表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/350

閑話 姉vs王女

「さあ、行きますよ、アレクシア殿下!」


「ええ、来なさい。義姉様」


 アレクシアはエアリスに向かってニヤリと笑う。それを見たエアリスは顔を引きつらせ剣を構える。


 俺とヘレンさんは観客席で黙って見ている。今この場にいるのは観客席にいる俺とヘレンさん、訓練場にいるエアリスとアレクシアのみだ。そしてエアリスとアレクシアは、剣を構えて対峙している。


 ……どうしてこうなったのだろう。


 ◇◇◇


 話は今から1時間ほど前に遡る。


「レイ、私にも紹介して欲しいな。その子を」


 俺がエアリスと抱き合っていると、後ろからアレクシアが聞いてくる。そういえば家族で、エアリスだけは紹介していなかったな。


「ごめん、アレクシア。この人は母親は違うけど俺の姉でエアリス・ランウォーカー。同じ先生から教えてもらった姉弟子だ。姉上。こちらが俺の婚約者になるナノール王国第1王女のアレクシア・ナノール。そういえば同じ師匠に教えて貰っているからこっちも姉弟子だね」


 俺がそうやって笑いながら紹介すると


「これは挨拶が遅れて申し訳ございません。私の名前はエアリス・ランウォーカーと申します。レイとはとても仲の良い姉弟になります。昔からとても可愛くてカッコ良い子なんですよ」


 と挨拶をするエアリス。なぜか物凄く俺を褒めるのだが。何でた?


「これはこれは、私の名前はアレクシア・ナノールよ。よろしくね義姉様。これからはもっとカッコ良くなるレイの婚約者よ」


 と挨拶をするアレクシア。こっちも何故そんなに褒めるのだ? そして2人は握手をする。うん、笑顔で打ち解けたみたいだ。ただ、ヘレンさんが仕切りに止めなくて良いのか聞いてきたが何故だろう?


「ただ、姉弟なのにそんなに抱きついたりしない方が良いんじゃないかな、義姉様?」


「別に良いじゃないですか。これが私とレイのスキンシップなんですから」


 そういって俺をまた抱き締めるエアリス。あれ? 半年前に比べて前より柔らかくなっている。特にお胸様が。そしてエアリスを見てみるとアレクシアに向けてドヤ顔をしていた。アレクシアは笑顔だけど目元をピクピクさせている。なんかやばい気がするぞ。


「ま、まあまあ姉上。こんなところで立ち話も何ですし中に入りましょうよ」


「そうね、それが良いわねレイ! さあ義姉様、中に入りましょうか」


 今度はアレクシアに思いっきり抱き締められる。やばい、呼吸が! お胸様に埋まって呼吸が! そんな事を思っていると突然アレクシアが


「あら? そういえば義姉様は剣を嗜むのね」


 そんな事を言い始めた。物凄く嫌な予感がするのは俺だけだろうか。


「そうだけどそれが何ですか?」


「いえ、以前にレイが自分の姉上はとても強くて、一回も勝てたことが無かったっていうものだから気になっちゃって。どれほどの実力なのかなぁと」


 と楽しそうな声色で話すアレクシア。これはもうやる気だ。


「昔の話よ。今はレイの方が強いわ」


「そうなの? それなら今の実力を私に見せて貰えないかしら。私戦ってあなたの本音が聞きたいわ、義姉様」


「私の本音ですって?」


 エアリスの声に、少し声色に怒りが含まれている。もうそれ以上挑発をするなアレクシア、とアレクシアを叩く。だけど俺はお胸様に埋まっているためどこを叩いたかわからない。するとムニュ、っととても柔らかい感触が!


