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閑話 魔神の器(2)

「おらおらおらっ! どうだ!?」


「や、やめ、ひぐっ! お、おねがいだ、あっ!」


「やめねえよ! おら、良いのかよ!」


「クロノ様」


 ちっ、良いところにアゼルが入って来やがった。せっかくこっちは楽しんでいたのによ。俺は組み伏せている女から物を抜く。女はそのままぐすぐすと泣き出す。


 ちっ、うるせえやつだ。俺はイライラしたので女を蹴る。女は余りの痛みに下を漏らし、上から胃の物を吐き出す。そしてそのまま気を失った。


「それで何の用だよ?」


 俺の楽しみの途中に入って来たんだからそれなりに重要なんだよなぁ?


「はい。もうすぐ"黒竜王"が目を覚ます頃なのでクロノ様にも立ち会ってもらおうかと」


 そう言い部屋から出るアゼル。ちっ、こっちの意見は聞かねえのかよ。イライラする。だけどまあ良い。あいつはどうせ俺の手下なんだからな。上に立つ者としては寛容でいなければ。


 俺がこの世界に転移してから半年後経った。本当にこの世界に転移して来て良かったと思う。毎日違う女とヤレるのだから。


 転移する前は代わり映えのしない日常。毎日バイトをして怒られて蔑まれ。あんな日々からおさらばしたわけだ!


 その上、なんでも言う事を聞く手下。あいつらも他の国と敵対しているらしいし。しかもかなりの実力だ。この半年で結構強くなったけど、それでも観察眼て見れないからな。


 =====================

 黒野 真央 30歳 男 レベル56

 職業:異世界人

 体力:3680

 魔力:5100

 筋力:2100

 敏捷:2690

 物耐:1740

 魔耐:2030

 称号:異世界から召喚された者 魔神の加護 魔神の器 精豪 言霊使い 女の敵

 スキル:異世界言語レベルー 闇魔法レベル7 剣術レベル5 観察眼レベル7

 ====================


 アゼルが連れて来た魔物や人間を殺すだけで強くなれるのだから。楽で仕方ねえ。レベルが上がるから体力も上がって女たちといくらヤッても疲れねえしな。


 しかし最近もそればかりで飽きて来たからな。そろそろ新しい刺激が欲しいところだ。半年間この城から出られていないしな。


 そろそろ外に出たいな。それで外で出会った女たちを後ろから襲って、ゲヘヘ。想像しただけで勃っちまうな。


「クロノ様、着きました」


「……おう」


 全くこいつは。人がせっかく良い考えをしている時に割り込んで来やがって。まあ良いか。どうせ後で実現できるんだ。俺はアゼルの後ろをついて行く。


 やって来たのは俺が初めて転移して来た洞窟のような部屋だ。この部屋はどうやら魔神とやらの神気が1番集まる場所らしい。俺もよく分からねえが。だからアゼルたち魔将はここで復活すると。


 部屋の中には"魔王"グラディエルに"魔将軍"ギルガス、"死霊王"ベンジャルがいた。ギルガスは前に殺されたのが復活したらしい。ベンジャルはこの前眠りから目覚めたな。


「フォフォフォ、これはクロノ様。よう来ました。こちらにいらしてくだされ」


 俺はベンジャルに言われるがまま行く。俺がここに魔力を注ぐと、復活が早くなるらしい。まあ、強い手下が増えるのは大歓迎だ。


 そして魔力を注ぐと、魔法陣が浮かび上がる。黒い光が辺りを照らす。徐々に点滅が激しくなり魔法陣から風が吹き荒れる。


 その風が少しずつ中心に集まり天井に吹き荒れる。黒い光も輝きを増し、爆発したかの様に天高く光出す。あまりの眩しさに目を瞑る。


 暫くしてから俺は目を開ける。風は止み、黒い光も落ち着いたからだ。そして目を開けるとそこには


「うぅ〜んっ! やっと出てこられたぁ〜! もう、あんな窮屈なところはお断りだねっ!」


 ゴスロリ風ドレスを着た黒上黒目の少女だった。なんだこいつ? こいつが黒竜王? ただの女じゃねえか?まあ、前に見たドロテア? だっけな。あいつみたいに女らしい起伏は全くないけど。


「あっ、みんなおはよ〜! 久しぶりだね〜」


「ええ、おはようございます"黒竜王"イレーズ」


「あっ、アゼル! ボクってどのくらい眠ってたぁ?」


「大体300年ほどですかね。まあ、みんな似たようなものです。唯一封印されなかったのがグラディエルぐらいですから」


「へぇ〜、そうなんだ。あれ? ドロちゃんとリリーちゃんは?」


 イレーズと呼ばれた黒竜王は辺りを見回して誰かを探す。誰の事を探してんだよ。


「ああ、ドロテアは逃げ出して、リリスはまだ眠っていますよ」


 アゼルの言葉にイレーズはぽかぁーんとした表情でアゼルを見て、そして笑い出す。


「あはは、ドロちゃんに逃げられるってどう言う事!? 面白い〜!」


「笑い過ぎだろイレーズ。まあ、俺も聞いた時は笑っちまったが」


「ギルガスなら笑うよね〜。まあ、また会えるっしょ。それよりボクは眷属たちに会ってくるよ」


 そう言って部屋を出て行こうとするイレーズ。こいつ、俺様に挨拶も無しに。


「おい! 俺に挨拶も無しにどこに行く気だ!?」


 俺はイレーズの肩を掴んでそう言う。すると周りが一気に凍えるような寒さになった。俺は息をするのも忘れて固まっているだけ。な、なんだよこれ……。


「何ボクの肩に触れているのさ!」


「そこまでだ、イレーズ」


 気がつけば俺とイレーズの間にグラディエルが入り込みイレーズの右手を掴んでいた。俺は立っていることが出来ずに尻餅をつく。


「なんで止めるのさ、グラディエル」


「この方は器だからな。壊してはいけない」


 俺には聞こえない声で、グラディエルとイレーズが話している。そして話し終えると、先程の冷たい感じはなく、俺に微笑みながらお辞儀をする。


「これは失礼しました。ボクの名前はイレーズ。黒竜王なんて呼ばれているます。よろしくねです」


「下手くそかよ!?」


 イレーズのあまりにありえないほど下手な敬語にギルガスが笑い出す。


「だって仕方ないじゃん。今まで敬語なんて使ったことないんだからっ!」


 それにイレーズは頬を膨らませて怒る。


「はい、無事イレーズも起きたことです。今日はここまでにしておきましょう。イレーズも会いに行っても大丈夫ですよ」


「りょーかい! また後でね〜!」


 そう行って軽快に走り部屋を出て行くイレーズ。それと入れ替わるようにアゼルが俺の前に立つ。


「これで残るは後リリスのみになりました。彼女が目を覚ませば、我々は大陸に対して宣戦布告を致します。そうなれば全面戦争となるでしょう。この大陸を血に染まれば、クロノ様の魔神様の力の復活も早まるでしょう」


 全面戦争か。それに勝てば俺はこの世界の王……いや、魔神とやらの力を復活したら神にもなれるのか!? くっくっく、本当にこの世界に転移してよかったぜ。楽しくなって来た!

次はレイに戻ります。

よろしくお願いします!

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