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34.誕生会(開催前の出来事1)

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜フェリスside〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 私は気が付いたら外まで来てしまったみたい。


「はぁ、勢いで飛び出しちゃったけどどうしよう?」


 私は外にある木に寄り添う。どうしてこうなっちゃたんだろう?


 俯いて色々と考えているとそこに


「おい、お前!」


「えっ?」


 3人の男の子たちが私を囲んで立っていた。見た目からして何処かの貴族の子息らしい。誕生会に来たんだろう。


「……私に何の用よ?」


「無礼だぞ貴様! このお方はプリン侯爵家の御子息様でププンプ様だぞ! そのお方に対して何て態度を!」


「まあまあ、そう声を荒げるで無いップ。私は心が広いからその程度の事は許そうップ」


 そう言いニヤリと笑うププンプ。この気持ちの悪い笑い方あいつらを思い出す。そう思うと体がぶるっと震え出す。もう乗り越えたと思ったのにやっぱりダメみたい……


「ごめんなさい。少し用事があるので行くわ」


 私はこいつらから早く離れたかった。気持ち悪い……


 私が立ち去ろうとすると、ガシッ! と腕を掴まれる。えっ?


「お前! せっかくププンプ様が話しかけて下さっているのにその態度は何だ! どの貴族の位か知らないが生意気だぞ!」


 ……私が誰だか知らないからってこんな事をして。私はそう思った瞬間、先程のお父様たちの話を思い出した。


 ああ、そうか。私はこういう事をあいつにやっていたのね。そう考えているのを、抵抗する気が無いと思ったのか腕を引っ張り始める子息たち。


「ほらププンプ様に謝罪の意味も込めて這い蹲れ。ほらほら!」


 私の頭を掴んで無理矢理下げようとする。


「痛! や、止めなさい! さもないとぶっと……」


「ぶっ飛ばす」って言おうとしたけど、また部屋の話を思い出す。ダメだ。殴ったりしたらまたさっきと同じじゃない。娘が父親に頭を下げさすなんて……


「プップ。心が広いからな。お前なら私の良いペットになれる。それで許してやろう」


「おお、それは良い考えです。ププンプ様! さあ、喜べ、獣人! お前は偉大なププンプ様のペットになれるんだぞ!」


 そう笑い出す子息たち。ダメ! あの時の事を思い出しちゃあ! 私もう震えが止まらなくなった。


「何だこいつ。プルプル震え出したぞ」


「ププンプ様のペットになれて嬉しがっているんですよ」


「そうか、そうか。ういやつういやつ!」


 だ、誰か助けて。アレクシアお姉様。……レイ。


 私がそう思っていると


「何をやっているんです、あなたたちは」


 私と子息たちが声のする方を見るとそこには、怒りの形相を浮かべたレイが立っていた。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜レイside〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 俺はジークやアレクシアに促されてフェリス王女を探しに来ていた。


「全くどこに行ったんだよ。あのお転婆王女は」


 すぐに追いつけると思っていたが10分近く探しているのに見つからない。俺も王宮の中に来るのはまだ2度目だから何処に何があるかわからないし。


 進むがままに探していると外に出る通路を見つけた。外に出てみると……おっ! やっと見つけた! あの短時間でこんなところまで来ていたのかよ。


 俺が近づいていくとフェリス王女だけでないことに気づく。何だあいつら? 多分うちの国の貴族の子息何だろうけど。すると


「プップ。心が広いからな。お前なら私の良いペットになれる。それで許してやろう」


 ……何言っているんだあいつら。同盟国の王女相手に。しかもなんでフェリス王女は抵抗しないんだ? あんなに頭とか掴まれて。腕のところ青アザになってるぞ。


 俺はフェリス王女たちに近づく。


「何をやっているんです。あなたたちは」


 そう声をかけると、全員がこっちを向く。


「なんだ貴様は。お前には関係ない。さっさとどっかに行け」


「そうだぞ。ププンプ様がお許しになっているうちに何処かへ行け。邪魔だ」


 後ろの取り巻きたちがそう言ってくる。何だよププンプって。変な名前。


「あなたたちこそ何をしているかわかっているのですか?」


「……どういうことだップ?」


「あなたたちが掴んでいる方をどなたかご存知ですかと聞いているんです」


 俺はそう言いながら魔力で威圧する。それを受けた3人は


「ププッ!」


 と叫び出す。……なんか笑われたみたいで腹が立つ。


「お、お前こそこの方がどなたか知って行っているのか! このお方はプリン侯爵家のご子息様でププンプ様だぞ! そのお方に対してその態度は!」


「なら言いますが、あなたたちがいま掴んでいるお方はナノール王国と同盟国になる獣人国ワーベストの第1王女であられるフェリス・ワーベスト王女様だぞ。そのお方に対してその態度は何だ!」


 俺はさっき以上に魔力を高めながら言い放つ。子息たちは全員目が点になっている。


「な? え? な?」


 子息たちが手を離し離れた隙に俺はフェリス王女の側に寄り、そのまま手を握り引き寄せる。何でこんなに震えているんだ? 俺にした時みたいにぶっ飛ばせば良いのに。


「大丈夫ですか、フェリス王女?」


「……え、ええ。大丈夫よ」


 何処がだよ全く……顔面蒼白で何言っているんだよ。


「あなたはたしかプリン侯爵家のご子息とおっしゃいましたね。この事は陛下にお話しさせていただきます。どのような事になってもご覚悟ください」


 俺がそう言うと3人とも座り込んでしまった。もう、どうでも良いのでこのまま去ろう。


「行きましょう、フェリス王女」


「ええ」


 ……なんか調子狂うな。

長くなりそうなので分けます。

できれば昼ぐらいに上げたいけど無理だったら夜で!

よろしくお願いします!


修正

ご指摘がありましたので、絡まれた場所などを変更しました。


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