティちゃんから声がかかる。空になった瓶をテーブルから片付けては部屋の隅にもっていくという「気の利くいいお嫁さん(お婿さん)になるな」というプリティちゃんは天使。マジ天使。おかげでスカイツリーの天望デッキも、常にきれいだ。

「なにもされていない。魔獣にとって兄のような存在は生物としては認識されないようだ」

『生命反応がないからですわ。魔獣は、相対するものの生命力を感知できるのですわ』

 何とかしてあげたいのですわ、と紙には続いている。

 なるほど。幽霊に近いのかも。そういや何かの理由で成仏できない霊を地縛霊とかいうしな。

 そう考えると、何とかしないとだめだし、急がないと。

 なんにせよ、俺の心が痛い。

ぬめっと続きます

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