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25.魔剣

 俺は顔の位置を変えて頭にお胸様が来る様にずれる。前が見えないし呼吸ぐ出来なくなるからな。そのときアレクシア王女が


「あぁん!」


 とエロい声を出したのにはドキッとした。……俺どっか触った?


「何故相手をしてくださらないのです! あなたと勝負しないことには勝てないでは無いですか!」


 良かった。男たちには聞こえていない。でもどうしてアレクシア王女はこんなにも勝負を嫌がるのだろう? 何かあったのか?


「だってあなたたち弱い上に可愛いくないんだもん」


 そう言い僕を抱えるアレクシア王女。ああ、頭に柔らかいものが。しかし、勝負しない理由がそんな理由だったとは。確かに男たち全員筋肉ムキムキで可愛くは無いが。


「そんな理由で……ふざけないでください! アレクシア様!」


「ふざけてなんていないわよ。それにもう勝負する必要も無いし」


 ちょっ! それを言ってしまうと……


「それはどういうことで?」


「私の旦那様は決まったもん。ねぇー! レイ!」


 アレクシア王女がそう言うと男たちが俺を見る。男たちに見られてもちっとも嬉しく無い……


「おふざけが過ぎますぞ、アレクシア様。こんなガキに負けるなんて。いくら俺たちと勝負したく無いからといってそんな冗談を」


「冗談じゃ無いわ。本当に負けたんだから」


 やばい、男たちがかなりイライラしてきている。


「なら、俺とそのガキで勝負させてください。俺が勝てばアレクシア様は俺のものです!」


 ……何故そうなる。普通俺が勝てばアレクシア様勝負して下さい! とかじゃ無いのか? 


「良いわよ! その代わり負けたら2度と挑まないでね! レイ。申し訳ないんだけど相手してくれない?」


 そう言い頼んでくるアレクシア王女。確かにこの面倒な奴らを黙らすには勝負するしか無いか……


「……わかりました。受けましょう」


「ありがとう、レイ! 大好き!」


 ちょっ! 頭を抱え込まないで! 顔がう、埋まる!


「ちっ! アレクシア様! 早く移動しましょう! このガキ! 覚悟しておけよ」


 そして練習場へ移動する。アレクシア王女の前で本性丸出しじゃないか。良いのかな?


「不運でしたね、レイ君。何かそういう星の元で生まれてきたのでは無いですか?」


 と、クスクス笑うヘレンさん。俺は苦笑いしかできなかった。何て言ったってあの称号があるからな。もしかしたら! と思ってしまう。


「さあ行きましょう、レイ! 着替え手伝ってあげる! えへへ〜!」


「い、いや、大丈夫です! 1人でできますから!」


「そう言わずに! さあ!」


 そう言い抱きかかえられる。俺は暴れることもできずにそのまま連れて行かれた。ヘレンさんに助けを求めるが、首を横に振られるだけ。またあの体験をしなければいけないのか……嬉しいけども


 ……数分後更衣室から出てきたのはやはりツヤツヤになったアレクシア王女と疲れ果てた俺だった……


 練習場に向かうとアレクシア王女たちは観客の方へ。俺は中に入る。既に男たちが待っていた。中にはあのリーダーっぽい男が1人で立っている。


「遅かったですね、アレクシア様。別れの挨拶でもしていたのですか?」


 そう言い下卑た笑みを浮かべる男。何でそんな自信満々なんだろう? 子供だから侮られているのか?


「レイの着替えを手伝っていたら遅くなったのよ。レイがあなたなんかに負けるわけないじゃない」


 とこっちも、自信満々だ。あまり煽らないで欲しいが。


「上等だ! 行くぞ、ガキ! 発動!」


 ……なんだあの剣? 男が何か呪文を唱えた瞬間魔力が急激に膨らんだ。


「な、何であの男が魔剣を!」


 ヘレンさんがそう言う。なんだ魔剣って? そんなことを考えていると


「殺す殺す殺す殺すころすころすころすころすころすコロスコロスコロスコロスコロス、ブッコロス!」


 と突撃してきた。なっ! 何てスピードだ! 俺は身体強化で即座に避ける。


 すると男が避けた場所に魔剣を振り下ろすと


 ドガァーン!


 爆音を轟かせる。何でパワーだ。パワーだけならアレクシア王女以上だ。男は血走った目で俺を見てくる。

……既に正気ではない。よく見ると腕が魔剣に侵食されている。うわっ! 魔剣に目が!


 男と対峙していると、突然背後から気配が。


「なっ! くそっ!」


 俺は槍で防御するが吹き飛ばされる。何とか体制を整え、先ほどいた場所を見ると、そこにはさっきまで観客にいた筈の男たちが立っていた。……全員似たような魔剣を持っている。


「レイ! 私も行くわ!」


 この状況は不利だと思ったのかアレクシア王女が叫ぶ。


「ダメです! そこにいてください!」


 だけど危険過ぎるので止める。それにまだ奥の手は隠している。


「ヒカリン。あれ(・・)を使うぞ!」


「わかったの!」


 そういい、俺はヒカリンに魔力を渡す。これには時間が少しかかってしまうのでその間に奴らを躱さなければならない。


 次々とくる剣戟。俺は避けては突き。弾いては薙ぎ払い。そんなことを繰り返していた。


「シネ! ガキ!」


「死ねるか! はぁぁぁ!」


 そして弾き飛ばす。するとヒカリンが


「溜まったの! マスターいけるの!」


 良し! ヒカリンと覚えた魔法を俺は使う。


「いくぞ、ヒカリン! カオスボルテックス武器付与! 身体付与!」


 黒い稲妻が俺の体と武器に駆け巡る。


 その瞬間


 ズバァーン!


 雷鳴が轟く!


 ふぅ〜1つ上のランクの魔法だからヒカリンに力を借りなければいけない分、魔力消費が激しい。


 俺は取り込んでいるであろう魔剣を目掛けて走り出す。男たちも躊躇せずに突っ込んでくる。


「はぁぁぁ! 黒雷槍!」


 俺の槍と魔剣がぶつかった瞬間、男を吹き飛ばす。


 そして黒雷槍の威力に耐えられなかった魔剣が折れる。


 折れた魔剣を持つ男を見ると……よし! 気を失っているだけのようだ。


 俺は引き続き男たちの魔剣を折る。


 ついでに男たちの腕も折る。


 巻き込まれた腹いせとかでなく偶々だ。


 そして全員の魔剣を折って、全員の気が失ったのを確認すると俺は魔法を解除する。やばっ! 魔力消費が激しくて立っていられない。やばい、倒れる。


 ムニュ!


 何か顔に柔らかいものが……恐る恐る顔を上げるとそこには


「カッコ良かったわ! レイ!」


 と恍惚とした表情をしたアレクシア王女がいた。身体付与をしてまで来てくれたのか。ああ、お胸様が気持ちい……


 魔剣のことなどもあるが何も考えられない。この柔らかいお胸様で寝よう。


 俺は魔力欠乏で気を失ってしまった……柔らかい……

少し遅れましたがよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
この主人公、後先考えずに全力出してぶっ倒れるけど誰も注意しないのかな? ご都合主義だから、追加の敵とか伏兵が出て来ないけど いちいち気絶してたら殺されるぞ? そら全力を出さないと絶対に勝てない程の強敵…
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