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後日談.新婚旅行?編 懐かしい光景

「……」


「……」


「……なにこの雰囲気は?」


 俺の隣を歩く香奈がポツリと呟く。それは俺も聞きたいのだが。


 遊園地を作って、アレン、エレネたちと楽しんで、夜には妻たちとあんな事やこんな事をした翌日、俺たちは最後の大陸にあるレイブン王国へとやって来たのだが、何故かカレンディーナの様子が朝からおかしいのだ。


 朝から顔を赤くさせて、俺をチラチラと見てくるのだが、どうしたのか尋ねても、慌てて何でもないと言うし、それからは話さなくなってしまった。そのため、よくわからない沈黙が続いている。


 今も、チラッとカレンディーナの顔を窺うが、俺と少しでも視線が合うと、慌てて顔を逸らしてしまう。俺、何かしたかな?


「レイ君、カレンディーナさんに何かしたの? 昨日までは普通だったのに、今日になってからこんな変わるなんて」


「うーん、俺にも覚えが無いんだよな。覚えていたら謝りようがあるんだが……」


 何をしたかは知りませんが、ごめんなさい、と言うのも何だか変な感じがするしな。そんな事を考えていると、香奈が気を利かせてくれたのか、カレンディーナにどうしたのか尋ねてくれた。


 カレンディーナは、俺には聞かせたくないのか、香奈と一緒に少し離れる。そこで、俺の方をチラチラと見ながらカレンディーナは、香奈に色々と話しているようだ。


 香奈も、カレンディーナの話を聞いていくうちに、香奈の表情が苦笑いになっていく。やっぱり俺、何かやらかしていたか?


 そして、話を終えたのか、戻ってくる香奈とカレンディーナ。カレンディーナは香奈の後ろに隠れるようにだが。


「それで、どうだった夏奈?」


「うん、大丈夫だよ。レイ君が特に何かをしたってわけじゃないから」


「そうか。それなら良かった」


 カレンディーナも、香奈の後ろで申し訳なさそうに頭を下げてくる。まだ、俺と面と向かって話す事は出来なさそうだが、香奈と話をしたからか、視線を逸らす事は無くなった。まあ、おいおい前みたいに戻るだろう。


 それから、俺たちは再びレイブン王国の王都の中を歩く。レイブン王国は、他の大陸とは違って、唯一竜が住む大陸だ。


 レイブン王国の騎士たちは、入隊した時から子供の竜を育てて、竜騎士として働く者たちがいると聞いた。


 竜騎士は広範囲飛ぶ事が出来、コクシ相手でも負けないほど強力らしい。そのため、他の大陸より人口が多く、兵士の数も帝国に引けを取らない。


 ただ、クリーナが王都を教えてくれた事は、王都に目的の人物がいると考えていいだろう。もし、他のところとかだったら、探し出せないぞ。


「まあ、カレンディーナがいるから大丈夫か。頼りにしているぞ」


「ひゃあっ!? ひゃ、ひゃい!」


 ……まだ、話しかけるのは駄目そうだ。何でこうなったか聞いても、カレンディーナは教えてくれないし、香奈も苦笑いをするだけだ。


 それから、王都を歩いていると、子供たちだけでやっているお店があった。少し形の悪い野菜や編み物などが置かれている。


 何だかあれを見ると、プリシアたちを思い出す。あの時は、メイちゃんたちが一生懸命に売っていたから思わず買ってしまったんだよな。懐かしい思い出だ。


「どうしたの、レイ君? そんなじっと屋台を見て?」


「ん? いや、あの屋台を見ていると、プリシアたちに出会った時を思い出してな。あの時もあんな風に男たちが、女の子に絡んで……って」

 

 こういうのって、どこでも一緒なのかよ? 俺がジッと屋台の方を見ていたら、3人組の男たちが屋台を蹴り始めた。


 1番最年長……と言っても、15歳程の女の子が止めようとするが、突き飛ばされる。あー、何だかデジャブだな。


 このまま見ているのもあれなので、止めに入ろうとした時


「止めないか、お前たち!」


 と、金髪の男が、女の子を庇うように立つ。おおっ、勇気のある男じゃないか。物凄くイケメンなのが腹立つが。


「あん? なんだてめえは? 関係ねえのにしゃしゃり出てくるんじゃねえよ」


「関係あろうがなかろうが、女の子に手を出すような奴は俺が許さん! くらえ! ジャスティスパンチ!」


 金髪の男は「うぉぉぉぉおおお!」と叫びながら男へと殴りかかる。それを迎え撃つ男は


「……ふん!」


「ぐべぇおぼっ!」


 腕を軽く振った。男の拳が金髪の男の顔へと一寸の狂いも無く、吸い込まれるようにめり込んで、金髪の男は吹き飛んでいった。


 助けに入ってくれた金髪の男に期待を寄せていた子供たちは、口を開けたまま固まってしまった。倒れこむ女の子もだ。


「なんなんだ、こいつは。軽く腕を振っただけで、顔面に当たって、しかも気を失ってやがる」


 確かに男はピクリとも動かない。マジで気を失っているぞ。その内に男どもは女の子の手を掴んで何処かに連れて行こうとする。


 周りの子供たちが、男たちに掴み掛かり行かせないようにするが、男たちは全く意に介さず、掴む子供たちを振り払う。


 チラチラと俺を見てくる香奈とカレンディーナ。2人の視線は「早く行かないの?」と伝えてくる。俺は2人の視線を感じながら男たちへと近づく。


「……なんだよ。あの倒れている奴の仲間か?」


「いや、俺は全くの無関係だが、女の子を無理矢理連れて行くのは見ていられなくてな」


 俺が男たちにそう言うと、男たちの額に青筋が走る。さっきの男の時に限界だったところに、俺が来たから、限界を超えてしまったか?


「どいつもこいつもうぜえんだよ!」


 女の子を担いでいた男が、反対の手で殴りかかってくる。俺は俺この手を掴んで、力の流れに沿って男の腕を捻る。その時に足払いも一緒に。


 男は突然体が宙に浮いた事に驚き、女の子を離してしまう。俺は男を地面に叩きつけてから、女の子を抱える。お姫様抱っこで。


 女の子は、目を丸くして辺りを見ている。怪我はなさそうだ。その間に、俺を囲むように立つ3人。叩きつけた男も、背をさすりながらも俺を睨んでくる。


「てめえ、調子に乗ったんじゃねえぞ!」


 3人がそれぞれ殴りかかってくるのを、全て蹴りで弾く。手は塞がっているからな。首を刈り取るように回し蹴りを放つと、男たちは反応出来ずに吹き飛ぶ。周りに仲間はいないようだな。


 さてと、まずは気を失ってしまった金髪の男を治療するか。

活動報告にも書いたのですが、「転生少年」の後日談は6月19日を目標に完結したいと思います。そしてその日に続編を投稿出来たらなと。


なぜ6月19日なのかは「転生少年」を見ていただけたらわかると思います。


後、続編の主人公はぶっちゃけちゃうと、クリシアになります。(クリシア・ランウォーカー。レイとフィーリアの両親共に血の繋がった妹)

物語は、クリシアが学園を卒業したところから話は始まります。


簡単なあらすじとしては


いくら頑張ってもどうしても兄であるレイと比べられてしまうクリシアが、英雄の妹としてでは無く、1人の人間として認めてもらうために迷宮に挑む


という話です。


「転生少年」を読んでいなくても、読める様には書いていきたいと思っていますが、「ここでお前出てくるのか!」と「転生少年」を読んで下さっている人も楽しめる様にしていきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします!

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