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後日談.最終話 未来への投資(3)

 俺がこの力に気が付いたのは、この世界に帰って来てからだ。ある日、アステルに呼び出されて使って下さい、なんて言われた時は、はぁ? ってなったが。


 何でも、アステルがシェイドのトドメを刺した時に、神としての力をクリーナが回収していたそうだ。


 そんな事が出来るのか尋ねて見たら、何でも神界でも神同士の争いはあるらしい。そういう時に、勝った方の褒美として相手の力を幾分か取る事が出来るらしい。


 今回は、シェイドを倒し切ったため全ての力をクリーナが手に入れたという。ただ、クリーナは必要が無いという事で、お礼に自分の力と一緒に俺に渡していたそうだ。お礼は世界を繋ぐ水晶だけでは無かったらしい。


 その事をアステルだけには伝えていたそうで、アステルには帰るまでは黙っていてもらったとか。そして、以前から話し合っていた今日の事に間に合うように、アステルが色々と教えてくれたのだ。それが今の俺が使っている新しい力だ。


 俺の鎖によって雁字搦めにされたバロンの残滓。鎖から逃げ出そうと暴れ回っているが、全く引きちぎれる様子は見られない。


「お前には悪いが、お前の放つ瘴気は色々と使わせてもらう。これからの世界のために」


 俺が更に鎖を発動して、バロンの残滓をぐるぐる巻きに捕らえる。そこに合わせるようにアステルが障壁の中へと入って来て、アステルの手には水晶が乗せられている。


 アステルの手の水晶が輝くと、そこから黒髪の美女が現れる。別の世界の神クリーナだ。シェイドを倒してくれたお礼にと、ザガンの封印と俺たちの試みを手伝ってくれると言うので、ありがたくお願いしたのだ。


「それじゃあ、手筈通りに頼む、アステル、クリーナ」


「わかりました」


「わかったわ」


 そして、俺、アステル、クリーナがそれそれ神力を解放。バロンの残滓を三角形で囲むように立つ。俺の神力とアステルの神力にクリーナの神力が、バロンの残滓へと向かって行く。


 そしてバロンの残滓の全てを包むように天高く登って行く。ここからが本番だ。俺が思いついたようにするには。


 俺が考えたのは、バロンの瘴気を利用して、前世のラノベにあったような迷宮が作れないかというものだ。


 この世界には魔物の住処の洞窟や、下級竜の住処に集められた金銀財宝などがあったりするが、ラノベのように魔物が勝手に生まれて、何故か宝箱が出現する迷宮というのは存在しなかった。


 バロンの力をただ消し去るぐらいなら、これからの未来の為に使えないかと考えたのだ。そこで考え付いたのが、迷宮というわけだ。


 魔物を倒せば魔石と素材が手に入り、それらを使って自分の武具を強化して行く。更に迷宮で取れるアイテムを使えば、更に武具を強化出来るといったゲームのような迷宮を。当然ボス級を倒せば宝箱も出現する仕様にして。


 ただ、ゲームと違うのは、当たり前ではあるが、死んでもリトライが出来ない事だ。この迷宮を挑むにはそれ相応の覚悟が必要になる。まあ、冒険者になる奴は、みんなわかっているとは思うが。


 これが俺の考えたバロンの力を活用する方法だ。そしてその場所を、神竜が今までいた、そして現在俺たちがいる島で作ろうと思っている。これには神竜の許可も得ている。


 神竜の目の前であれば、万が一何かあっても対処出来るだろうし、神竜から漏れる神力は俺の力で抑える事が出来る。この前は俺とアステルの合作のネックレスを付けたら、今のアステルと変わらないぐらいまでなって、外にも出れたからな。


 彼女にこの島の管理者になって貰えば、これからも安泰だろう。当然俺たちも手伝う。各国とも色々と決める事はあるが、神が作った物と言えば、誰も何も言えない。まあ、間違っては無いしな。


「レイさん!」


「ああ! 神域魔法、神創!」


 迷宮作りもラストスパートに入って来た。アステルが幾重にもバロンの残滓を封印して、クリーナが迷宮のシステムを構築。そして、俺がそれらの全てとなる器を創り出す。


 神の力を漏らさせないように、強力なものを。天高く伸びる神力が少しずつ姿形を作って行く。そして出来たのは、雲すらも突き抜けるほどの高さを誇る塔だ。


 中は入り組んだ道になっているはず。これは確認してみないとわからない。そして最上階の更に上の部屋にアステルが創り出したバロンの封印がある。そこからバロンの瘴気が、各階層に流れて行くようになっている。


 当然、上の方が濃くなっている為、強い魔物、強い武器、豪華な財宝が出るようになっている。


「終わったのね」


 俺が天高くそびえる塔を見ていると、アレクシアが俺の隣に来て俺の左手を抱き締めるように寄ってくる。


 バロンの封印をしっかりとしたおかげが、4本の柱は消えて、噴き出していた瘴気も消えてしまった。その為、魔兵たちも姿を消して、残っていた奴らは倒されたようだ。


 他の嫁たちも俺の周りに集まる。この塔がどれぐらい持つかは俺にもわからない。数百年、もしかしたら数千年は持つかもしれない。


 今はみんなが力を合わせているが、未来はこの塔を巡って争いが起きるかもしれない。作った元凶である俺は、それを最後まで見届ける義務がある。新しい神として。


 まあ、それまではまだまだ時間がある。そんな先の事を今から悩んでも仕方がない。俺は俺の大切な家族と共に過ごして行くだけだ。


「みんな、帰るか」


 俺は微笑んでくれる妻たちと一緒に、大切な家族たちが待つ家へと帰るのだった。


 ◇◇◇


「ねえ、おじいちゃん、この人たちはだれ?」


「うん? これはね約500年前にこの神島を建てたと言われる、今もこの世界を守ってくださっている神様たちだよ。戦神レイヴェルト様とその奥方様たちだ」


「へぇ〜、このレイヴェルト様はとてもモテモテだったんだね!」


「ほっほっほ、そうじゃな、モテモテだったんだろう。この世界と他の世界を救い、この絵の中にもいらっしゃる女神アステル様から神としての力をもらったそうじゃ」


「うわぁ〜、凄いなぁ。僕もレイヴェルト様みたいにモテモテになれるかな?」


「それはレイの努力次第じゃろな」


これで「転生少年の成長記〜努力すれはするほど強くなれる!?〜」が完結となります!


いや〜、早いもので投稿開始から1年が経ち、本編を完結してからは3ヶ月ちょっとが経ちましたね。


本編が完結した時にも書かせていただいたのですが、この作品を書き始めたのは、ノリと勢いでした。それが後日談でも発揮されていますね(笑)


後日談もこれ程長くなる予定ではなかったのですが、書いていくうちに楽しくなってしまいました。


これも、沢山の方に読んでくださっているおかげです。有難うございました!


転生少年はこれで終わりにはなりますが、この世界は続きます。以前から報告させていただいた通り、クリシアが主人公として。


時代的には、この話が終わった頃のクリシアの年齢が5歳なので、それから11年後になりますね。


ハーレム好きな作者としては、初めて書く女主人公ですので、少しドキドキしています(笑)


この転生少年を知らない方でも読めるような作品に、転生少年を読んで方も面白く感じるような作品にしたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!


投稿は6月19日の朝7時からで

タイトルは

「英雄の妹、最強を目指す!」です!


これからも私の作品をよろしくお願いします!

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