閑話 夏の風物詩
ミーン、ミーン
……暑い。この世界の夏も前世に負けないくらいの暑さだ。
そしてこの鳴き声。毎日毎日ご苦労な事に鳴いている。一回どんな生き物か捕まえた事があるが、セミではなかった。いや、雰囲気セミっぽいのだが頭にハサミが生えていて凶悪そうなフォルムをしていたんだ。しかもこいつは1週間で死なずに夏中は生きているらしいし。
……暑い。俺が王都に来て2年が経った。この家もエアリスに、この前からはフェリスもやってきて、朝と夜にはアレクシアとヘレンさんもやってくるという賑やかな空間になった。
毎日楽しく過ごしている。師匠の修行は厳しいけど。充実した日々だ、そんな事を考えていると
「レイ〜、アレクシアが呼んでいるわよ〜。起きて〜。みんなに話したい事があるんだって〜」
とエアリスの声が聞こえる。アレクシアはもう来ていたのか。
俺は直ぐに着替えて1階に降りる。1階のリビングには、アレクシア、ヘレンさん、エアリスにフェリスと全員が揃っていた。
「おはようレイ。今日も可愛いわね!」
と抱き付いてくるアレクシア。毎日の事なのでこの状況には慣れてしまったのだが、日に日に大きくなるお胸様が凄い。手に収まりきらないほどの大きさなので顔面にフィットする。
「もう、アレクシア様、レイ君が苦しそうです。毎回毎回可哀想ですよ。おはようございますレイ君」
俺がお胸様に埋まっているところをヘレンさんに助けて貰った。もう少し味わっても良かったけど、ヘレンさんが物凄い形相でアレクシアの胸を見ているから言わないでおこう。
「ふぅ、おはようアレクシア。おはようございますヘレンさん。姉上もおはようございます。フェリスもおはよう」
俺はみんなに挨拶をし席に着く。一応この家の家主ってことで上座の席に座る。他のみんなは自由に座るが。アレクシアが身内だけなんだから自由でいいじゃないって言うから、みんなも気にしないようにしている。フェリスも別に良いって言うしね。
「それで、朝からどうしたんだアレクシア? 今日は師匠は用事でいないから自由でって話だったけど」
俺がアレクシアに聞くと
「ええ、その通りよ。それでみんな揃っているから遊びに行こうと思ってね。フェリスが来てこの3ヶ月ほど忙しくてなにもできていなかったでしょ? それにこの暑さだから涼みたいしね」
と胸元をパタパタさせるアレクシア。おお、その見えそうで見えないアングルが! と見ていたら
ガツ!
と足を蹴られた。蹴られた方を向くとそっぽを向いて少し怒っているフェリスが座っている。耳も尻尾も怒ってんだぞ! って自己主張している。
「フェリス、どうしたんだ?」
「アレクシアお姉様の胸元を見過ぎよ! 私にはそんなに見てくれないくせに! ……あ」
周りがフェリスを見る。何暴露しているんだよ。
「あ、いや、その、ち、違うの! 見て欲しいとかじゃなくて、あの、その……」
さっきまで激しく立っていた耳も尻尾も今は羞恥のあまりへたり込んでしまっている。なんか感情でピクピクしているの可愛い。
「まあ、フェリス。気にしなくて良いわよ。好きな男に見て欲しいのはわかるから。それに今から遊びに行くところだと存分に見せられるわよ!」
と話し出すアレクシア。一体どこへ行くんだ?
「あそこに行くんですね、アレクシア様」
「あそこって何処ですかヘレンさん? アレクシア?」
ヘレンさんがアレクシアに確認するとアレクシアは頷く。それに疑問を思ったエアリスはヘレンさんとアレクシアに聞くが答えてくれない。何処なんだ?
「それは行ってからのお楽しみよ! 準備は全てこっちでやっているから、みんなはそのままで良いわよ! さあ、行きましょう!」
と立ち上がり外へ出るアレクシア。ヘレンさんもニコニコしながらアレクシアに付いていく。俺、エアリス、フェリスは顔を見合わせながらも付いていく。すると外には6人乗りの馬車が待っていた。アレクシア専用の馬車だ。
「さあ、乗って。行きましょう!」
そして、みんなで馬車に乗る。本当に何処へ行くのだろうか?
◇◇◇
馬車に揺られること2時間。馬車の中は風魔法で涼しくなっていたから過ごしやすかったが、何処へ行くかは全く教えてくれない。外も見れないように窓がされているし。そして馬車が停まり、外からノックがされる。
「やっと着いたわね! みんな降りて!」
とアレクシアが降りる。みんなもそれに付いて行く。そこで見たのは
「……わぁ〜、綺麗……」
「気持ち良さそうね!」
とエアリスとフェリスが驚く程の湖だった。中は透き通るほどの綺麗さで、魚が泳いでいるのがわかる。
「あら、ここは良いわね」
とマリリンもどっかへ飛んで行ってしまう。水精霊お墨付きの湖だ。
「ここは王族の避暑地でね。ほらあそこに別荘があるでしょ? お父様が貸してくれたのよ。みんなで楽しんで来いって。それじゃあ着替えに行きましょ!」
アレクシアがそう言うとヘレンさんはビクってする。着替えるって……まさか!
