表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/350

39.呪い

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜マーリンside〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「総員何としても持ちこたえなさい!」


「「「「はっ!」」」」


 まずいわね。このままじゃ私はともかくみんなが持たない。


「副団長。あなたたちだけで魔法障壁は維持出来るわね」


「確かに出来ますが、もしかして団長?」


「私が奴らの気を引きつけるから、陛下が上級魔法障壁を発動するまで持ちこたえるのよ」


 私じゃ、あの2人は厳しい。何とか他の魔剣持ちを倒さなければ……


「……わかりました。ご武運を祈ります」


「ええ、後は頼んだわよ」


 私は障壁の外へ出る。


「おや、魔法師団長殿が出てきてどうしたんだ? もしかして切らせてくれるのか?」


「いや、ワシに血を吸わせに来てくれたんじゃ!」


「そんなわけ無いでしょ? あなたたちを倒しに来たのよ。ボルカニックアロー!」


 私は火魔法のボルカニックアローを魔剣持ちたちに放つ。あまり街中で魔法は使いたく無いけど仕方ない。炎の矢が魔剣持ちたちに迫りそして爆発。これを何発も発動する。そして舞い上がった土煙が消えると出てきたのは


「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス!」


 ……この程度じゃダメみたいね。傷は負っているけどあまり関係無いみたい。


「ならこれならどう? 土魔法アースホール、火魔法フレイムバースト!」


 私は魔剣持ちたちを囲むように土の壁を作り奴らを閉じ込める。閉じる瞬間に火魔法のフレイムバーストを発動する。これなら逃げ場は無いはず。アースホールの中で轟音が轟く。


 アースホールが崩れていく。すると


「ガァ……ゴロ……ス。ぐへぇ……」


 生きてはいるみたいだけど手足が吹き飛んで動けないみたい。あの2人は?


「ふぅ、今のは効いたぜ。魔法は得意じゃ無いが身体強化は得意なんでな。何とか耐え切ったぜ」


 そんなバカな! 身体強化だけで防がれるなんて。


「そんな事より余所見していいか?」


 え? すると私の背後から


「闇魔法シャドウロード。お主の血を頂くぞ!」


 影から出てきた吸血鬼が迫る。


「くっ! 風魔法ウィンドウォール!」


 私の周りに風の障壁を発動させるが


「あめぇぜ!」


 切り裂き魔が切り掛かってくる。


「魔法障壁!」


 ガチーン!


 何とか防いだが耐え切れず吹き飛ばされる。


「キャアアアア!」


 私はどこかのお店まで飛ばされる。


 くっ、早く態勢を立て直さないと


「ほら、今度はこっちじゃ。ダークネスクロー」


 吸血鬼が闇魔法を付与した右手で殴りかかってくる。


「光魔法シャイニングスピア!」


「甘いわ!」


 くそ! 私の光魔法を右手で防がれ、そのまま殴り飛ばされる。


「ぐぅっ!」


 はぁはぁ、このままじゃまずいわね……。


「団長!」


 みんなが見ているところで死ぬ訳にはいかないんだけど


「なあ、ばあさん。そろそろ切らせてくれよ〜」


「何を言っておるのじゃ。儂が血を飲むのじゃ」


 そう言い私の首を掴む吸血鬼。


「血を飲む前にお主の顔を拝見するとするかの。どれどれ……」


 まずい! この事は陛下とゲインたち限られた人しか知らないのに


「や、止めなさい! 止めて!」


 ビリビリ!


 あっ、私のマントが破かれそして


「ん? 何じゃお主呪い持ちじゃったのか」


「ん? 何だそれ?」


「こやつの目を見てみい。本来なら両目は同じ色になるのじゃが、此奴は右目が青で左目が赤いじゃろ。偶に此奴みたいに片方ずつ色の違うものがおるのじゃ。

 そういう奴は呪い持ちと言われて、呪われているから色が変わっていると皆から避けられるのじゃ。この国の王は酔狂な奴じゃな。わざわざ呪い持ちを侍らせるとは。確かに体つきは良いから夜の相手か?」


「貴様! 陛下を侮辱するな!」


 私は魔法を放とうとするが


「やかましいわ」


「ぐふっ!」


 お腹を蹴られる。


「見てみい。お前が呪い持ちだとわかった瞬間、団員たちの顔が変わったぞ。お主の信頼とはその程度じゃったのだ」


 私は団員たちの方を見ると、やっぱりそうか……。みんな関係無しと顔をそらす。ここでも同じ。いや陛下はこんな私でも才能があると拾ってくれた。ゲインも気にせず魔法を教えて欲しいとやってきた。


「飲む気が失せたわい。お主にやる、切り裂き魔」


「そうかい。俺には呪いなんて関係無いからな! 良い悲鳴を上げてくれよ団長さんよ!」


 そう言い切り裂き魔は剣を振り上げる。私は目を瞑る。すると


「やれやれ、諦めるのは早いんじゃ無いかねぇ」


「そうですよ、まだ終わっていません!」


 キンッ! キンッ!


