30.誕生会(開始前)
連載始めて1ヶ月が経ちました!
これからも頑張ります!
更新後
すみません!訂正しました!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜???side〜〜〜〜〜〜〜〜〜
練習場での模擬戦が終えた夜
「ちっ! ヘンドリクスのやつめ! 失敗しよって!」
「仕方ありませぬ。まさかあれ程の能力を持っていたとは」
「それでも奴は、やり切ると言いよったではないか!」
「終わったことは仕方ありますまい。それよりも今後どうするかお決めにならないと。グルタス王弟陛下」
「その言い方をよせと何度言ったらわかるんだ! 儂はこの国の未来の王なんだぞ!」
ふん。お飾りが偉そうに。
「わかりました。グルタス陛下。それよりも今後の話ですが、ここしばらくは大人しくしておいたほうがよろしいでしょう。レイモンド陛下にも感づかれます」
「ちっ! 仕方あるまい。しかし、本当にあの領地をやれば私を王にしてくれると帝国は言っているのか?」
「勿論ですとも。魔剣の実験も終え、すべて順調に進んでいるところです。あと数年になりますが量産すれば最強の軍隊があなたの手足となります」
「そうか、そうか! 儂がすぐに王になれぬのは問題だが、あと数年我慢すれば……ハッハッハ! おい! 誰かおらぬか! すぐに女を連れてまいれ! おい。お前はもういいぞ。早くその魔剣を持ってくるようにするんだな」
ちっ! 気持ちの悪い顔で笑ってんじゃねえよ。この豚が。
「わかりました。失礼いたします」
そう言い俺は部屋を出た。しかしあのガキは本当に厄介だ。大行進の後、奴が王都に向かう情報を手に入れて、以前より打診していた王弟の豚に排除するように仕向けたが、まさかあんな大々的にするとは思わなかった。あの豚頭おかしんじゃないのか……
まあいい。奴が危険なのはこれで確定した。魔剣の能力も、運良く奴で測ることができたしな。この魔剣を改良すれば奴にも匹敵する兵士を作ることが出来るだろう。早くあの領地を手に入れあのお方に献上せねば。
そう思いながら俺は転移魔法で移動した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜レイside〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺が練習場で模擬戦を行ってからすでに3日経った。その間何をしていたかというと、今後についての説明と、どうするかを家族と話し合っていた。ジークにはすでに説明した事をそのままエリス、フィーリア、クロエにクロナ、そしてエリザ夫人にも説明した。夫人には王都にいる間はお世話になることもあるからな。
すると予想通りフィーリアとクロナには泣かれてしまった。これからフィーリアたちが王都に来ない限りは、フィーリアたちが入学するまで会えなくなるもんな。だから王都にいる間はめいいっぱい付き合う事を約束した。それでも渋々だったがどうにか折れてくれた。
今後については、学園の学生寮を借りることにした。王都の屋敷から通ってもいいが、あんな事があった後では屋敷にはいづらい。エリザ夫人はこちらが悪いから気にしなくていいと言ってくれるが、どうしても気にしてしまうので寮に入ることに決めた。学生寮なら学園にいるアレクシアにも会えるし。
勉強についてはヘレンさんが教えてくれることになった。放課後に教えてもらうのはなんだか申し訳ないと言ったのだがヘレンさんが
「わ、私が教えたいんです! だ、ダメですか?」
と聞いてくるので、即答で了解してしまった。……あの言い方は反則だ。
そして修行については朝はアレクシアと一緒に学園長のもとで修行を行い、授業が始まってからは俺と学園長との模擬戦か、魔法師団長のマーリンさんが魔法を教えてくれることになった。
マーリンさんも称号に『天才魔法師』を持っているらしく火、水、土、風、光、空間の魔法が使えるらしい。空間は初めて聞いたから是非とも習得したい! そして空いている時間はギルドの依頼を受けることになった。ギルドについてはおいおい話すとしよう。
そんなこんなで今後の事を決めていたらあっという間に3日経ってしまった。今日はもともと予定していた第2王女のマリーナ王女の誕生会だ。
俺も朝から準備をしているとそこに
「お兄様! どうですか! 似合っていますか?」
とフィーリアがやって来た。後ろには
「あっ、フィーリア様。走ってはダメですよ〜」
とクロナが付いてくる。クロナも大変だな。クロナは俺の専属になる予定だったが俺が王都に残ることになった為フィーリアの専属になるらしい。そしてフィーリアが学園に入学してから、また俺の専属に戻るとのこと。まあ、俺も最低でもフィーリアの卒業まで残るだろうし。
……クロエからは、妾でも良いのでお願いします! と言われている。クロナは将来綺麗になるだろうから今焦って決めなくても良いと思うが。王都に来たら誰か良い人が見つかるだろうし。
……ん? クロナが知らない男と歩いているのを想像したらムカッときたぞ? なんだこれ?