「あ、アレクシア様。わ、私は、そ、その、見学で……」
とヘレンさんは逃げようとする。エアリスとフェリスはまだ分かっていないみたいだ。
「な〜に言ってんのよ。みんなで楽しむために来たのに1人だけ見学とかナシ! さあ行くわよ! あ、レイはここで待っていてね。交代だから。まあ、別にレイなら覗いても良いんだけどね」
とヘレンさんを引っ張って行くアレクシア。アレクシアの発言にようやく何をするか気が付いたエアリスとフェリスは、顔を真っ赤にしてアレクシアを追いかける。何かを言っているが、アレクシアは聞く耳を持たない。そして俺は暑い中外で待たされる。楽しみだが早く!
10数分後。流石に日向は暑過ぎるので日陰へ移動した俺は風魔法を発動しながら涼んでいる。そこに
「レイ〜! 着替えたから来て!」
とアレクシアの声。俺は呼ばれた通り別荘の中へ入ると、中は誰もいない。疑問に思っていると
「レイ来たわね。それじゃあ1人ずつ出て行くからよく見ててね。まずは私から!」
と扉が開かれる。現れたのは後光がさすような美しさのアレクシアだ。髪の毛をアップにし綺麗なうなじを見せ、そして予想通りの水着! 白の王道のビキニでアレクシアの美貌を惜しみもなく出している。そして1番目が行くのはやはりお胸様だ! 普通のビキニでは支えきれないのかアレクシアが動く度にプルンプルンと揺れる……。
「フフン。どうこの水着。レイに見せるために用意したんだから!」
と笑顔のアレクシア。
「うん、綺麗だよ。思わず魅入っちゃった」
と俺が言うと、少し頬を赤くして照れる。紛らわすように
「それじゃあ次はフェリスよ!」
と呼ばれる。おずおずと開けられる扉からは恥ずかしそうに出てくるフェリスだった。フェリスは水色のワンピース型の水着で、フリフリが付いている。お胸様は普通サイズだが、それでも張りのあるものだ。尻尾がフリフリすると、一緒にワンピースもフリフリする。ワンピースから出る尻尾がなんかエロい。
「み、見過ぎよ! は、恥ずかしいんだからぁ」
と真っ赤になるフェリス。
「よし、次はエアリス!」
とアレクシアがエアリスを呼ぶ。そして出てきたのは
「ううぅ、おへそが丸見えじゃない」
とエアリスが出てきた。確かこのタイプの事をバンドゥって言うんだっけ? 上は髪の毛と同じ色の赤色のバンドゥで下はズボン型の黒の水着。ここ最近成長が著しいお胸様がバンドゥで抑え込まれている。
「ちょっと、アレクシア。水着のサイズが少し小さくない?」
「え、そうなの? おかしいわね、先週図ったサイズなんだけど」
……1週間で大きくなったんだね。
「まあ、大丈夫でしょ。それじゃあ最後はヘレンよ!」
とアレクシアが呼ぶ。……ん? ……あれ? 出てこない。
「ヘレン? どうしたのよ?」
アレクシアが扉の向こうへ行くと、
「無理ですよぉアレクシア様ぁ。こんな水着てレイ君の前なんてぇ〜。こんなのただの変態じゃないですかぁ!」
なんかいつもと違うヘレンさんの泣き声が聞こえる。ど、どうしたんだ?
「何よ。そんなこと言ってちゃっかりと着替えている癖に。ほら行くわよ!」
「あっ、ちょっと、引っ張らないでくださいよ、アレクシア様!」
そして出てきたのは……ぶふぅっ! え? えええええ!
「ううぅ。そんなにジロジロ見ないでください」
恥ずかしそうにモジモジするヘレンさん。ヘレンさんが着ていたのはまさかの黒のマイクロビキニだった。なんてもの着せてんだよアレクシアは。少し膨らみがあるお胸様の中心を申し訳程度に隠す黒いブラ。下の方もギリギリ隠れているくらいだ。そしてヘレンさんの綺麗な白い肌がこれでもか! っていうほど出されている。
「ほら、レイ。ヘレンはどう?」
とアレクシアが聞いてくるので、俺の答えはひとつだけだ。
「エロいです。ありがとうございます!」
おっと、思わず礼も言ってしまった。それを聞いたヘレンさんは全身真っ赤に染め上げ
「やっばり無理ですぅ〜!」
と戻ってしまった。
そんな事もありながらもようやく遊び始めた俺たち。ヘレンさんもマイクロビキニから普通のビキニの水着に着替えて出てきた。俺には目を合わそうとしてくれないが。
みんな湖に飛び込んだり、水を掛け合ったりして楽しんだ。途中から魔法ありの乱闘になったが、それもいい思い出だろう。何故か、ヘレンさんのばかり水着が飛んでいきポロリをしていたのはご愛嬌だ。
俺は水に濡れて光るお胸様が見れて満足だった。プルンプルンと揺れて。これは夢に出てくるな。夜が楽しみだ!
勢いで書いてしまった。
評価等よろしくお願いします!
よるできたら本編を……




