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78.遊びに行きましょう!

「何! ギルガスがやられただと!?」


「ひっ!」


 おっと、余りにも気が高ぶって魔力を放出してしまったり冷静にならないといけません。


「……それで、その話は本当なのですか?」


「は、はい。使い魔が空から確認いたしました。ギルガス様は灰になって消えた様です」


 灰になってか。確かに我々が死ぬと灰になります。そして数年の内にこのテンペストにある神殿で復活するのですが……。まさか、ギルガスがやられるとは。まだ本調子ではなかったとはいえ、防御力、攻撃力我々の中でも高い方だったというのに。


「それで、ギルガスを倒したのは、聖女でしたか? それとも教皇でしたか?」


 私が質問すると、報告者は首を横に振る。どういう事だ? あの国にはそれ以外の実力者はいなかった筈。1番強いのが教皇だった筈ですが。


「教皇はギルガス様のドラゴンと対峙していまして、ギルガス様と戦ったのは少年でした」


 ……まさか。


「……その少年は髪が銀髪の少年ではなかったですか?」


「! お知り合いでしょうか? その通りです」


 やはりか。あの少年なら本調子ではなかったとはいえギルガスを倒すのも頷ける。しかし彼が何故教皇国に? ……聖女と会うためか。これは女神アステルが何かした様ですね。


「アゼル様?」


「おっと、報告ご苦労様でした。戻っていいですよ」


「はっ、失礼します!」


 そう言い出て行く兵士を見ながら私は考える。これ以上彼に邪魔されるわけにもいきませんねぇ。他の方たちはまだ眠っている状況ですが。何か手を打たなければ。


 ◇◇◇


 ランウォーカー伯爵領


「ふぅ、やっと覚える事ができました。マーリン先生! 難しすぎますよ!」


 私は私の魔法の先生であるマーリン先生をじとっと見る。そんな私を見てマーリン先生は苦笑いをしてくる。むぅ〜!


「ごめんなさいね。フィーちゃん教えれば教えるほど魔法を覚えていって、教えているこっちも楽しいのだもの。それにフィーちゃんの称号『魔導王』は噂は聞いた事あるけど初めて見るからついね」


 マーリン先生はおちゃめに左目を閉じてウィンクをしてきます。マーリン先生は屋敷の中ではフードを脱いでいます。もともとなんでこんなに綺麗な顔を隠しているのかわからなかったのですが、どうやら目の色が違うため虐められるそうです。


 私は何とも思わなかったので綺麗な目と、マーリン先生に言ったら思いっきり抱き締められちゃいました。


 私はお兄様と別れてから4年間毎日マーリン先生から魔法を、お父様たちから勉強を教えて貰っています。魔法は何故か教えて貰ったもの全て覚える事ができました。その事をお父様とお母様に伝えるととても驚いた表情で見ていたのを覚えています。


 でも、その後お父様たちに天才だ! も褒められたのはいい思い出です。


 ちなみにお父様たちはとてもラブラブです。子どもの前でもイチャイチャしています。こっちが見ていて恥ずかしいほどに。


 そんな風に昔の事を思い出していると、


「フィーちゃん?」


 とマーリン先生に呼ばれます。考え過ぎていましたね。


「考えごとをしていました」


「ふふ、今日はこれで終了だからいいわよ」


 そう言い部屋から出て行くマーリン先生。この後はどうしましょう。クロエはお兄様の専属メイドになるために修行中ですし、お母様はクリシアに付きっ切りです。まだ1歳だから仕方ないのですが。


 お父様は仕事中だからお邪魔はできませんし。……そうだ! 町へ出ましょう! みんなに会いに行きましょう!


 決まれば即行動です! 私はお母様に作って貰ったお財布と肩掛けポーチを肩から下げていきます。まず最初の難関、衛兵さんです。彼らの仕事は怪しい人を中に入れない事ですが、中から私を出さない事も仕事の1つです。


 前に外へ出たいと衛兵さんにお願いしたら、その事をお母様にお話してしまったのです! その為1人で外へ出る事は出来ませんでした。


 しかし、私は見つけたのです! 1人で抜けられる秘密の抜け道を!


 私は、門から少し離れたところにある植垣へといきます。この植垣は、屋敷を囲う様に出来ている壁に沿って植えられています。


 そしてこの植垣の向こうにある壁には、なんと穴が空いていたのです! 外側からだと分かりづらくて、内側からだと植垣で隠れている為わからないのです。


 私は植垣に頭から突っ込み、先へ進みます。そしてそのまま進むと、


「出れました!」


 これで衛兵さんに気づかれず出る事が出来ました。ふふふ、ここを使うのも何度目かになりますがこの解放感はなんとも言い難いです! そんな事を思っていると


『あまり親御に心配をかけるもんじゃないぞ、フィーよ』


 と私の親友のファシィーが話しかけてきます。いつも私といてくれる精霊です。


「私がいないなんて気づきませんよ。クリシアから目が離せませんからね」


 お母様たちは私に愛情を注いでくれます。とても大事にされているのはわかっています。だけど最近はみんなとても忙しいのか、あまり構ってくれません。


 お父様は軍の元や近隣の領地へ行ったりして、お母様はクリシアの世話をしています。だから最近は先生との修行以外は1人でいます。いや、ファシィーがいるので1人ではないのですが。


『まあ、そなたがいいのならそれでも良いのじゃが』


 とそのままファシィーは黙ってしまいます。私以外には見えない為、外で話していると不審がられますからね。ファシィーもそれがわかっているので外ではあまり話しかけてきません。


 よし! 気を取り直してみんなのところへ行きましょう! 今日は何をして遊びましょうか!

急に書きたくなったので書きました。次の話まで続きます。


評価等よろしくお願いします!

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