007 またあした
セリフよりも描写などの文字多めで書いていきたい気持ち。
実は俺いらない説が僅かに浮上してきているが、現実から目をそらすように紅愛が作業していた地面を見る。
入ってくる時は草が邪魔で見ることが出来なかったが入口の近くが平になっている。
「魔法ってすごいな。あんなにでこぼこしていて足場の悪かったところがこんなに綺麗になるのか」
「ね。でもわたしの魔力?的にも今日はここら辺が限界かなー」
どうやらこの土魔法は魔力の消費量が馬鹿みたいに多いとのこと。生成だけでなく、操作して地面と結合、平にしているのでさらに魔力を消費するらしい。
とはいえ、入口付近と人が二人入るスペースか平らにできている。
「あの平にしたスペースが寝る場所出会ってるよな?」
「うん、そうだよ〜」
「了解」
あのスペースが寝る場所で間違いないようなので運んできた草を敷いていく。
うん。この感じだと外に残っている草で二人分の寝床としては十分かな。一度外に戻って残りの草を運び同じように敷いていく。
「よいしょ。うん、悪くはないかな」
敷き終わった草に上に座ってみる。ベッドや布団のようにふわふわだったり肌触りが良いという訳では無いが、ある程度のやわらかさがあり、洞窟の岩肌特有の冷たさを防いでくれる。
「わたしも失礼して・・・うん。とりあえずの応急処置としては十分じゃない?」
「そうだな。日本にいた時のような柔らかい布団・・・みたいな贅沢は後々ということで」
作業もひと段落ついたので、夜ご飯として林檎を食べながら今後について話し合う。
話し合った結果、食料の確保が最優先ということになった。林檎を一つずつ食べたので残りは9個。今日はもう食べなくても持つと思うが、明日以降も今日みたいな量しか食べれないと体力が持たない。
それに林檎もいつ腐ってしまうか分からないので安定して食料を供給できるようにしたい。
林檎もいいがやっぱり肉が食べたい。
食料の確保と並行で人の痕跡も探すことにした。今日歩いた限りでは人の手が加わった形跡は見られなかったが、道などを見つけて人里に早く行きたいところ。
それにクラスメイトと合流出来るかもしれない。流石に俺と紅愛だけということは無いだろう。
他にやる事としては現状の把握。主に魔法などの異世界に来てからできるようになったことの確認だ。今日一日走ったり歩いたりしていたが、俺も紅愛も多少は疲れたがこの洞窟を見つけるまでほとんど休憩無しだった。なので身体能力が上がっているかもしれない。
また、魔法に関してだが紅愛はまだ使えてない魔法があるようだし、俺は結界だけだがその性質を全て掴めてはいない。
ちなみに紅愛の風の刃は魔法の使える範囲からでても消えなかったから、結界も1度展開してから離れれば消えないのでは。という疑問から板のように結界を出して離れてみても消えなかった。
離れた状態では結界を操作することは出来ないが、魔力が途切れたという感覚はない。試しに紅愛に結界を叩いてもらうと、結界を叩かれているという感覚と俺の魔力を消費しているという感覚がある。
どうやら一度結界を展開したら離れても維持することだけはできるようだ。ただ、魔力の通りが悪くなっているようなので範囲から離れるほど維持がやりづらくなるようだ。
もう一つわかった事として結界は複数出せるようだ。
この結界だが展開する時に魔力を消費しそれ以降はダメージを受けなければ魔力を消費しない。そして感覚からして基本的に俺の魔力が尽きることは無い。つまり何が言いたいのかと言うと夜の安全は俺の結界で確保されたということだ。
途中で結界の検証を挟んだが明日以降のやりたいことはこんな感じだ。
結界の光で気が付かなかったがどうやら話している間に夜になったようだ。夜になってはいるが月明かりのおかげで外は完全に真っ暗というわけでないので、結界の光が目立つことは無さそうだ。
早速洞窟の入口を結界で塞ぐ。そして念の為二人分で腰掛けている草布団の周りも囲う。
その後も多少の雑談をしたが、明日は朝早くから探索しに行きたいので早めに寝ることにした。
二人で寝ることに気恥ずかしさがあるが、こんな状況だ。変なことは考えずに寝てしまおう。
「紅愛さん、おやすみ。明日もよろしく」
「おやすみ。こちらこそよろしくね」
明日からちゃんと投稿を復活していきたい気持ち。




