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後日談.結婚式編 最後の結婚式

 麻里のとても嬉しい報告から1時間、俺たちは王都にある神殿へとやって来た。やるのは当然結婚式だ。俺たちは特製の馬車に乗り、王宮から神殿まで走らせる。


 馬車が走る道の両側には、俺たちを一目見ようと住民が集まっている。それを危険がないように兵士たちが警備している。参加者たち、各国の王や両親、兄たちや師匠たちは既に神殿に集まっている。


 神殿に着いた俺たちは、俺から順に降りていく。俺の姿が見えた瞬間、住民たちが歓声を上げる……なんだか前世のハリウッドスターみたいだ。少し優越感がある。


 そこから順番に、アレクシア、フェリス、キャロ、ヘレン、エアリス、プリシア、クロナ、エクラ、香奈、麻里、マーリン、フィーリア、アステル、ハク、ミルアが降りてくる。


 先ほどまで歓声を上げていた住民は、ウェディングドレス姿のアレクシアたちを見て、はぁ〜、と見惚れる。まあ、それも当然だな。俺の自慢の世界一綺麗な妻たちだからな。


 右手にアレクシア、左手にエアリスを伴って俺たちは神殿へと進む。時折男たちの怨嗟の声が聞こえてくるが無視だ。綺麗な人を独り占めして、と言われても知らん。


 神殿の中へ入ると、中は当然ながら見知った顔ばかりだ。俺たちは真ん中の通路を進んでいく。そして、アステルの像の前まで行く。アステルの像の前では神父が立っており、ここで誓いを立てる。


「レイヴェルト・ランウォーカーよ。あなたは

 アレクシア・ナノール

 フェリス・ワーベスト

 キャロライン・アルカディア

 ヘレンディーネ・ラルクルス

 エアリス・ランウォーカー

 プリシア

 クロナ

 エクラ

 カナ・カツラギ

 マリ・ニカイドウ

 マーリン

 フィーリア・ランウォーカー

 アスナ

 ハク

 ミルア、ミルカへといついかなる時も愛すると誓うか?」


「誓います」


 この神父、一言も噛まずに全員の名前を言い終えたぞ。凄いな。ちなみにアスナはアステルの事だ。アステルの名前を出すわけにはいかないからな。


 その後は、1人ずつ俺に対する誓いを宣言し、そして、1人ずつ誓いの口づけをしていく。全員と終えると、これで式は終了になる。


 この後は、前世でもあったブーケトスだ。今回は全員で14人分ある。神殿の前では未婚の女性でせめぎ合っていた。ガチ過ぎて少し怖い。


 後で聞いた話だが、このブーケを取れた人は直ぐに良い人と出会えるという噂が流れていたらしい。そのため、未婚のままの女性は必死だったのだ。


 この光景を見た各国の王たちは、国挙げてのお見合いでもしようかと決めたらしい。まあ、俺もそれは思ってしまう。必死な女性たちに、それを離れたところで見ている男性たち。あまりにも温度差があったのだから。


『せーのぉっ!』


 14人の俺の妻が一斉にブーケを投げると、女性たちはそれを手に入れようと全力で取りにかかる。隣の女性の上に乗ったり、髪を引っ張ったり、服を引っ張ったりととんでも無い事になっている。その姿はまるで地獄絵図のようだ。


 そして次々とブーケが取られていく。ブーケを手に入れた女性は、女性の出す声とは思えないほどの声で喜ぶ。ブーケは次々と取られていき、最後の1つが残った。


 取れなかった女性たちは最後の1つを目指して手を伸ばすが、掴み損ねて弾いてしまう。そしてフラフラと飛んで行った先には


「わぁっ!」


 自分のところに飛んで来て驚く女性……いや、女の子。目を丸くしながらもブーケを手に入れたのは、我が愛娘、エレネだった。


 さっきかすかに魔力を感じたから、多分風精霊の仕業だな。エレネはそこまで器用な事は出来ないから。


 女性たちも流石に幼女からは取れないのか、諦めてしまった。周りを見てオロオロとするエレネをエアリスは優しく抱き上げる。


「ママ、これ」


「それは、エレネが取ったものよ。だから、気にする事は無いわ」


 エアリスが優しく頭を撫でながらそう言うと、エレネもコクリと頷く。そして、ブーケの綺麗な花を見てにへら、と笑う。


 その姿を見た男性たちの特殊性癖の持ち主たちは息を荒くして、ブーケを手に入れようと躍起になっていた女性たちは、早く子供が欲しいと、より男性を求めて街へと駆り出した。息を荒くしている奴らは絶対にエレネには近づかせない。


 それから、参加者たちを王宮に連れて、パーティーとなる。パーティーと言っても、楽しく飲んで騒ぐだけだ。いつもと変わらない。


 俺は各国の王たちに囲まれてかなり飲まされたが、体質のせいであまり酔えない。飲み比べしても勝ってしまった。そのせいで俺の周りには、王たちの死屍累々の姿がある。


 王妃たちや女性陣はそれぞれに分かれて楽しくしているようだ。時折チラチラと俺を見てくるのはなんだ?


 パーティーが終わったら、各国の王たちは帰ってしまった。泊まる用意も出来ていたのだが、初夜ぐらいは、とか言い出して帰ってしまった。まあ、転移魔法陣があるから直ぐに帰れるから良いのだが。それに初夜って。


 全てが終わったら、家族タイムだ。俺はアレンとエレネと一緒にお風呂に入る。妻たちは疲れて眠ってしまった。まあ、この1ヶ月は結婚式に向けて色々としていたからな。仕方ない。数日ぐらい休みにしても良いだろう。


「アレン、いっくよ〜」


「あうっ! や、やめてよ〜」


 風呂場に来た瞬間、エレネが風でお湯を包んで水玉にしてアレンに向かってぶつけ始めた。ここ数日で本当に器用になったよな。


「ほら、エレネ。風呂場では危ないから魔法は使うな。体洗ってあげるから2人とも来るんだ」


「「は〜い〜」」


 俺が言うと、2人は直ぐに来てくれる。それから2人の体を洗って湯船に浸かる。2人はまだお風呂では座れないから、俺が抱き抱えてあげる。俺の腕の中でお湯を掛け合うエレネとアレン。


 エレネが物凄くヤンチャだな。昔エアリスに追いかけ回されたのを思い出すな。俺が昔を思い出していると


「パパ、どうしたの?」


 2人が俺を見上げていた。どうしようか迷ったが、別に話しても良いだろうと思い、昔の事を話す。


 2人はおしとやかなエアリスしか知らないから、ワクワクした風に俺の話を聞く。お風呂場で少し話して、子供部屋で続きを話す。


 2人は笑ったり驚いたりと、感情豊かに反応してくれるので俺も色々と話してしまった。気が付けば2人とも眠っていた。可愛い寝顔だ。


 ……俺もこのまま寝ようか。2人の邪魔にならないようにベッドの端に移動して、2人には布団をかけてあげる。


 俺も今日から正式な夫になり父親になるのか。色々と苦労や迷惑をかけるかもしれないが、よろしくな、アレン、エレネ。2人が俺たちの元に生まれて来て良かったと、思えるように頑張っていくから。


 俺は2人の頭を撫でながら、そのまま眠りにつくのだった。

後日談もそろそろ終わりですかね。

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