「あぁん! もうレイったらエッチなんだから」


 と頭を撫でてくるアレクシア。完璧楽しんでいるぞこいつ。するとエアリスも


「わかったわよ! やってあげるわ!」


 とやる気になってしまった。理由はわからないがかなり怒っているようだ。俺はようやくアレクシアに解放されエアリスを見る。


「あ、姉上。どうされましたか?」


「レイは黙っていて! あそこまで挑発されれば女として引けないの! それで何処でやるのよ?」


「それなら王宮の訓練場を借りましょ。ここからなら王宮の方が近いし」


 と外に出るアレクシア。それにエアリスも付いて行ってしまう。


「どうするのレイ君?」


 ヘレンさんがそんな事を聞いてくるが俺にもどうしたら良いのかわからない。取り敢えず付いて行くことにした。


 ◇◇◇


 そして今に至る。


「ルールはどちらかが降参するか、気を失うかまで行うけど良いかしら?」


 アレクシアがルールを確認する。それにエアリスも頷き了承する。そして2人とも剣を抜く。エアリスは以前から使用している愛刀の剣だ。アレクシアもツインベルを2本とも抜く。そしてアレクシアが


「レイ合図をお願い」


 とお願いしてくる。


「それじゃあ、2人ともあまり無茶はしないように、はじめ!」


 俺が合図をした瞬間2人は走り出す。どちらとも身体強化を使用しているみたいだ。そしてエアリスは剣に


「火魔法ボルケーノドライブ武器付与」


 レベル4の火魔法を剣に付与をし燃え盛る剣でアレクシアに斬りかかる。しかしアレクシアも即座に


「水魔法ウォータースプラッシュ武器付与」


 2本の剣に魔法を付与する。エアリスは一瞬びっくりした顔をするがそのまま向かう。そしてエアリスが上から燃え盛る剣を振り下ろす。アレクシアは右手側の剣でそれを受け止め、左手側の剣で横薙ぎをする。


 そして今度はアレクシアが攻める。あの縦横無尽に迫る剣戟がエアリスを狙う。右手側の剣を振り下ろすかと思えば、左手側の剣で突いてくる。次は左手側の剣かと思えば蹴りがくる。今は魔法が使えない分、体術で補うようだ。


「くっ、この!」


 エアリスも惑わされながらも何とか避ける。しかし避ける度に何処か傷が付いて行く。やはりアレクシアの方が上か。アレクシアにはまだ余裕がある。


「これならどう! 火魔法ファイアボルケーノ武器付与! フランベルジェ!」


 新たに火魔法を付与した攻撃がアレクシアを襲う。刀身が波のように蠢いている。それを見たアレクシアは


「なら私も水魔法ストリームチェイサー武器付与。ツインリストチェイサー!」


 2本の水の渦がエアリスに向かい突き進む。1本目はエアリスのフランベルジェにぶつかり爆発。しかし2本目がエアリスに迫る。


「くっ!」


 エアリスは何とか逃げようとするが間に合わない。そのままぶつかるかと思った瞬間、魔法が消える。


「え?」


 エアリスは怪訝な顔をしながら、魔法を消したであろうアレクシアを見る。


「ふふ。そんな驚いた顔をしないでよ。私が義姉様を傷つけるわけないじゃない。あなたの思いは伝わったから。これからはレイを一緒に愛でましょうね?」


 アレクシアはエアリスの元に歩いて何か言っているがここからじゃ聞こえない。エアリスは顔を真っ赤にして頷いて、あっ! 握手した。仲直りできたのだろうか?


 その日から2人は毎日競うように決闘をするようになった。師匠も紹介すると、


「それなら毎朝くると良い。私の後を継げるかもしれないしねぇ」


 と物凄い笑顔で許可が出た。エアリスも剣聖から直々に教えてもらえるとあってかなり喜んでいた。


 だけどまあ、無事エアリスとアレクシアの仲が良くなってよかった。と思ったのもつかの間


「私ここに住むから。エリザお母様には許可貰っているから」


 と家に来たエアリス。それを聞いたアレクシアがなんども説得しようとしたが、エアリスは全く聞き耳を持たなかった。そしてまた喧嘩し始める。


 そんなこんなで無事エアリスは学園へ入学する事ができた。エアリスが在学中も色々な伝説を残すのだが、それはまた別のお話で。


 とにかく家の中では喧嘩はやめて!

あと1つぐらい入れたら話を進めたいと思います!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