5.ステータス☆
ついにこの日がやってきた。
先週みんなの前で喋ったことにより、ステータスを取得しに行くことになってしまい、どうしようかと色々考えたが、何も思いつかなかったので、諦めた。
母のエリスも父のジークも朝からテンションが高い。
クロエは表面上はいつも通りなのだが、シッポが大きく振られているので、両親と同じ気持ちなのだろう。
とりあえずこの一週間はクロエにステータスの事を色々と聞いた。
こんな喋れるようになった赤ん坊がわかるのか? と言うような内容まで、クロエは丁寧に教えてくれた。
この世界のステータスというのは、前世のゲームのような部分もあれば、この世界独特の部分もあったりする。
基本的なものとして、名前・年齢・性別・レベル・今の職業・体力・魔力・筋力・敏捷・物耐・魔耐・称号・スキルが表示されるとの事。
体力はゲーム風に言うとHP、魔力はMPだな。体力が無くなると死ぬし、魔力が無くなると体が動かなくなり、最悪気絶すると言っていた。
これらのステータスの数値は一般の成人で100前後、軍の兵で500前後、隊長以上だと1000以上あるらしい。
レベルは最大100まで行くらしく、今までになったことあるのは、昔召喚された勇者やその時代の魔王など、歴史に名を残すような英雄がその頂きまで到達することが出来るぐらい厳しいとのこと。
まあ、英雄とか目指さないから関係ないが。
称号はその人物が成し遂げたことや、周りにそう思われている事などが入るらしい。称号によっては、ステータスに反映される称号もあったりする。
冒険者や兵士みたいな戦闘職は二つ名が称号になったり、生産職だと「凄腕の〇〇」みたいな称号があるないで客の入り方が違うみたいだ。
スキルなのだが、これがまたスキル数が多いのだ。今現在わかっているスキルだけでも500近くあるのに、まだまだ未発見なスキルも沢山あるそうだ。
スキルにはレベルがあり、最低レベルが1、最高レベルが10になる。
1〜2が初心者クラスで、3〜4が普通クラス。大抵の人間がこのクラスで止まるみたい。5〜6が名人クラス。ここからかなり数が減り、このクラスでも道場を建てたり、店を建てたりなど出来るぐらいすごいのだが、これより上で7〜8が達人クラスとなる。世界中探しても中々見つからないらしい。
その上伝説となっているのが9〜10の神クラス。やぱりこれも、歴史に残るような英雄じゃないと到達しなく、他には確認されていない。今の魔王が闇魔法が9あるとかないとか。ってか、魔王いるんだな。絶対会いたくない。
とまあ、こんな感じの説明をクロエにしてもらい、参考にクロエのを見させてもらったが
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クロエ 17歳 女 レベル:34
職業:レイ専属メイド
体力:730
魔力:260
筋力:470
敏捷:840
物耐:420
魔耐:310
称号:大行進を乗り越えし者 超メイド
スキル:槍術レベル5 生活魔法レベル3 短剣術レベル4 家事レベル5 料理レベル5 礼儀作法レベル5
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と中々の実力者っぷり。
猫の獣人だからなのか敏捷が一番高いな。
話には聞いていたが、3年前の大行進には、クロエも出ていたそうだ。その時にエリスと出会ったらしい。
っていうか、俺専属メイドはわかるんだが、超メイドってなんだよ。いや、クロエのこと見ていたらそう思う事もあるけど、称号になっているとは。
称号とスキルは意識してみると、内容がわかるらしい。例えば、称号の「大行進を乗り越えし者」やスキルの料理などだと、
大行進を乗り越えし者
魔物の大群1万以上の数相手にも逃げずに戦い切り抜けた者。1人対魔物の多数の時、ステータス上昇
料理レベル5
料理を作るのが上手くなる。店が作れるレベル。料理教室も開けちゃうかも。
と、こんな感じで出てくる。
少し軽い感じが出たりするが、これも女神のご愛嬌とのこと。例の女神じゃないだろうな?
こんな感じでステータスは存在するのだが、前世でやったゲームとは違い、この世界独特の部分がある。
それは、普通の人相手だと自分から相手に見せるか、看破系のスキルを持っていないとステータスを見る事が出来ないのだが、家族、恋人のような、親愛度・親密度が高い相手だと、お互いにステータスが見られるようになるらしい。
うちの両親もお互いに見る事が出来ると言っていた。その上親愛度・親密度の高い者同士がそばにいるだけでステータスは少し上昇したりもするらしい。
中々独特のルールもあるものだ。
だから、大抵の人はステータスがお互いに見れるようになったら結婚するというのが多いとクロエは言っていた。
まあ、貴族の家とかだと、他の家には隠しているスキルなどもあるみたいだから、外部に出さないように、諦めて結婚させるという家もあるそうだ。本人たちからすれば嬉しい事なんだろうけど。
俺も好きな人が出来たら、お互いにステータスを見せ合ったりするのか〜とか、あんなことやこんなことを考えていたら、扉をノックする音が聞こえた。
「レイ様。失礼いたします」
俺専属超メイドのクロエが入ってきた。
するとクロエが、ビクッと、急に震えた。
どうしたのだろうか? 風邪か?
俺が、首を傾けていると
「レイ様。今から神殿に行く支度をいたしましょう」
もうそんな時間か。
嫌だな〜とか思いながらもそんな様子を表に出さずに返事をする。
「はい。今日は楽しみだね! クロエ!」
(いやー! 行きたくないよー! クロエ!)
「はい! これからレイ様がご活躍されるための基本となるためステータスですからね!
私は今日が楽しみで昨日は眠れませんでした!」
俺の心の声は届かなかったようだ。
というか、昨日寝てないのかよ!
遠足前の小学生みたいで可愛いのだが、理由が理由だからあまり喜べない。
それから十数分程度で身支度も終え、一階で両親をクロエと一緒に待っていると、明らか外用の豪華な服を着込んだ2人がやってきた。
「おっ! レイもカッコ良くなっているな。今日はレイの大切な日だからな。みんなでおめかしして行こうな」と、言う父。
「そうですね〜。今日のディナーは豪華にしてもらわなくちゃね? レイちゃん」と、母。
いやいや本当に期待し過ぎですから。やばい泣きそうなぐらい期待が重たい。
クロエに愛おしそうに、頭を撫でられる俺。
このおかげで少しは気持ちも楽なったが。
落胆された時の言い訳でも考えておこかな?
そんなことを思いながらもついに、神殿に行くための馬車がやって来た。
「さあ、行こうか」
「はい、あなた」
はぁ。やっぱり気が重いがここは腹を括って行くか。
「行こう。クロエ」
「はい。レイ様」
俺はクロエに抱かれているので、一緒に馬車に乗り、全員乗った馬車は神殿へと動き始めた。
レイのステータス更新まで行く予定でしたが、長くなりそうだったので、ステータスの説明までにしました。
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