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後日談.新婚旅行?編 転移した先は……

今日は間に合ったのでこの時間で

「……お願いします、神様。どうかこの世界を救ってください……」


 ◇◇◇


「それじゃあ、みんな用意は出来たか〜?」


「「「「「は〜い〜!」」」」」


 俺の声に反応するみんな。みんなはいつものドレスなどでは無く、動きやすい格好をしている。荷物などはそれぞれが持つアイテムポーチや俺のアイテムリングに入っているため、持っている荷物は殆どない。


 ここにいるメンバーは、俺、アレクシア、フェリス、キャロ、ヘレン、エアリス、クロナ、エクラ、プリシア、香奈、麻里、マーリン、フィーリア、アステル、ハク、ミルアにアレンとエレネ。それからロイとメイちゃんとミクルーアちゃんの新婚夫婦だ。


 俺たちがいつもと違う格好をして、どこへ行くかというと、それは新婚旅行だ。この国には新婚旅行という概念は、昔の召喚された勇者たちが広めたらしく、普通にある。


 そのため、俺たちもどこかへ行こうかと結構前から考えていたのだが、どこも観光としては良いのだが、どうしても人目を気にしないといけない。まあ、俺たちはかなり有名人だからな。


 それに危険が無いとも限らない。俺もみんなもそう負けないが、それでも暗殺とかの危険がある場所でゆっくりと楽しむ事が出来ない。護衛のために何百と兵士を連れて歩くわけにもいかないし。


 そこで、俺が考えたのが、それなら誰もいないところに行けば良いじゃ無いか、というものだ。だから俺は大陸の外の島を探した。そこなら人はいないから暗殺される心配は無い。


 ただ、別の心配として、無人島という事で魔物が蔓延っている事だ。まあ、当然その問題も解決済で、俺たちが活動する範囲を結界で覆う。俺とアステル特製の魔道具で。


 そのほかには、俺が土魔法で別荘を作ったりして、人がある程度住めるようにはした。そこに新婚旅行に行こうと思う。結婚式から1週間が経って、国も落ち着いたからな、少しぐらい抜けても大丈夫だろう。


「それじゃあ、転移するからな。行くぞ!」


 俺は転移魔法を発動する。このまま、目的のところへ転移しようとした瞬間、バチッと何かが俺の魔法に割り込んで来た。


「これは!?」


 俺の他にこの事に気が付いたのはアステルだけだ。神格化を使えば、この割り込みを弾く事が出来たのだが、この割り込んだ力の元から物凄く悲壮な思いが伝わって来た。そのせいで、反応が一瞬遅れてしまい、そのまま転移されてしまった。


 ◇◇◇


 一瞬にして視界が変わった。先ほどまで王宮の庭にいたのだが、今はどこかの部屋のようだ。みんなの無事を確認すると、みんないるようだ。みんなもキョロキョロとしている。俺が話しかけようとした時


「あああ、あなた、たちは?」


 俺たちの出現に狼狽する女性。年は俺と変わらない17歳ほどだろう。透き通るような水色をした髪を腰まで伸ばした綺麗な女性が立っていた。


「ええっと、言葉はわかるか?」


「は、はい、わ、わかりますが、あ、あなたたちは誰ですか!? ここは女神クリーナ様を祀る祠です! ここに突然あられるなんて……」


 ……どうやらこの女性が俺の魔法に干渉して来たようだが、無意識の内にやったのか? それとも……


「多分、クリーナが手伝ったのでしょう」


 俺が考えていると、アステルがそんな事を言ってくる。アステルはどうやらクリーナという女神を知っているようだ。


「レイ、ここは一体?」


 みんながキョロキョロとする中で、アレクシアが俺に尋ねてくる。そうだ、みんなにも説明しなければ。


「どうやら、異世界に飛ばされたようだ。ここの女神に魔法を干渉されたみたいでな。アレクシア、悪いがみんなに話してくれないか? 俺は彼女から話を聞いてみる」


「わかったわ」


 俺の言葉に頷いてくれるアレクシア。そのままみんなの元に行く姿を見て、俺は女性へと近づく。


「突然現れて申し訳ない。俺の名前はレイヴェルト・ランウォーカー。どうやらこの世界の神様にここに連れて来られたようだ」


「……えっ? クリーナ様に? そ、それじゃあ、私の願いを……う、うぅっ……」


 俺の話に突然涙を流す女性。一体何かあるのだろうかと思った瞬間、ズドォン! と大きな音がする。何かが爆発したような音だ。その音を聞いた女性は、俯かせていた顔を上げて、飛び出すように部屋を出て行ってしまった。


 どつしようか迷ったが、俺たちがここに呼ばれた理由を調べなければならないから、彼女について行こう。


 みんなをここに置いて行くのは少し不安だったが、女性のさっきの感じからして、ここにはあまり人が来ないようだから、大丈夫だろう。それにみんな俺がずっと側にいなければならないほど弱くはない。


「みんな少しここにいてくれ。俺は外の様子を見てくる」


 俺の言葉に頷いてくれるみんな。みんなは既に武器を装備して万が一に備えている。俺はそのまま部屋を出ると、ずっと真っ直ぐな廊下が続く。周りに窓がないので地下なのだろうか?


 そのまま真っ直ぐ進むと、今度は上に登る階段だ。やはり地下の様だ。階段を上って行くと、そこは無人の教会で、外からは叫び声が聞こえる。教会を出ると、そこはまるで地獄絵図の様だった。


 逃げ惑う人々、攻撃するが効かずに逆に殺されてしまう兵士。そして、人を殺す異形の生物。形はそれぞれ違う。サソリの様な奴もいれば、犬の様な奴もいる。


 姿形はバラバラだが、それぞれ同じ特徴を持っている。それは全身が真っ黒な事と、顔が全員人面な事だ。しかも全てが気味の悪い笑みを浮かべている。これは一体……


「はぁぁぁっ!」


 その光景を見ていたら、一筋の閃光がサソリ型の生物の頭を穿つ。頭を潰されたサソリ型の生物はそのまま地に伏せる。


「住民は早く避難してください! 早く第2の壁の向こうへ!」


 そこに立っていたのは、先ほど飛び出していった青髪の女性だった。手には髪と同じ水色の細剣を握り、異形の生物へと向かって行く。


 青髪の女性が逃げ惑う住民を逃しながら戦うので、あっという間に追い込まれてしまう。結構な数いるな。


「きゃっ!」


 そこに、1人の少女がこけてしまった。当然異形の生物はその少女を狙い集まってくる。青髪の女性は、倒れている少女を見ると、先ほどまで戦っていた敵から目を離し、少女を助けようと走り出す。


 だけど、このままだと2人とも殺されてしまうな。事情は全くわからないけど、2人を見殺しにするわけにはいかない。


 青髪の女性は少女を庇うように多い被る。そこに殺到する異形の生物。俺はアイテムリングからガラドルクを取り出し、一気に駆け出す。


 青髪の女性たちに鋭い鎌を振り下ろそうとするカマキリのような生物に向かって、ガラドルクを突き出す。カマキリ型の体を穿ち吹き飛ばす。


「ふぅ、俺の目の前で殺させねえよ」


 遠慮無くやらせてもらうぞ。

普通に新婚旅行するのもあれだったので(笑)

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