「お兄様、どうしたのですか?」
「どうしたのですか?」
おっと考えすぎて褒めるのを忘れていた。2人とも首を傾げている。将来の事だし今決めなくても良いか。
「いや何でもないよ。それよりもフィーリア! とても似合っているじゃないか! フィーリアの目と同じ翡翠色のドレスでまるで妖精のようだ!」
そう褒めてあげると
「わーい! お兄様に褒められました! クロナ!」
「はい! 良かったですね! フィーリア様!」
と2人でキャッキャッと喜んでくれる。やっぱり笑顔が一番だ。そんなことを考えていると
「レイ。準備は出来、っとフィーリアたちも此処にいたのか」
ジークもやって来た。
「お父様! 今お兄様にドレスが似合っているって褒められました!」
「おお! そうか! フィーリアは天使みたいに可愛いからな! 何を着ても似合うぞ!」
と褒めるジーク。親バカ炸裂だな。
「父上。どうされたのですか?」
「ああ、今王宮から使者が参られてな。誕生会の前に陛下がお会いしたいとのことだ。多分アレクシア王女との事だろう。あれだけ大勢の前であんなことをすれば当然だな」
クツクツと笑うジーク。確かにあの大勢の前でキスをされたら説明しないわけにはいかないだろう。
「わかりました。今すぐですか?」
「ああ、行けるなら行こう。フィーリア。悪いがお前たちはエリスたちと来てくれ」
「ええ〜〜! またお兄様とバラバラです!」
そう言い脹れるフィーリア。クロナも同じ顔。
「ほら可愛い顔がこぶたさんになってるぞ」
前みたいにフィーリアの頬を突いてあげる。
「お兄様に構ってもらえるならこぶたさんでも良いです!」
「そう言うなって。戻ってきたらたくさん構ってあげるから」
「本当ですか! 絶対ですよ!」
「絶対です!」
お、おう。何という気迫。
「ああ、勿論さ」
そして俺とジークは屋敷を出て王宮へ向かった。
馬車に揺られること10数分。ようやく王宮へ着いて門をくぐる。そこで
「辺境伯。身分証の提示をお願いします」
と兵士に止められる。今日の誕生会は沢山の貴族や子息が来るから警備の兵たちもピリピリしているな。何でも獣人国ワーベストからの使者も来るらしい。
「ああ、これだ」
「……確認ができました。お通り下さい」
確認が終わり中に入る。馬車を停めて降りるとそこには
「待ちなさいよ、フェリス。レイは良い子よ?」
「そんなの知りません! アレクシアお姉様が年下好きなのは知っていましたが、まさか私より年下なんて!」
アレクシアと獣人の女の子が何か言い合っていた。何かあったのか?
「フェリスもレイに会えば気にいるって。一回部屋に……あっ! レイ! ちょうど良かった!」
と、アレクシアが手を振ってくる。そしてこちらに気づいた獣人の女の子がこちらへやってくる。な、なんだ一体?
「あなたがアレクシアお姉様を誑かした男ね! 私は絶対に認めないんだから!」
そう言い手を振りかざして、そして
バチン!
と平手打ちをされた。
……一体なぜ?
よろしくお願いします!




