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84.女神の指輪

 箱の中には、青く輝く宝石がついた指輪が7つ入っていた。これがダグリスたちが買おうとしていたペアリングの元になるのか。


「これはこの宮殿の地下にある本神殿にある鉱石でね。名前はトュルークリスタル。本当に女神の加護が付いているのよ。それで作った指輪を女神の指輪って名前なの。そのままだけど。キャロラインも私の指輪を鑑定したことあるでしょ?」


 そう言いクリスティーナ様は左薬指にはまる指輪を愛おしそうに撫でる。キャロはその事に頷くが。


「効果は色々とあるけど、この指輪をつけている者同士は相手の事を思うと何処にいるかわかるのよ。離れていても何となくあっちの方にいるわね、みたいな感じで。近付けば近付くほど分かりやすくなるのだけれど」


 凄いな。そんな能力があるなら万が一離れ離れになっても大丈夫だな。


「あと、浮気すると石の輝きが失ってただの石ころになるから気をつけてね」


 ……俺は大丈夫だな。大丈夫だよな? 


 その後も話を聞いたが色々と能力があるらしい。体力魔力増加などはもちろん、経験値アップとか死に瀕する攻撃を1度だけ防いでくれるとか。(その後は魔力が溜まるまで使えないようだが)中々の能力だ。


「凄い能力がありますね。でもこれを量産したら凄い事になりますよね」


 こんな能力のが外に出回るととんでも無い事になるんじゃ無いのだろうか。そう思ったがクリスティーナ様はそんな事にはならないわ、と言う。


「この鉱石は何故か、教皇の一族が結婚する際にしか輝かないのよ。今回もあなたとキャロラインが婚約してから輝き出したの。だから採取して作ることが出来たのよ。そして必要分採取すると、またいつもの鉱石に戻ってしまう。その間はただの石だから何の能力も無いしね」


 これはあの女神の遊び心か? しかし、数が7つある。ここには俺、アレクシア、フェリス、キャロ、ヘレン、エアリスしかいない。全部で6人なのに。


 それを考えている間にクリスティーナ様は、みんなに指輪を配り出す。みんなが左薬指に指輪をはめるとサイズが指に合ったサイズに変わる。俺も貰った指輪を左薬指にはめると丁度いいサイズに変わる。きつ過ぎず、大き過ぎず。


「あと、他人が付けると石が割れるから気をつけてね」


 本当に万能だなこれ。あとで聞いた話だが、これを付けておくと男は精力増強され、女は安産になるらしい。それを嬉しそうに話すアレクシアたちが少し怖かったのはここだけの話。


「あと、この1個はもう1人いるんでしょ?」


 とクリスティーナ様が俺に最後の1つを渡してくる。もしかして


「これはクロナの分ですか?」


「誰かはわからないけど、いるならその子の分でしょう。この指輪を作ろうとすると、必ず人数分しか採取出来なくて、その人数しか作れないのよ。それなのに今回はここにいる人数以外もあるってことはそう言うことよ」


 そうか。ならこれはクロナの分だな。直接渡したいが早く付けてもらいたいから手紙で送るか。


 その後は、指輪について色々と注意を受けてから解散となった。アレクシアたちはみんなで話があるから部屋に戻ってしまった。指輪を撫でながら、嬉しそうな顔をしていたのは、見ているこっちも嬉しくなった。


 俺も部屋に戻りこれからどうしようか考えていたが、ジークからの手紙があるのを思い出したので読む事にした。


 ーーーーーーーーーー


 レイへ


 この手紙を読んでいるということはエアリスとの結婚をレイが認めた事になる。エアリスにはそうなった時には渡すように伝えていたからな。


 エアリスがどう思っているかはエイリーンから話を聞いていたためあまり驚くことはなかったが、少し複雑な気持ちがあるのも確かだ。


 半分とはいえ血の繋がった姉弟だからな、お前たちは。


 まあ、人を好きになってしまったら止められないのも確かだ。俺も嫁たちが好き過ぎて怒られる時があるくらいだからな!


 この手紙を読んでも読んでなくてもエアリスには結果を返すように伝えている。もし読んでいたならレイが変わりに返して来い。


 ただ、1つ問題がある。


 その問題はエアリスの求婚についてだ。周りの貴族たちの分は今は保留にしているが、返事次第で断ろうと思う。ただ、あるところの求婚だけが中々断れなくてな。


 そのあるところというのは、シーリア王国の第2王子だ。以前王都にナノール王国とシーリア王国の会議の為にやってきていたらしいのだが、その時王宮を歩いていたエアリスに一目惚れしたらしい。


 それから度々家に求婚の願いが出されていたが、まだ学生という事で保留にしていたのだが、この前の手紙に、この年末にナノール王国に行くから会いたいとの連絡があった。


 流石にそれまで断ることはできなかったため、了承の手紙を出している。エアリスには既に話している。その会談にはナノール王も出る事になっている。


 そこにレイ、お前にも出てもらいたい。本当なら俺が行くべきなのだが、レガリア帝国の動きが怪しいため、領地を離れる事が出来ない。代わりにエイリーンが行く手筈にはなっているが。


 ここは男としてエアリスを守ってやるんだぞ。


 ジークより


 ーーーーーーーーーー


 ふぅ〜。まさかエアリスがそんなところから求婚されていたとは。少し面倒な予感がしないことも無いが、エアリスの為だ。何としてでも諦めてもらおう。


 

長くなったので2つに分けました。

次はクロナに手紙を送ります。

15時に投稿しますのでよろしくお願いします。


評価等よろしくお願いします!


訂正

ゴッデスサファイヤ⇨トュルークリスタル

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