 何かが私の横を通り過ぎる。


 目を開けるとそこには


「さあ、立ちな。マーリンの嬢ちゃん。まだ終わっちゃいないよ」


「微力ながら俺も手伝います。頑張りましょう、魔法師団長」


 シックザール様とレイ君が立っていた。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜レイside〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 マリリンとの契約を終えた俺は学園長と門前まで走っていた。


「坊や、これからは私の事は師匠と呼びな」


「師匠ですか?」


「ああ、これからはアレクシアと同じ弟子になるんだからねぇ」


「わかりました、師匠!」


「うん、良い返事だ。それじゃあちゃっちゃと向かうかねぇ」


 俺たちが門前まで向かうとそこには


「こ、これはシックザール様! 救援に来てくださったのですね!」


 確か魔法師団だったか。


「ああ、王宮内の安全は確保できたからねぇ。それからマーリンの嬢ちゃんはどこだい?」


 そうだ。ここにはマーリン魔法師団長がいるはずだ。あの人がいれば、此処もそう簡単には落ちないだろう。


「そ、それは……」


「なんだい? ささっと言いな!」


「今は切り裂き魔と吸血鬼と交戦中です。私たちはその間の魔法障壁を任されました」


 1人で戦っているのか? 魔剣持ちがかなりいるはずだぞ。


「わかった。何処にいる?」


「この先の第一陣のところです」


 俺たちが第一陣の元へ向かうとそこには


「なっ!」


 倒れこんでいるマーリン魔法師団長と、それを囲んでいる男と幼女がいた。


「これはまずいねぇ」


「そうですよ! 早く助けないと!」


「いや、嬢ちゃんの顔を見てみな」


 マーリン魔法師団長の顔を……なっ!


「ま、まさか」


「ああ、気づいたかい」


「ええ、まさかマーリン魔法師団長がエルフだったなんて。物凄く綺麗ですね」


 見た目は16歳ぐらいで、金髪で肩ぐらいまである長さの髪。お胸様は平均ぐらい。今までフードを被っていたがわからなかったがやっぱりエルフは美男美女なのか? 師匠とマーリン魔法師団長が特別なのか?

 俺がそう言うと


 バシン!


「痛っ! 何で?」


 師匠に頭を叩かれた。


「そこじゃ無いよ。問題はあの子の目だよ。あんたたち! まさかこれのせいで助けに行かないのかい?」


 目? よくわからないが目を見ると……おお! 左右で色が違う! 確かオッドアイって言うんだっけ。右目が青くて左目が赤いぞ。


「色が違うと何かあるんですか?」


「知らないのかい? この大陸だと目の色が違う者の事を呪い持ちって言われているんだよ。まあ、数百年生きている私はそんなの迷信だと思っているけどね。

 あの目を持っていると色々と迫害されたりして、あの子自身もエルフの里から追い出されて1人で生きていたのを私が拾って此処に連れてきたのさ」


 そんな過去があったのか。しかし、エルフだったからあんなに魔法が得意なんだな!


「それで坊やはどうするんだい?」


「何がです?」


「あの子を助けるのかい?」


「はっ? 質問の意味がわからないんですけど。逆にあの目のせいで助けない理由になるんですか?」


 俺は師匠に真顔で聞いた。


「あは、あはははは! その通りだよ、レイ(・・)! あの程度で助けない理由にはならないねぇ! それじゃあ行くよ!」


「はい!」


 師匠は剣を抜き俺は槍を構え駈け出す。


 やばい! マーリン魔法師団長に男が剣を振り下ろす。って、師匠速! もうあんな場所に。俺も身体強化を発動する。師匠は


「ふっ!」


 男の剣を弾く。俺も隣の幼女へ向かい槍を薙ぎ払う。


「ぬっ!」


 ちっ、防がれたか。だけどこれでマーリン魔法師団長から引き離せた。


 そして


「さあ、立ちな。マーリンの嬢ちゃん。まだ終わっちゃいないよ」


「微力ながら俺も手伝います。頑張りましょう、魔法師団長」


 俺たちは武器を構える。


 2人とも力を貸してくれ。


「もちろんなの!」


「了解、主様」


 さあ、やるか

評価等よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