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後日談.新婚旅行?編 3つ目の大陸へ

「……本当に私でよろしいのでしょうか?」


 俺の隣を恐縮そうに歩くカレンディーナ。ジャパウォーネでの騒動から1が経ち、俺とカレンディーナは、現在別の大陸であるアルフレイド帝国にやって来ている。


 クリーナの話では、ここには傭兵団の団長が1番クリーナを信仰しているらしいが。


 カレンディーナに来てもらったのは、その団長を探すためだ。クリーナの加護を持った者には、各大陸にいる1番信仰を持った者が近くにいれば、気付けるようだし。


 この前はアルベリーが来てくれたが、あんな別れ方をした後に頼めるはずもなく、カレンディーナにお願いした訳だ。


 他のみんなはもうコクシの出現がないだろう、ペロソネス王国に残ってもらっている。食料など大量にアイテムリングに入っていた物を置いて来たので、大丈夫だろう。腐らないけど、腐る程アイテムリングの中には食料があったし。


 そして、俺たちがやって来たアルフレイド帝国だが


「これは他の大陸よりも凄いな」


「うっ……た、確かに私の国よりも発展していて凄いですね」


 この大陸もコクシが出現しているはずだが、ジャパウォーネ、ペロソネスの大陸に比べたら、かなり豊かな大陸だろう。


 まず目を見張るのが、他の大陸よりも多い人の数だ。数はそれだけで力となる。元が違うのだろうが、かなりの人がいる。


 それから、この国は領地があるようで、外壁の外へと行き来する商団がいくつかある。屈強な兵士たちも付いているからだろう。そのおかげで俺たちも普通に帝都に入る事が出来たが。


 帝都の中も他の大陸に比べたら、活気に溢れている。兵士の規模も他の国の10倍以上はあるだろう。それだけで国力の差が伺える。


 俺とカレンディーナは帝都の中を歩いていると、突然辺りが騒がしくなる。2人で顔を見合わせていると、どうやらコクシの討伐に出ていた帝国兵が帰って来たようだ。


 帝国兵の姿を見てみると、ボロボロなのだが、他の国比べて一段も二段も上の装備を付けている。この辺の装備も違うようだ。


 3人の男が先頭にして、後ろには兵士たちがついて行く。1番先頭の黒髪の男は、顔に斜めに入る大きな切り傷があり、子供が見れば泣き叫ぶような顔をしている。


 その斜め右後ろの男は茶髪でチャラそうな男だ。周りにいる女の子たちに手を振りきゃあきゃあと言われている。


 反対側の男は、他の2人に比べたらぽっちゃりとしている。だが、ただ太っているのではなく、力士のように脂肪の下には、筋肉を身に纏っている。


 彼らがこの国の兵士か。だけど、俺が探しに来たのは傭兵団であって、帝国兵ではない。さて探しに行こうかと思った時に、帝国兵たちの後ろから歓声が上がる。


 先ほど通った3人以上だ。俺もカレンディーナも何事かと思い後ろの方を見ると、後ろから帝国兵たちとはまた違った姿をしている兵士たちがやって来る。


 まあ、簡単に言えば、兵士たち全員が女性だったのだ。彼女たちが通ると、周りからはより歓声が上がる。


 彼女たちの先頭を進むのは、視線だけで人を殺せそうなほどきつい目つきをしながら、真っ直ぐ前を見る茶髪の女性。はち切れんばかりの胸を無理矢理鎧で押さえつけている。


 俺は隣のカレンディーナを見ると、カレンディーナも頷く。では、彼女が傭兵団の団長か。しかし、これほど女性が集まるとは。彼女たちもかなりの実力者なのだろう。


 帝国兵たちの後をついて行くように、彼女たちも城へと向かう。その後について行くように、国民たちも流れて行く。


「どうします、レイヴェルト様。私たちも行きますか?」


「いや、それよりも。情報を集めよう。彼女たちと話するためにも」


 それから、俺たちは兵士たちの帰還のお陰で、大繁盛している酒場にやって来た。因みにお金については、この世界では珍しい魔物の素材を売って作った。一応は動物って事にはしているが。


 そこで、呑んだくれている客たちに色々と話を聞く。あまりに知らなすぎるのも怪しまれるので、適度に会話ができる程度には、周りから情報を集める。


 そこでわかったのが、やはり先ほどの先頭を進んでいた茶髪の女性が、傭兵団の団長のようだ。


 名前はミレス・レイディアーノ。元貴族らしいが、家族はコクシに殺されて、ただの平民に身を落としたらしい。その後は、孤児たちを集めて今の傭兵団を作り上げたそうだ。


 コクシにただならぬ恨みを持っているとか。それも突然か。何人もの男性が、彼女たちと縁を結ぼうと近寄ったらしいが、帰って来た者はいないらしい。男として。


「彼女たちは、今日は祝勝会に参加するらしく、外にある壁際にある野営地には明日戻るそうだ。明日訪ねに行くか」


「でも、大丈夫でしょうか? 彼女たちは男を毛嫌いしているようですし」


「まあ、話を聞く限りはそれも当然だろう。中には男たちに酷い事をされて来た女性を助けたりもしているようだし。だけど、話さない事にはどうしようも出来ないからな」


 俺の言葉に頷くカレンディーナ。いざとなれば逃げれば良いだけの話だ。取り敢えず目的の人物を見つける事が出来た。今日は一旦帰って、明日また来るか。


 そろそろアレンやエレネも退屈して来たからだろうから、ゴーレムでも見せてあげようかな。


 あっ、でもアレンたちも魔法に目覚めたようだし、昨日もフィーリアやマーリンに魔法をせがんでいたから教えてもらっているかも。


 新しい魔法を覚えたエレネは、俺に見せてようと走って来るのが可愛いんだよな。良し、今から戻ろう。すぐに戻ろう!

驚いた事に第5回ネット小説大賞の二次が通っていましたね。仕事の合間にチラッと見たら、まさか残っていたので驚いてしまいました。

これも読んでくださる皆様のおかげです。

もう直ぐ後日談も終わりですが、続編を書いていますので、今後ともよろしくお願いします。

「黒髪の王」「復讐の魔王」もよろしくです!

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